米国時間8月29日、FacebookはMessengerを活用している4000万社のための新しいツールを正式に公開した。今年4月30日〜5月1日に開催されたデベロッパーカンファレンスのF8で発表されたとおり、アポイントメントの予約やリードジェネレーションなどのツールがある。この変更に関連して、同社はMessengerの「発見」タブの削除も開始した。この「発見」タブは昨年秋のデザイン変更でゲームと企業の両方のホームとして使われてきた。
Facebookは今後数カ月かけてMessengerアプリから「発見」タブを削除していくという。その代わりにユーザーがMessengerで企業とやり取りできるようにしていく。
Facebookは「発見」機能を削除する決定について「ユーザーがつながりを持ちたいとすでに考えている企業に対して、Messengerでもっとシームレスに連絡できるようにしたい。m.meのリンクやウェブのプラグイン、Facebook関連のアプリ全般にわたるさまざまなエントリーポイント、そして広告プロダクトなど、ユーザーと企業がつながりMessengerに誘導するためのツールにさらに投資していく」と説明している。
新しいビジネスツールについては、リードジェネレーションのためのプロダクトをMessengerのテンプレートとしてFacebook Ads Manager内で公開する。このテンプレートでエクスペリエンスを自動化してMessengerで見込み客を判断し、アプリ内で会話を続けたり、既存のCRMツールと統合して見込み客を追跡したりすることができる。この機能はF8以降ベータ版として公開されていたが、今後は正式版になる。
アポイントメントの予約もF8で発表されたが、現時点では一部の開発者と企業に対してベータ版が公開されている状態だ。企業はMessengerを使ってこの機能でアポイントメントのリクエストを受け付け、リアルタイムで予約できる。既存のカレンダー予約ソフトと統合したり、Messengerでの会話を来店のトラフィックに誘導したり、オンラインや電話のアポイントメントに使ったりすることもできる。こちらは年内に世界中の全開発者に公開される予定だ。
今回発表された新しい情報としてもうひとつ、年内にMessengerのイベントレポートを改善する計画がある。この機能を使って企業はMessengerの会話のレポートや追跡をすることができる。
さらにFacebookは企業向けの標準メッセージングの対応時間(顧客からの問い合わせに対応しなければならない時間)を24時間にする。これはWhatsAppの対応時間と同様だ。
24時間後も、企業はスポンサー付きメッセージで顧客とメッセージタグを再度エンゲージすることができる。たとえば購入に関する最新情報、イベントのリマインダー、アカウントの変更などに利用できる。また現在はクローズドベータの「ヒューマンエージェント」もある。これは標準のメッセージングの対応時間が終わった後にエージェントが問題に対応するものだ。
一方、Messengerのサブスクリプションメッセージングのベータプログラムも変更される。
こちらは「確認済みのニュース媒体」に限定される。これは一部の企業がこの機能をFacebookのガイドラインに違反して使用しているためだと、同社は明らかにした。この機能は購読者に対して定期的に最新ニュースを送るために設計された。このタイミングで変更されることは興味深い。Facebookがトップニュースのストーリーを再開しようとしているからだ。今回はジャーナリストが吟味し、Facebookが費用を負担してコンテンツを掲載する。ニュースプロダクトとサブスクリプション/アップデートが両立する余地はあるが、今後どうなるかは明らかになっていない。
F8で発表されたMessenger関連の最大のニュースはMacとPC用のデスクトップアプリだったが、これはまだ登場していない。年内には登場すると見られる。
[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)