競争は進歩の源だ。ボーイングのCEO、Dennis Muilenburgが人間を火星に送り込むレースでSpaceXに勝つことを宣言したのは素晴らしい。
Bloombergによれば、Muilenburgば火曜日、シカゴで開催されたカンファレンスで「火星に足を踏み入れる最初の人類はボーイングのロケットを使っているものと確信している」と語った。
ボーイングはスペース・ローンチ・システム(Space Launch System)と呼ばれる大重量打ち上げシステムを開発中だ。これはTechCrunchでも紹介したSpacecXの惑星間輸送システム(Interplanetary Transport System)とほぼ同様の目標を狙っている。先週開催された宇宙開発に関するコンベンションでSpaceXのCEO、イーロン・マスクはキーノート講演を行い、この惑星間システムについて詳しく説明した。
ボーイングとSpaceXはすでにNASAからの衛星打ち上げの契約獲得でビジネス的に激しい競争関係にある。ボーイングがSpaceXに対抗して有人火星探査計画に力を入れているのはこうした現実のライバル関係を反映したものだろう。ボーイングでは早ければ2030年代後半に火星の有人探査を実現する計画であり、これにはNASAの資金援助を受けて600億ドルの開発費用がかかるとみている。
これに対してマスクの計画によれば、火星の植民が実現する時代にはSpaceXの1人あたり費用は20万ドルという実現可能な額になっているという。火星プロジェクトの資金は企業、公的組織から広く集められる(マスク自身も投資する)としている。
単なるマーケティング上の効果を狙った発言ではなく、ボーイングが実際にSpaceXと競争する計画であるなら、こうした競争関係はプロジェクトを前進させる効果が期待できよう。その結果、火星有人探査が単なる夢から現実の目的になっていくことを期待したい。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)