Appleの最新OSは、まだ開発者向けベータ版でしか提供していないが、すでに多くの開発者がiOSの拡張現実プラットフォーム「ARKit」を使ってアプリを開発している。
ARKitの開発者ツールは、ロケーション・マッピングという大変な処理を肩代わりするため、クリエイターは物理世界とデジタルの世界をどのように組み合わせたらもっとも自然な作品になるかという部分に注力できる。
開発者はこの新しい媒体を使って実験を始めたばかりだ。今後、AppleはさらにARを開拓していくことが期待される。Twitterアカウント@MadeWithARKitでは、ARKitで制作されたプロジェクトを見ることができ、この記事ではいくつか注目プロジェクトをGIFで紹介する。
ここで紹介するプロジェクトの中には、例えば、Microsoft HoloLensで見たようなデモと類似しているものもある。こうしたアプリで実現する機能は近いうちに何万台のiOS端末に届くことになるだろう。開発者は多くのオーディエンスにリーチでき、それはARKitで実験するインセンティブにもなっている。また、次世代のiPhoneにはディープセンシングが可能なARに特化したカメラセンサーモジュールを搭載するという噂だ。今後ARプラットフォームはますます面白くなるだろう。
確かにこれらのアプリはまだぎこちなく、「すごい、面白いね!」というフェーズだ。Zippoのライターアプリを初めてiPhoneにダウンロードして、友達に見せていた頃と同じだ。これらのユースケースからさらに発展したアプリが近い将来登場するだろう。その時、Appleのモバイルプラットフォームにおける拡張現実の発展が進むことになるだろう。
Appleがモバイル端末ベースのSLAM(ローカライズとマッピングの同期)において、技術的に洗練されたシステムを構築できたことを明らかだ。そしてこれは他のSnapやFacebook、Googleが提供するARプラットフォームより短期間で自社エコシステムに開発者を惹きつける理由になるかもしれない。
踊る登場人物
ARKitは視聴者にとって馴染みのある場所で物語を展開することができる。視聴者と物語との関わりを強めることができるだろう。
Source: Tomás Garcia
どこでも測ろう
デモの中でも実用的なアプリ。ARKitのツールで巻尺を作る。測定もかなり正確なようだ。
Source: Laan Labs
メニュー紹介
レストランがメニューに乗っている料理を全部3Dスキャンするのは難しいかもしれない。けれど、頼む前にメニューが見えるようになれば、注文の取り消しは随分と減らせそうだ。
Source: Alper Guler
仮想世界への入り口
このデモでは、ARKitでVRの世界をモバイルに取り込める可能性を示している。洗練されたトラッキング技術のおかげだ。
Source: Nedd
机の上でバスケの試合
ボリュメトリック(大容量での)キャプチャーは簡単にできることではないが、適切な機材とスタジオがあれば、お気に入りのアスリートやセレブを自宅で再現することもできる。
Source: 应高选
SpaceXロケットの着陸
すべてが正しい位置にある時、物理世界とデジタルのインタラクションが最も映える。
Source: Tomás Garcia
ARで塗り絵
Googleが発表したVRのTilt Brushは画期的だ。ユーザーは仮想空間内で色を塗ることができる。このデモでは、それと似た体験をスマホ端末ベースのARで再現している。
Source: Laan Labs
いつでもMinecraft
MinecraftはVRを含め、様々なプラットフォームで利用できる。このデモは、この人気シリーズをARの世界でも再現している。
Source: Matthew Hallberg
オフィスでスペースインベーダー・バトル
いつもと同じオフィス。AppleのARKitを通してみるとこうも変わる。
Source: Daniel Rodriguez
3Dモデルを見る
Sketchfabの開発者らは3Dオブジェクトの巨大なライブラリを作成した。ARKitを使うと、彼らのオブジェクトをAR空間で簡単に見ることができる。
Source: Sketchfab
ゴッホの世界
ARを通してみることで、私たちがどのように絵画を鑑賞するかが変わるかもしれない。
Source: Mark Dawson
ラクロワ三昧
太陽系を見てみよう
ARKitを教育現場でも使える一例。現在、K-12(幼稚園から高校まで)で利用されているiPadの数を考えると、ARが教育に与える影響は少なくないだろう。
Source: @krutosh
[原文へ]