GoogleがGoogle Maps APIを大きくアップデートし、それに伴い名称をGoogle Maps Platformに変えた。
これはこのAPIプラットホームの近年で最大の変化のひとつで、Google Mapsのデベロッパーからの利用を大幅に単純化するとともに、APIの課金方法も変わった。そして6月11日からは、デベロッパーは有効なAPIキーと、Google Cloud Platformの有料ユーザーとしてのアカウントが必要になる。
まず、これまで18に分かれていたMaps APIが三つのプロダクト、Maps, Routes, およびPlacesに統一される。ただし、既存のコードはそのまま無変更で動く。
また課金体系は、これまでのStandardとPremiumという二つのプランに代わり、単一の料金プランになる。サポートはこれまでPremiumプランのみだったが、これからは全域的に無料で提供される。無料プランはないが、月額200ドル相当ぶん*までの利用は無料となる。また、企業顧客向けには特注プランがある。〔*: 上のリンク先に200ドルでどれだけのことができるか、例がいくつか示されている。〕
特定業界向けのMapsソリューションも、既存のものを継続し、今後新たなものをローンチしていく。たとえば今年初めには、Mapsのデータを利用して現実世界を舞台とするゲームを作るゲームデベロッパーのためのプログラムを立ち上げた。そして今日は、アセットトラッキング*とライドシェアリングのための同様のソリューションを発表した。Lyftのアプリは昨年から、このライドシェアリングプロダクトを使っている。〔*: アセットトラッキングサービスの例。〕
今日の発表声明は、こう書いている: “われわれのアセットトラッキング提供物は、車両などの資産(アセット, assets)の位置をリアルタイムで追跡し、車両を複雑な行路へルートすることによって企業の効率を改善する。今後はわれわれがインサイトと専門的能力を提供できるようなほかの分野にも、新たなソリューションを導入していきたい”。すなわちGoogle Mapsは今後、そのビジネス利用〜企業利用の本格化多様化に力を入れるようだ。
しかしGoogle Mapsとしてはこれは、正しい方向性だろう。Google Maps APIのアクセスは往々にして、問題を生じてきた。とくに無料利用のレベルを変えたときには、騒動が起きた。今日の変化により、これからはデベロッパーコミュニティからそのようなリアクションが起きることもないだろう。デベロッパーの仕事を、今後長期にわたって楽にしてくれる、と思われるからだ。