Googleは自動運転プロジェクトの進展に関する月例レポートを発行し、恒例の自動運転による総走行距離223万0175マイルの数字と共に、自動運転車が「切り返し」のように複雑な作業をいかにこなしているかを紹介している。
切り返し(three-point turn)は、運転免許テストの定番であり、行う場所によっては非常に難易度が高い。Googleによると、自動運転車は360度全周ビジョンや極めて正確な距離測定能力等を持つため、この種の作業では人間よりずっと有利だ。
その結果、自動運転車は通常の切り返しとは異なるが全体としての効率が高くなる方法があることがわかった ― しかし、それは人間の同乗車にとっては理想的なユーザー体験ではない。人間は、車が自分の理解できる振舞いをして動く方が心地よく感じる。そのためにGoogleは、単に切り返しの動作を行うだけでなく、乗っている人が「自然に感じる」方法をとるよう車たちに教え込んだ。Googleのテスト走行車は週に延べ1000回くらい路上で切り返しを行っていると同社は言っている。
Googleはこのレポートに、テスト車が関わったあらゆる事故についても記載しており、10月26日号にも1件報告されている。自動運転車が時速3マイル(4.8 km/h)で走行中、時速6マイル(9.6 km/h)の車に追突され軽い接触事故が起きたが、責任は人間側にあり損傷は最小限だった。
Googleチームがテクノロジーにユーザー体験を組み入れると同時に、困難な技術的課題を解決していくのをを見るのは興味深い。自動運転技術が長期的にユーザーに受け入れられるためには、良いユーザー体験が安全問題と同じくらい重要なので、歩調を合わせて開発していくのは賢いやり方だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)