フランクフルト証券取引所への上場を果たしたフードデリバリー企業Delivery Heroの時価総額が、取引初日(現地時間6月30日)に50億ドルを突破した。
今月に入ってから上場の意向を示した同社のIPO価格は、1株あたり25.50ユーロに設定され(仮条件の上限値)、取引初日の最高値は27.70ユーロ(約8.6%の値上がり)だったとBloombergが報じている。つまり、設立から6年が経ち40か国以上で営業しているDelivery Heroの時価総額は、最高で47億ユーロ(53億ドル)に達したのだ。
Delivery Hero自体はIPOで4億6500万ユーロ(5億3000万ドル)を調達し、この資金は債務の返済やビジネスの成長のために使われる予定だ。一方、その24時間ほど前にニューヨーク証券取引所で上場を果たした食材宅配サービスのBlue Apronは、Delivery Heroとは対照的に前途多難なスタートを切った。
IPOがうまくいったとはいえ、Delivery Heroは未だ黒字化を果たせておらず、昨年度の純損失は2億200万ユーロ(2億3000万ドル)だった。その一方で、2016年の売上高は3億4700万ユーロ(3億9000万ドル)で前年比71%の伸びを見せ、オーダー数も51%増加した。これにはRocket Internet傘下だったFoodPandaの買収が深く関係している。Delivery HeroはこのM&Aを通じて、東欧や中東、アジアを含む合計20か国への進出を果たし、その他の市場でも大きな力をつけることができたのだ。
FoodPandaの売却によってDelivery Heroの株式の35%を手に入れたRocket Internetにとっても、本日のIPOは大きな追い風となった(投資会社NaspersもIPO直前の投資を通じて、同社の株式の10%を保有している)。
ドイツのインキュベーター兼投資会社であるRocket Internetは、ポートフォリオ企業の赤字体質で批判を受けてきたが、Delivery HeroのIPOによってこれまでに合計2社をエグジットさせたことになる。さらに同社は、FoodPandのほかにも先日東南アジアのEC企業Lazadaの株式を全て売却した。逆にAlibabaは、今週10億ドルもの資金を投じてRocket InternetやTescoを含むさまざまな投資家からLazada株を買い取り、同社の持株比率は51%から83%に上昇した。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)