Y Combinatorの今のクラスで修行しているLivecoding.tvは、プログラマがほかのプログラマたちからリアルタイムで学べる、というサービスだ。
使い方は簡単で、プログラマが自分のプログラミング過程の実況をストリーミングし、‘視聴者’はそれを見物しながら質問をしたりフィードバックを与えたりする。
ベータでローンチしたのが2月だが、これまで162か国4万名あまりがサインアップした。当然、言葉はポルトガル語、ロシア語、ドイツ語等々とさまざまで、プログラミング言語もC#、Python、PHPなどなど、さまざまだ。
自分のプログラミングをストリーミングで流したい人も、エキスパートのプログラマから初めてのゲームをJavaで作っている11歳の子どもまで、いろんな人たちがいる。
PeriscopeやMeerkatなど、ユーザのリアルタイム実写ビデオ(自撮りビデオ)と同じく、視聴者はそのユーザをフォローでき、するとその人がまた新しいライブストリーミングを始めたら通知をもらえる。
プロのプログラマは、このサービスで、ベータユーザになってくれそうな人を見つけたり、新しいアプリケーションに関してフィードバックをもらったりできる。たとえば、著名なプログラマで物理学者でもあるStephen Wolframは、彼の新しいプログラミング言語をLivecoding上で宣伝し、先週行われたそのデモを見た人は4000名を超えた。
経験の浅いプログラマたちにプログラミングを教えるリソースはネット上にたくさんあるが、このようなプログラミングのリアルタイムの実況で助言を得たり、エキスパートによるコードの書き方を見たりする、リアルな学習体験は、これまで、あまりなかった。
Livecodingの協同ファウンダJamie Greenは曰く、“YouTubeなどでチュートリアルを見るのと違って、Livecodingには対話性がある。そこが、重要な差別化要素だ”。
“既存の静的なチュートリアルは、きちんと編集されていて、問題解決へのいちばんの近道を行こうとする。でも、現実の技術者たちによる現実の問題解決過程は、そんなストレートなものからはほど遠い”。
初心者も自分のストリーミングをポストして、今やってることに関するコツや意見を求めることができる。
“これまでは、誰かに聞こうとすると、いちいちFacebookにアクセスしなければならない。問題がややこしいので、5分おきぐらいにそれをやることもある。そのたびに、プログラミングの集中力が途切れ、邪魔される”。
Livecodingでは、プログラミング以外に、たとえば初めて使う3Dプリンタのセットアップの仕方を尋ねる人もいる。ライブで音楽を演奏するコードを書いて、実際にLivecodingの聴衆に音楽を聴かせてしまったユーザもいる。Greenは、プログラミング以外の別部門をいろいろ作らなければならないだろう、と言っている。
“ライブの教育は未来の鍵であり、未来の教育の鍵である”、とGreenと主張する。“デザインなどの分野も、このやり方で教育/学習すれば、すごくおもしろくなるだろう”。
今のところLivecoding.tvは完全に無料で、Greenは広告は絶対やらない、と言っている。しかし今後、テーマを絞った専門性の濃いコンテンツは、有料になるかもしれない。