Amazonは、同社の仮想アシスタントAlexaを、Echoなど同社自身のハードウェアだけでなく、もっといろんなデバイスに載せたい、と考えている。そこで同社は今日(米国時間8/17)、AlexaのSDKを一般公開することによって、商用デバイスのメーカーたちがAlexa機能のある製品を作れるようにした。そのツールセットAlexa Voice Service Device SDKを利用すれば、各種のデバイスに完全なAlexaの能力を持たせて、音声認識だけでなくメディアのストリーミング、タイマーやアラーム、通知、天気予報、そしてAlexaの‘スキル’と呼ばれている何千もの音声アプリケーションにもアクセスできる。
Amazonによると、このSDKはこれまでのプレビューの間、特別招待のデベロッパーにのみ提供されていた。その間、50社あまりの商用デバイスのメーカーが、自分たちの製品にAlexaを実装した。
Amazonが今朝のデベロッパー向けブログ記事で、そのいくつかを紹介している。たとえばTechnicolorはAlexaを同社のHome Networking GatewayとExtenderに加え、ベルリンのスマートホームデバイスメーカーSenicは、同社のスマートホームハブCOVIにAlexaを加えている。
Amazonはここしばらく、Alexaの機能や、マイクロフォンの配列のような、音声駆動デバイスを構築するための根幹となる技術に、容易にアクセスできるためのやり方を検討してきた。
今回のAlexa Voice Service Device SDKもその努力の一環で、今やすべてのデベロッパーが、GitHub上の無料でオープンソースなライセンスでこれを利用できる。このSDKはその中に一連のデベロッパー支援ツールを総まとめしており、ハードウェア開発キットやAPI、Alexa対応デバイスの作り方が書かれているドキュメンテーションまでも含まれている。
Amazonのこのやり方が結実している製品として、たとえばHuaweiのスマートフォンMate 9が挙げられる。これには単純に、音声アシスタントオプションとしてAlexaがある。またスマート温度計Ecobee4や、インターネットラジオTriby、さらに、スピーカーや目覚まし時計、インターコム、そしてスマートウォッチにも、Alexa実装の例がある。
一方Amazon自身もAlexaデバイスの幅を広げようとしており、今度の新しいEchoスピーカーには、カメラ付きのEcho Look、画面付きのEcho Showなどがある。
Alexaを載せたデバイスのすべてが、Echo並に成功するとは限らないが、でもやらないよりはやってみるべきだ。今やAlexaのプラットホームには、音声コンピューティングのためのAndroid OSと呼べるほどの広がりがあり、トップの座、すなわち大きなマーケットシェアと多くのユーザーを、ますます維持確保しやすくなっている。