10万人以上の会員を抱えるコワーキングスペース界の巨人WeWorkは、本日(米国時間25日)よりWeWork Services Storeを開始した。
簡単に言えば、このニューヨークを拠点とする巨人は、オフィスを介した世界征服を目論んでおり、今度は単なるオフィススペースだけではなくオフィスツールにも力を注ぎ始めたということだ。
WeWork Services Storeは、従来のアプリストアとよく似ていて、メンバーに対して幅広いエンタープライズサービスへの便利なアクセスを提供する。しかもそのサービスはしばしば独占契約によるものだ。
WeWorkは、これまでも、その大規模なメンバー基盤を活用して、Amazon AWSを始めとする多くのサービスから、エンタープライズソフトウェアに関する割引と独占サービスを引き出して提供してきた。
Services Storeの立ち上げにより、WeWorkはそうした特典やその他のエンタプライズソフトウェアを、WeWorkメンバーシップの一部として提供することができるようになった。
さて、その仕組は以下のようなものだ。
メンバーはWeWorkのWebサイトにログインし、クリックしてServices Storeに入る。Slack、Hive、InVision、Boxなどのエンタープライズサービスは、ユースケースに従って整理され、既存のWeWorkメンバーからの独自のレビューが提供されている。
WeWorkに最適化されたパートナーのツールに関しては、ユーザーたちは他の取引と同様に、WeWorkサイトからそれらのソフトウェアを購入することができる。ソフトウェアは自動的に利用者数や名前、そして請求などに関する情報を自動的に取り込む。CEO向けに、そうした取引はWeWorkの月の請求書に反映されることになる。
人びとは長い間、WeWorkは単に中小企業向けのもので、ほとんどのスタートアップはいつか自分のオフィスを確保して出ていくものだと信じていた。しかしWeWorkはServices Storeの立ち上げによって、より粘り強くなろうとしている。単純にServices Storeの利便性と割引を、メンバーを引き止める魅力にしようとしているのだ。
しかしWeWorkは自身を、中小企業と大企業の双方にとって魅力あるオプションだと自負している。
たとえば、最近WeWorkは、Microsoftとの間で、ニューヨークのMicrosoftの巨大セールスチームに対する、オフィススペースの提供ならびにWeWork会員特典の提供に関する契約を締結した。
そしてServices StoreにおけるWeWorkのデジタル会員(オフィススペースは使えないが、正規会員と同様のデジタル特典を受け取ることができる)は更に魅力的だ。
WeWorkのServices Storeの開始時のパートナー数は100である。デジタルプロダクト担当上級副社長のRon GuraはTechCrunchに対して、パートナーリストはこの先も成長を続ける予定だと語った。
Guraはまた、WeWorkは現在Services Storeでは収益をあげていないと説明したが、将来の可能性については否定しなかった。
WeWorkはこれまでに約40億ドルを調達し、200億ドルの評価に達していると言われている。
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(翻訳:Sako)