今日(米国時間5/14)、Googleは一般ユーザー向けクラウド・ストレージの料金を大幅値下げすると発表した。 新しく月額2.99ドルで200GBのプランが設けられ、2TBのプランは従来の月額19.99ドルから月額9.99ドルに値下げされた(これにともない月額9.99ドルで1TBのプランは廃止された)。またクラウド・ストレージ・サービスのブランドはGoogle Oneに変更された(ただしGoogleドライブのブランドはそのまま)。
またこのアップデートの実施後、ユーザーは契約ストレージ容量を家族最大5人までと共有できるようになる。
最近では4Kビデオや高精細画像が普及したため、100GBくらいはまたたくまに使ってしまう。しかし今回のアップデートにはもうひとつ重要な狙いがある。新しいブランド名のGoogle Oneには、あらゆるGoogleサービスからワンタップでGoogle Expertsにアクセスして援助を受けることができるという意味がある。
Google Expertsを担当するのは人間の専門家で、生半可やAIチャットボットなどではない。Expertsサービスは24時間年中無休、月額1.99ドルで100GBという入門編のプランでも利用可能だ。メールでも電話でも受け付ける。当初はアメリカ市場でスタートするが、Googleによれば「このワンタップ・サポートをあらゆる地域に拡大し、日々改良していく〔のがわれわれの〕目的だ〕ということだ。
GoogleではG Suiteで有料のビジネスユーザー向けに24時間年中無休のサポートを提供しているが、一般向けサービスでのライブ・ヘルプの提供は今回が初めてだ。
なお、15GBで無料というプランはこれまでどおりで内容に変更はない。
契約者はライブでサポートを受けることができるようになるだけでない。Google Oneのディレクター、Larissa Fontaineが私に語ったところによれば、契約者はGoogle検索で発見したホテルの宿泊料金その他Google Payで支払を行う各種サービス、プロダクトについて特別割引を受けることができるという。Fontaineは「カバー内容を次第に拡大していきたい」と述べた。
Google Oneグループのプロダクトマネージャー、Brandon Badgerに取材したところでは、「われわれがユーザーのクラウド・ストレージの利用状況を調べたところ4Kビデオを撮影して家族と共有するという使い方が増えていた。こういう場合、利用するデバイスの数も多くなっていた。新しいプランはこういう利用スタイルに合わせたものだ」という。
またFontaineによれば、クラウドストレージのユーザーは概してGoogleのヘビーユーザーであり、ストレージとヘルプを一体化するのはきわめて理にかなっているという。
ひとつ残念なのは、既存の契約者に対するアップグレードに多少の時間がかかるという点だ。Googleはここ数ヶ月かけて順次既存の契約をGoogle Oneのアカウントに変更していくという。まずアメリカ市場が対象で、以降世界に拡大していく。Googleはクラウドストレージの契約(ファイルではない)を管理するための新しいAndroidアプリを準備している。
今回のアップグレードはクラウドストレージに関するものだが、Google Oneは料金値下げやヘルプサービスの追加だけに留まるものではない。Google Oneは新しい野心的なプランの第一歩であることは間違いない。Google Oneは今のところそのブランド名にもかかわらずストレージという分野しかカバーしていない。新しい総合的なサービスが今後発表されていくだろう。たとえば、Googleのあらゆる一般向けサービス、つまりドライブ、YouTube、Red、Play Music(それにまだ発表されていない新サービス)などを一括して契約、管理できるサービスも考えられる。
〔日本版〕Googleドライブのページにはまだアップグレードに関する発表はない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)