ウィークエンドの冒頭または末尾に20分の空き時間がある人は、インドのコンテンツモデレーターたちを描いたこの短編ビデオを楽しめるかもしれない。ソーシャルサイトやデートサイトなどに暴力場面やポルノが登場しないために、何千もの人たちが昼夜を舎(お)かず目を凝らしている。それが実際にどんな仕事か、この機会に知るのも悪くない。
Adrian ChenとCiaran Cassidyが作ったこのビデオは、全体的に沈んだような瞑想的トーンだが、これらの気の毒な人たちが毎日熟視しなければならない画像をちょっと見ただけで、あなたは襟を正したくなるだろう。ちょっと見る、とは言っても、非常にNSFWな画像がときどきあるから、気をつけよう。その多くが、ピントの合ってない背景画像だが、でもやはりヤバイ。
理解しないといけないのは、この種の仕事はストレスが多くて、過労死や燃え尽き、ときには精神障害になることを防ぐために、入れ替わりがはげしいことだ。MicrosoftやGoogleのような裕福な企業なら、彼らに専門のカウンセラーをつけることもできるが、多くはほったらかしだ。このビデオでは、彼らが最初の仕事として、恐ろしい、しかし真剣に対応すべきコンテンツを与えられる。それに耐える彼らを、エライと言うべきか、バカと言うべきか…。
でも、登場する二人の教育担当上司は偉い。一人は、こういうチームがなければインターネットは“ポルノ工場”になってしまう、と言う。もう一人の教育役は、これは必要な汚れ仕事であり、社会に欠かせない公益事業だ、と言う。おバカなアメリカ人が、無料デートサイトを、いたずらされずに楽しみ、好き放題苦情を言えるのも、縁の下に彼らがいるからだ。ビデオは、そこまでは言わないけど、実際はそういうことだ。