Facebookは昨年インドでユーザーがどんな機能をStoriesに望んでいるかを調査した。現地では数多くの言語が混在しているうえにユーザーが利用するスマートフォンの記憶容量が概して低く、Facebookストーリーズが国際化を果たすために重要な指標を提供する環境と考えられた。
昨日(米国時間5/16)、Facebookはインドでストーリーズに3つの重要な機能の追加を開始した。これらの機能は近く全世界のユーザー向けに公開されるはずだ。追加される機能の第1は音声メッセージによる投稿だ。これはユーザーがタイプ入力を好まない、デバイスのキーボードがネーティブ言語の入力に適さないなどの場合に非常に魅力的だ。Facebookストーリーズの音声投稿は音声メッセージの背景としてカラーテーマまたは写真を選べる。
2つ目の新機能はInstagramストーリーズの場合とほぼ同様のアーカイブ機能だ。Facebookストーリーズへの投稿は自動的にアーカイブされ、公開期限が来た後も投稿したユーザーだけは呼び出すことができる。ユーザーは自分が何を投稿したかチェックできるし、改めてニュースフィードに投稿することもできる。3番目の新機能として、Facebook Cameraで撮影した写真を直接Facebookストーリーズにプライベートに保存できるようになった。デバイスの記憶容量が制限されている場合、ローカルに保存する必要がないのは便利だろう。【略】
Facebookストーリーズ Archive
FacebookはSnapチャットが国際展開にないがしろにした戦略の失敗から大きなチャンスを得ている。Android版の開発の困難さに加えてアメリカ国外の若いユーザーにリーチすることに消極的だったことが災いし、世界各地への展開でSnapchatはFacebookストーリーズに大きくドアを開いてしまった。その結果、3月に1億9100万人のユーザーを得ているもののSnapchatの成長率は過去最低水準に落ち込んでいる。逆にSnapchatストーリーズのクローン、WhatsApp Statusの1日あたりアクティブ・ユーザーは4億5000万人、InstagramストーリーズのDAUも3億人以上となっている。
Facebookストーリーズのスタート当時は人影のないゴーストタウン気味だったが、その後、ここに投稿する友だちがどんどん増えていった。これは一つにはInstagramストーリーズと同期できるという便利さによるものだった。【略】そこで私が懸念したのは、ストーリーズが世界でポピュラーになるにつれ、人生の大切な瞬間にあってもストーリーズへの投稿を優先させてスマートフォンをかざして録画を続けるユーザーが増えるのではないかという点だった。
これは明らかにFacebookも望まない状況だった。Facebookストーリーズのディレクター、Connor Hayesは私の取材に答えて、「写真やビデオをセーブできるようにすれば、後で投稿できる。せっかく友達と楽しい時間を過ごしているのにスマートフォンにかじりついてストーリーズに投稿するための編集をしたりする必要がなくなる。コンサートなどのイベントに参加している場合も同様だ。投稿は後からできる」と述べた。
Facebook Cameraから直接Facebooストーリーズに保存
Storiesの投稿タブに「プライベート」というオプションが設けられ、Facebook Cameraで撮影したビデオや画像がFacebookに「自分のみ」として保存できるようになった。【略】
Facebookのオーディオ・ストーリーズ
一部のユーザーはFacebookがニュースフィードを差し置く形でますます目立つ位置にストーリーズを表示することを嫌っている。しかしFacebookとしてはここで後退するわけにはいかない。ストーリーズはソーシャルメディアの新たな核心となるべき存在だ。表示はフルスクリーンで、スマートフォンの体験としてもっとも没入感が高い。Facebookの CEO、マーク・ザッカーバーグ自身がFacebookはStories広告もニュースフィード広告と同様に重要だと言明している。「もし〔Storiesにおける広告〕の展開に失敗すれば、ニュースフィードからStoriesへのユーザーのシフトはわれわれのビジネスに悪影響を与えることになる」という。つまりこれらの事情が今回のインドにおける新機能の追加の背景にあると考えていいだろう。
ソーシャルメディアではビデオや写真はエモーショナルなインパクトが強く有効なメディアだ。しかしインターネット接続の帯域幅が狭く、デバイスの能力も限られているユーザーが世界に何億人もいることを忘れては国際的な成長は期待できない。
Facebookストーリーズについては後続記事も参照。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)