シロップは7月8日、国産素材を使ったドッグフード「PETOKOTO FOODS」(ペトことフーズ)のサブスクリプション(定額)サービスの予約受付を開始した。
PETOKOTO FOODSは、獣医師が監修したヒューマングレードのドックフードで、販売形態はメーカー直販、いわゆるD2C(Direct To Customer)だ。予約受付開始を記念して、7月21日までに申し込んだ利用者の中で、先着150名は初回配送のサブスクリプション料金が70%オフになる。
同社は、ペットライフコミュニティ「ペトこと」や保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」を運営している2015年3月設立のスタートアップ。同社が運営するサイト(メディア)では、がん専門獣医師などペットの専門家が140名以上執筆しており、今回のフードはこの専門性を生かして食材・製法・栄養に徹底的にこだわったという。なお、PETOKOTO FOODSの売り上げの1.2%はOMUSUBIに登録する動物保護団体へ寄付される。
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今回発売されるのは、全米飼料検査官協会(AAFCO)の栄養基準(7月取得予定)を満たしたグレインフリーの総合栄養食で、「ビーフレシピ」「ポークレシピ」「チキンレシピ」「フィッシュレシピ」の4種類を用意。ドックフードの製造は、ペットフードだけでなく、食肉や水産物の加工、卸売りなどを手がける鹿児島を拠点とするNフードサービスが担当する。
ビーフレシピの原材料は、牛肉、卵、米、ブロッコリー、人参、りんご、米麹、フィッシュオイル、米油。
ポークレシピの原材料は、豚肉、卵、米、人参、ブロッコリー、りんご、米麹、フィッシュオイル、米油。
チキンレシピの原材料は、チキン、チキン(皮)、さつまいも、卵、ブロッコリー、人参、りんご、フィッシュオイル、米麹。
フィッシュレシピの原材料は、さつまいも、近大ナマズ、卵、ブロッコリー、人参、りんご、米麹、フィッシュオイル、米油、しいたけ、えのき、のり。いずれのフードも、人工甘味料、香料、保存料、着色料、遺伝子組み換え作物は使用していない。なお、フードの原材料はNフードサービスが拠点する九州産のものを中心に利用する。
初回配送の参考価格は、2.5kgの小型犬だと300gのフード×12パック(3.6kg)となる。通常料金は5500円だが、先着150名の70%オフを適用すると約1650円だ。水分量が同程度のウェットフードの価格を比較すると、シーザーのパウチタイプが3.6kg換算で4000円弱なので若干割高になる。
初回配送後は、それぞれの犬のカロリー量に合った頻度で配送される。配送されるごとに自動課金されるが、契約期間に縛りはないのでいつでもキャンセル可能だ。フードは、300gパック12個入り(3.6kg)もしくは、300gパック24個入り(7.2kg)などの単位で届く。
ペットフード協会はペットフード(総合栄養食)を「ドライ」「ソフトドライ」「セミモイスト」「ウェット」の4つに分類しているが、PETOKOTO FOODSは厳密にはどの分類にも属さない。ウェットで定義されている水分量と同じ75%程度ながら保存料を使用していないのが特徴で、同社はこのフードを「フレッシュ」と定義している。ちなみにウェットでは、品質保持のために殺菌工程を経て缶詰やレトルトパウチなどに充填される。
一方従来のドライフードは、常温保存を可能にするために水分量を10%以下まで落とす加熱発泡処理が施されており、栄養価やビタミンがどうしても失われてしまう。PETOKOTO FOODSでは、必要最低限の加熱処理によって食材の栄養価を損なうことなく摂取できるという。
同フードを監修した獣医師は、世界小動物獣医師会(WSAVA)のグローバル栄養委員会創立メンバーであり、ニュージーランド・マッセー大学博士のニック ケイブ氏。国内ではなく海外の獣医師に監修を依頼した理由としては「栄養学に関しては海外のほうが研究が進んでいるのが現状で、最新の栄養学を基にフードを開発するため」とのこと。
犬種や体格、体重によって与えるフードの量は異なるが、ニック医師と作成した独自の計算式によって最適な1日のカロリー量を提案。カロリー量に合った配送頻度で指定した宛先に届く。フードは、Nフードサービスの工場で、製造後にすぐに瞬間冷凍で密封殺菌された状態で配送される。
フードを与える際は、事前に冷蔵保存で解凍したあとに40度の湯で温めることで香り豊かなフードになる。冷蔵保存ではなく、40度の湯で30分温めて直接解凍することも可能だ。
今度の展開として同社は、フードのカロリー量と犬の体重の変化をモニタリングし、データを蓄積していくとのこと。また、目黒にある同社のオフィスをドッグラン&ドッグカフェとして開放する予定。この反響を検証して、街中へのポップアップストア、店舗開設を検討するそうだ。
フードに関しては、アレルギーフリーやフリーズドライなどさまざまなメニューを開発予定で、ジャーキーなどおやつも用意したいとのこと。将来的には犬の食生活すべてをデータで管理する方針で、同社は療法食やヴィーガン食などにも注目している。
なお日本では猫の飼育数が犬を上回っているが、猫用フードの開発・販売については「時間がかかります」との回答。猫は犬と食習慣が異なり、嗜好性が高いためだそうだ。まずは犬用フードのクオリティーをさらに上げることに専念するという。