今では数社のスマートフォンメーカーが自社独自のモバイルプロセッサーを作っているが、しかしその中でAppleはさらに一歩進んで、グラフィクス用のプロセッサーも自社で
開発するようだ。
Appleからの公式発表等はまだないが、長年のパートナーであるImagination TechnologiesがAppleから聞いた話としては、同社は15ないし24か月後に、他社の知財であるGPUの使用をやめる、という。つまりそれは、自社製のGPUを使う、ということだ。
“Appleは、同社の製品をコントロールするために、単独で独立のグラフィクス(プロセッサー)の設計に取り組んでおり、将来的にはImaginationの技術への依存を縮小していく、と確言した”、Imaginationの声明文がこう言っている。
カスタムGPUの期待は、パフォーマンスの向上など、iPhoneファンにとっては嬉しい話題だが、このイギリスのテク企業にとっては大打撃だ。Appleの多くのパートナーたちと同様に、同社も売上の大半をiPhoneのメーカーに依存している。ロイターの記事によると、この発表で同社の株価は69%下がったそうだ。
1年近く前に、Appleとしては珍しい情報開示により、同社がImaginationを買収するという噂を確認した。今Appleは同社の株の8%を保有している。しかし買収は実現せず、6か月後にMacRumorsが、Appleが同社のエンジニア数名をスカウトした、と報じた。それはたぶん、同社のグラフィクスプロジェクトを立ち上げるためだろう。
Appleのサプライヤーがこのように内部情報を公開することは珍しいし、もしかしたらそれはパテント抗争を始める前触れかもしれない。同社の声明文は、Appleが同社のIPに抵触することなく独自のGPUを開発することは、“非常に困難だろう”、と言っている。
しかし、“Appleの通知によりImaginationはAppleと、現在のライセンスとロイヤリティ合意に関する新たな新たな商業的取り決めを協議することになる”、とも述べているから、今後両社が何らかの協定を結ぶ可能性もありそうだ。