BBCのMicro:bitは子どもたちにぴったりのプログラミング端末

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BBCはMicro:bitで教育向けコンピューティングにおける自社の新たな歴史を刻む。この放送事業者は、3月に初めて発表したMicro:bitの最終デザインとプログラミングが可能な小さいボードのプログラミング環境を今日公開した。以前の発表の時にはなかった新しいセンサーや機能も追加された。この小さなデバイスは、Raspberry Piや Arduinoの拡張的なエコシステムによる処理力には欠けるが、それでMicro:bitを過小評価しないでほしい。Micro:bitは素晴らしい教育向けデバイスになるだろう。

Micro:bitにはモーションセンサーが加えられ、探究心旺盛な子どもたちがウェアラブルやIoTのデバイスをプログラムするきっかけとなることが期待される。残念な点は、最終デザインには薄いバッテリーを装着できるスロットはなく、外部電源を必要とすることだ。

Micro:bitはRaspberry PiよりArduinoに近い印象だ。Micro:bitの最大の目標は、賢い創作物を作る過程で子どもたちに基本的なプログラミングを教えることだ。デバイスの後側には、LEDライトが複数取り付けられている。デバイスには2つのボタン、 Bluetooth LEとの接続機能、microUSB用のスロット、ワニグチクリップやバナナプラグ用の5つの入出力端子(I/O)があり、それでMicro:bitをRaspberry PiかArduinoとつなげることもできる。

BBCはMicrosoftの助けを借りて製作したMicro:bitのプログラミング環境も本日発表した。このウェブベースのツールでユーザーはプログラムを書いたり、デバイスにデータを転送する前にタスクをシュミレートしたりすることができる。ブラウザで動くため、ユーザーはほぼどんなデバイスからでもMicro:bitをプログラムすることができる。

Micro:bitは、BBCがイギリスの学生にプログラミングの探求を促すべく製作した最新の取り組みだ。このRaspberry Piに似たデバイスは、1980年代に彼らがリリースしたBBC Micro PCの意志を引き継いでいる。先輩端末と同じく、Micro:bitも他社の助けを借りて製作された。今回BBCは、製造事業者、ソフトウェア製作企業、小売、教育機関など、29のパートナーを迎えた。そのリストの中には、Microsoft、Samsung、ARM、Bluetooth SIG、Element 14、ランカスター大学などが含まれている。

BBCはMicro:bit端末を100万個用意し、イギリス中の学生に無料で配布する予定だ。国内の学校の11歳と12歳の子どもたちに一つづつ配布する予定でいる。この分がなくなった後は、BBCが設立した非営利団体が追加分のMicro:bit端末の製作のため、企業にMicro:bitのライセンスを付与する。

Micro:bitは子どもたちにプログラミング開発を教えようとするRaspberry PiとArduinoの仲間に加わった。ただ、Micro:bitの魅力的な点はハードウェアそのものではないかもしれない。学校は既存のハードウェアもこのユニークな開発環境で利用できるため、教育者はこのデバイスを取り入れやすい。また、環境内で検証もできるため、学生がそれぞれMicro:bitを所有している必要もない。

学校がどの端末を使用することになっても良いが、取り敢えず子どもたちにプログラミングを教えよう。プログラミングは歴とした仕事であるし、子どもたちはそれを知る必要がある

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter