Sonos(ソノス)は、ユーザーの手持ちのステレオやAV機器に接続して使える新製品を発表した。アップルのAirPlay 2の機能を、アンプを通して既存のスピーカーシステムで利用できる。それが399ドル(約4万2700円)のSonos Portだ。これまでにもSonosシリーズにあったSonos Connectと同様の機能だが、仕様を一新し、かなり小さなボディで実現した。
Sonos Portの本体は、つや消し黒の小さな箱だ。出力ポートとしては、アナログRCAと同軸デジタルを備える。それらを家庭にあるステレオやホームシアターに接続して、音を鳴らすことができる。また音声入力ポートとしては、アナログRCAを用意する。これにより、レコードプレーヤー、プロジェクター、あるいは一般的なAVデバイスから音声を入力できる。たとえば、デジタル入力しかないSonos Beamのような製品には接続しにくいものにも対応できる。
Sonos Portは、デジタルからアナログに変換するコンバーター(DAC)を内蔵している。インターネット経由で流れてくるメディアを、既存のシステムに接続したいと考えている人で、特に音質にこだわるマニアックな人にも魅力的な製品と言える。そして、Sonos Portをアンプに接続すれば、どんなスピーカーでも自動的にAirPlay 2対応となる。さらに、AlexaやGoogle Assistantに対応したこれまでのSonos製品と組み合わせて使うこともできる。つまり、マイク内蔵のSonosやAlexaを持っていれば、ボイスコマンドによってSonos Portの再生をコントロールできるのだ。
さらにSonos Portは、10/100Mbps対応の2つのイーサネットポートも装備している。ルーターに直接接続することで、より信頼性の高い通信が確保できる。12Vの電源トリガー出力も備えているので、スタンバイモードから復帰した際などに、接続したステレオやレシーバーの電源を自動的にオンにすることも可能だ。
Sonos Portの仕様の多くは、現行の同Connectと類似している。それが、よりコンパクトな、つや消し黒のパッケージに収められたというもの。その結果、既存のシステムに、目立つことなく組み込むことが可能となった。基本的には接続性を向上させるためのアクセサリなので、定価は少し高く感じられるかもしれない。しかしSonos Connectを導入すれば、基本的にDACというものが不要となる。DACは、単体では、かなり値が張る製品だ。もちろん、Sonosならではの接続性とストリーミング機能も実現できる。
Sonos Portの予約注文は、米国では9月5日から開始され、9月12日から出荷される。世界的な展開は、来年初めからとなりそうだ。
[原文へ]
(翻訳:Fumihiko Shibata)