NSAはわれわれをテロから守るためにある、たとえ境界を越えることがあっても。PayPalの共同ファウンダー、Max Levchinは、NSAを憎むべきではないと語る。これはテク業界の大多数とは正反対の感覚だ。TechCrunchファウンダーのMichael Arringtonも、NSAのスパイ行為はテロリズムを阻止しない ― それ自体がテロリズムだと考えている。
結局のところこの議論は、アメリカがいかに監視と聖域を両立させるかに行き着く。ベンジャミン・フランクリンの言葉を言い換えた「安全のために自由を犠牲にする者は、どちらを得るにも値しない」を支持する人々もいる。一方、強力な攻撃と防御がなければ、テロリズムはわれわれの暮しを揺がすと心配する人々もいる。いずれももっともだ。
Levchinは下のビデオで、NSA、スパイ行為、そしてなぜわれわれがよく考えるべきであるかについて、彼の見解を語っている。
NSA問題に関して様々なことが言われているが、私がCharlie Rose(NSAはやっていることは正しいと語った)と話して以来、さらに新しい情報が暴露され、中には明らかに不愉快なものもあった。私が有力メディアに同意できないのは、NSAが邪悪であると広く位置づけられていることだ。自分を、そして全国民を、危害、テロリズム、および外国勢力から守るための政府の責務に対して、一国民が悪意を抱くのはばかげている ― 自国を攻撃してくる相手を見定め、それを阻止するためにある政府組織を、邪悪扱いすることは非常識でしかない。
彼の言うことには一理ある。NSAが行っていることは邪悪かもしれないが、組織全体がそうであるとは限らない。だからといって、この監視が必要であるかどうかに疑問を持つべきでないとは言えないし、抗義して変更を要求すべきであることも意味しないが、無紛別にNSAを嫌悪すべきではない。
Levchinは続けて、政府のスパイ組織が勤勉な人たちであり、自分たちの国を守る力になろうとしていることを説明しようとした。
「その人たちは年に4万ドル稼いでいる。それは富への道だからではなく、認められるための方法でもない。
学生時代、私はNSAを志望したが、まだアメリカ市民ではなかったために受理されなかった。私は暗号オタクだった。来たばかりの国の役に立つために、暗号化技術を活用することに、私は大きな興奮を覚えた。求人担当者が一つはっきり言っていたのは、給料は雀の涙であるにもかかわらず、数学者として名声を得ることもない、なぜなら一切論文を公表できないから、ということだった。
だから幸いにも(あるいは見方によっては残念ながら)私はその道へ進まなかった。私は楽しみと利益のために会社を作った。しかし、基本的にその道を選んだ人たちは ― その多くが非常に才能があり頭が良かった ― この部屋が決して爆発しないようにという義務感から仕事をしている。私は彼らに何らかの尊敬の念を抱くのは良いことだと思う。彼らが私のセキュア・ソケット・レイヤーを破りたがっているという事実は私を悩ませる。私はいやだ。それが良いことだとは思わない。私はただ、NSAにまつわる議論が感情的で情報に欠けることが多く、時には理由もなく好戦的になっていると感じるだけだ。
われわれの怒りを収めることは難しいかもしれない。今ほど自分の政府に不信を抱いたことはない。私は頭に来ている。何とかする必要がある。しかしこの問題に対して、より思慮深く見識ある態度で臨むことは、われわれが物事を解決するために何よりも重要だ。見境のない憎悪は何も生まない。われわれはの怒りは邪悪な行動を取り払うことに集中すべきであり、それを実行している組織全体を悪者扱いすべきではない。
Levchinのリーダーシップに関するアドバイス、PayPalで得た教訓、および彼の新しいスタートアップで妊娠を支援するGlowに関する詳細は、下に貼ったDisrupt講演の全編を参照されたい。
ステージ裏インタビュー
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(翻訳:Nob Takahashi)