わずか2日前、ついにFAA(連邦航空局)は離着陸時の電子機器利用禁止の規則を緩和するかに見られた。しかし、どうやら新ルールが有効になるのは何か月か先になりそうだ。
FAAは、1万フィート(3000m)以下での電子機器利用禁止の取りやめが延び延びになっていると書かれた報告書原案を準備中だが、同時に、乗客が使用する電子機器によって起き得る電磁波妨害を最も受けやすい機種を調べるためのテストには、何ヵ月もかかると警告している。
FAAは規約緩和の具体的日程を決めておらず、安全評価、乗務員訓練、広報キャンペーン、国際規約との調整などに長い期間を要する可能性がある。さらに、WSJによると、報告書の結論は9月の締切までに変更される可能性があり、乗客はさらに待つことになるかもしれない。
いずれ離着陸時の電子機器利用禁止は取りやめる、というFAAの繰り返される約束をよそに、多くの乗客は自らのやり方で問題に対処している。同局のある調査によると、乗務員に端末の電源を切るよう言われた時に必ずそうしている乗客は60%以下だった。事実、スマートフォンやタブレット、電子リーダー等を1万フィート以下で使ってはいけないことすら知らない人が大勢いる。
さらに混乱することに、パイロットや客室乗務員が、離陸時にタブレット等の電子機器を使うことが益々増えている。これはFAAも、乗客を混乱させていることを認めている。
現在ルールへの変更にはまだ時間がかかるかもしれないが、旅客航空業界は乗客の電子機器に対する見方を劇的に変えてきた。わずか2年前、航空会社240社以上を代表する国際航空運送協会(IATA)は、電子ガジェットは当初考えていた以上の危険をもたらすとして、2大危険デバイスにiPadとiPhoneの名前を挙げた。
乗客がFAAの心変りの恩恵に浴するまでにはまだ時間がかかりそうだが、極めて注意深い業界のパーソナルエレクトロニクスに対する見方に、大きな変化が始まっていることに間違いはない。
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(翻訳:Nob Takahashi)