ゲーム感覚で楽しめるオンライン学習アプリのSmartUpが550万ドルを調達

smartup-app

2015年、私たちは新しいオンライン学習サービスに興味をそそられた。それはモバイル中心のサービスで、ユーザーを学習という「遊びに誘い込む」ものだった。それこそがSmartUp.ioのアイデアだ。SmartUpは、ポイント制のゲームで学習のインセンティブを引き出すモバイルアプリだ。彼らの初期のプロダクトは、控えめに言っても、優雅さを欠き、コンテンツが「軽い」と言わざるを得ないものだった。しかし、それでも彼らは前進するのを止めなかった。

同社は現地時間14日、Notion CapitalとHong Leong Group(東南アジア最大の金融グループ)がリードする調達ラウンドで合計550万ドルを調達したと発表した。本調達ラウンドにはその他にも、Michael Birch氏(Bebo創業者)、Luke Johnson氏、Barry Smith氏(Skyscanner)、Alex Asseily氏(Jawbone)、Ed Wray氏(betfair)、Simon Patterson氏(Silverlake)などの個人投資家が参加している。

共同創業者のFrank Meehan氏は、私にこう話してくれた:「私たちに声をかけてくれた企業は、私たちのマイクロ学習フォーマットに興味を持ってくれました ― しかし同時に、そこに自分たち独自のコンテンツを組み込むことはできないかという要望もありました。そこで、新しいP2Pマイクロ学習プラットフォームを開発することにしたのです。そこでは、参加者の誰もがみずからコミュニティを創設することができるだけでなく、インタラクティブなコンテンツのチャンネルをつくることが可能です。テキスト形式、クイズ形式、動画形式、投票形式など、その種類はさまざまです。私たちがつくった無料かつオープンなコンテンツコミュニティもある一方で、ユーザーである企業も、みずからプライベートなコミュニティをつくることができます」。

彼らの新しいアプリはここからダウンロードできる。その中から「Browse Communities」という項目を選べば、彼らが顧客として獲得した企業をいくつか見ることができるだろう。「Launch」を選べば、スタートアップ向けのオープンコミュニティの中身を見て、このアプリがどのようなものか体験することができる。

企業はこのアプリを利用して、社内教育プログラム、プロダクト教育プログラム、新入社員教育プログラム、セールス資料、コンプライアンス教育プログラムなどを作成することができる。また、SmartUpを社外用の「アカデミー」として利用する企業もある。SmartUpの顧客企業は、そのアカデミーを利用してプロダクトの詳細を顧客に教えているのだ。つまり、これまでのブログやPDFというプロダクト教育のフォーマットから、顧客からフィードバックを受け取ることも可能な、SmartUpが呼ぶところの「マイクロ学習フォーマット」に移行することができる。

Lesson.lyGrovoEdCastなどの企業が注目を集め、オンライン学習分野がもう一度ホットな分野になるなかで今回の資金調達が実現した。Lesson.lyは、SmartUpと同じように「マイクロ学習」技術を採用するトレーニングシステムを開発する企業だ。また、Grovoも同様のマイクロ学習システムを開発しており、独自コンテンツを製作できる機能に特化している。

「Dropbox Paperも将来的に競合サービスとなりうるでしょう。もし彼らのサービスに教育プラットフォームが加わることになれば、それは確実です。私は彼らがそうするのではないかと予測しています」とMeehan氏は語る。

オンライン学習がいま注目を浴びているのには、企業がフェイストゥフェイスのトレーニングからデジタルなプラットフォームに急速に移行しつつあるという背景がある。巨大なPowerPointファイルによって行う社員教育ではなく、彼らはマイクロ学習を望んでいるのだ。教育を受ける者にとってマイクロ学習は本質的に分かりやすいものであり、気軽なコンテンツに慣れた若い社員にはこの方が受け入れられやすい。

SmartUpへの出資者「Founders Forum」による起業に関する教育プログラムのような、ハイクオリティなコンテンツが同社のサービスに存在するという事実も、おそらく彼らを後押しすることになるだろう。他のプラットフォームはこの分野に目を向けていないことが多いからだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。