オンラインミーティングソフトウェアのZoomが、ARとAIをミーティングに持ち込む

Zoomは、その第1回ユーザーカンファレンスZoomtopiaに於いて、人気のミーティングソフトウェアに対する一連の機能拡張を発表した。拡張現実(AR)ミーティングの導入、議事録の自動作成、そしてSlackやFacebook Workplaceを含む様々なパートナーとの完全な統合などが含まれている。

まずARから始めよう。現段階ではまだ限られた機能だが、これはZoomによるミーティングに拡張現実機能を導入した最初のものだ。CEOのEric Yuanによれば、これはオンライン授業を強化することが目的だということだが、課題もある。教師がARのヘルメットを着用する必要があり、現在サポートされているのは(今のところ)Metaのみだということだ。それでもYuanによれば、生徒たちは教師が拡張現実の中に見ているものを何でも見ることができるということだ。例えば、もし教師が太陽系を表現したものの回りを歩くとすれば、それを生徒たちはZoomプラットフォーム上で見ることになる。生徒側が特別な機器を持つ必要はない。

同社はまた、FacebookによるWorkplaceやSlackを含む、一般的なエンタープライズワークフロー/コラボレーションツールとの統合を発表した。これまでもZoomは、Slackと一緒に使うことができていたが、今回はさらに緊密な統合である。ユーザーが単純にSlackの中で”/zoom”と入力するだけで、他のSlackユーザーをミーティングに招待することができる。同様に、Facebook Workplaceの中で”zoom”とタイプすれば、Zoomのライブミーティングが開始される。

同社はまた、人工知能への初めての関心を、記事録の自動作成という形で示した。これによって議事録を人間が記述する必要がなくなり、検索可能な議事録が作成される。AIを使用することで、ミーティング内の全ての発言がテキストに変換される。そして誰の発言だったかも併せて識別される。

オンラインミーティングソフトウェアビジネスは、GoToMeeting(LogMeIn)、BlueJeans Network、Fuze、そしてUber Conferenceといった同種のサービスを提供する会社間での競争が激化している。大手ベンダーもこのマーケットで活動を行っている、例えばFacebook Workplace、Microsoft Teams、Google Hangouts、Cisco WebEx、そしてCisco Sparkなどだ。

興味深いのは、Yuanは、2007年にCiscoに32億ドルで売却されたWebExの、創業者の1人であるということだ。彼の新しい会社は、この1月に発表された1億ドルのラウンドを含み、これまでに1億4500万ドル以上を調達している。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: PEOPLEIMAGES/GETTY IMAGES

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TechCrunch Japan

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