株式取引終了のベルと同時にTwitterは2015年第3四半期の決算を報告した。 今回の財務情報によると、同社の売上は5億6920万ドル、調整済み一株当たり利益は0.10ドルだった。市場はTwitterが5億5960万ドルの売上に対して0.05ドルの一株当たり利益を上げることを期待していたのでこれは上回ったといえる。
しかし財務内容を説明するカンファレンス・コールの後、Twitter株式は時間外取引で約8%急落した。
Twitterは第3四半期の月間アクティブ・ユーザーを3億2000万人と発表した。この数字は前年同期には2億8400万だったが、直前の第2四半期には3億1600万人だった。
現在Twitterについてはアクティブ・ユーザー数の頭打ち傾向が投資家の最大の懸念だ。今日(米国時間10/27)の決算報告でTwitterはこうした懸念を吹き払うことに失敗した。一見したところアナリストの期待を上回る財務情報でありながら、Twitter株が大きく売り込まれたのはそういう理由だ。
売上の伸び率に関してTwitterは問題ない。売上は対前年比で58%も伸びている。しかしユーザー数が横ばいなのはこの企業のキャッシュ・フローを見る上で本質的な弱みだ。読者も記憶しているだろうが、投資家はキャッシュ・フローを見る。
Twitterのモバイル対応は模範的だ。広告収入の86%はモバイル広告の画面から来ている。あの小さいなモバイル・サービスの広告を健全な収益に結びつけることに成功した企業はごく少ない。
にもかかわらず、ユーザー数が増えないことに対する投資家の懸念は晴れなかった。
Twitterが発表した今後のビジネスのガイダンスによると、同社は今期(第4四半期)に6億9500万ドルから7億1000万ドルの売上を予想している。市場では第4四半期の売上は7億3970万ドルに届くだろうと予測されていたので、これを大きく下回るガイダンスの数字は投資家を落胆させることとなった。
通常の会計基準に従えば、今期Twitterは1億3170万ドルの企業価値を失ったことになる。投資家はこれまでTwitterをGAAP基準の財務情報では判断せず、ソーシャルメディアの将来性に賭けてきた。しかし事情がこうであると、市場はもはやTwitterにそのような楽観的基準を適用しないことになりそうだ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)