シリコンバレーでは必ず何年かに一度、不老不死や長寿を喧伝する者が現れる。その前に、そんなに長生きをして一体何をするのかを、考えておいた方がよい、と私は思うのだけど。今度登場したUnity Biotechnologyは、加齢に関連した症状の進行を遅くすることによって長寿を実現する、と主張するスタートアップだ。同社は今日(米国時間10/27)、シリーズBで1億1600万ドルという巨額を調達したことを発表した。投資家の中には、AmazonのJeff Bezosもいる。
体(からだ)が、細胞の老化を遅らせることがある。何かのストレスで、細胞が分裂を停止することがあり、それは、がん細胞の分裂と成長を停止することもあるから、抗癌治療にも利用できる、と考えられている。でもそんな細胞が多すぎると、加齢とともに別の問題が生じる。Unityが追究しているのは、炎症や、加齢と結びついているその他の疾病を起こす古い細胞を、体が積極的に捨てるようにするための方法だ。
Unityの技術には、体の老化を遅らせる可能性があり、科学や医療分野の上位投資家たちの関心を招(よ)んでいる。またバイオテクノロジー分野の非上場企業としては、相当巨額な資金を獲得した少数企業の、仲間入りをしている。
Bezosは、前にもバイオテクに投資している。それは2014年のJuno Therapeuticsだが、そのときは彼のVC Bezos Expeditionsからの投資だった。Junoはがんの免疫療法で画期的な発見をして、バイオテク企業としては数少ないIPO成功企業の一つになった。
バイオテク企業への投資案件の多いスコットランドのミューチュアルファンドBaillie Giffordのほか、Venrock, ARCH Venture Capital, Mayo Clinic, WuXi Pharmaceuticalsなどがこの投資ラウンドに参加した。
同社の発表によると、元KYTHERA BiopharmaceuticalsのCEO Keith Leonardが新たにCEOになり、これまでのCEOで協同ファウンダーのNathaniel “Ned” DavidはUnityの社長になる。