Macbook Proの新モデルでポートが減ったこと、キーボードからいくつかのキーが消えたこと、MagSafeで充電できなくなったこと等々についてはさまざまな意見が出ている。しかし情報の洪水の中で忘れられがちがなのが、Macのもうひとつの機能がそっと廃止されたことだ。
この機能はAppleのエコシステムの中でもいちばん目立つものの一つだった。新MacBook Proでは特徴的な起動音が聞かれなくなった。ユーザーがMacを立ち上げときに鳴るF♯のチャイムは1998年から用いられていたものだが、最新モデルがインスタント・ブートを採用したのを機に廃止された。
この変更はまずAppleのFAQページで発見された。新しいモデルがNVRAMを採用して起動が高速化したことによる(残念な)副作用の一つがチャイムの消失だという。
この起動音はMacintoshの最初期の時点から用いられ愛されてきたが、何度か音を換えつつ、90年代後期に現在の音に落ち着いた。Appleは起動音を採用してしばらく経ってから申請した特許の説明にこう書いている。「[このチャイム]はメジャー・コードのGフラット/Fシャープ音よりわずかに低い(約30cent)サウンド・マークよりなる」。
しかしチャイムで特許を取ろうとするなどエルビス・コステロのジョークではないが「建物を見て興奮して大騒ぎするようなもの」ではあるまいか。
〔日本版〕 音楽でcentという単位は12平均律における半音の100分の1だという。30centは半音の約3分の1。なお音楽におけるシャープ♯記号は番号を表す#記号とは別もの。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)