Elon Musk(イーロン・マスク)氏は歯に衣着せぬタイプだが、その辛辣なツイートのせいで客を1人失ったかもしれない。
その客とは、超有名人のBill Gates(ビル・ゲイツ)氏で、彼は最近、ビューワーが1000万以上いる人気ユーチューバーMarques Brownlee(マーケス・ブラウンリー)氏の動画に登場した。ゲイツ氏とブラウンリー氏は以前にも会ったことがあり、今回の動画の話題はBill & Melinda Gates Foundation(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)の今年の計画だった。今年でこの財団は、創立20周年を迎える。
当然ながら会話は気候変動について触れ、その中で持続可能な輸送機関がちょっと話題になった。ブラウンリー氏はTesla(テスラ)を持ち出し「高級電気自動車がもっと安くなったら、いたるところで見かけるようになるだろうか」と質問した。
Teslaの悪口を言ったわけではないが、ゲイツ氏は「現在、高級車であっても10年後には同じスタイルと仕様で走行距離がちょっとだけ短いやつが、大衆車として出回るだろう」と答えた。 そして気候変動との関連では「自動車は気候変動対策に大きく貢献できる。1社だけ具体的に名前を挙げるなら、最も貢献する自動車メーカーがTeslaだろう」と述べた。
しかし、ゲイツ氏の発言は、マスク氏にとってうれしいものではないだろう。彼は初めて所有した電気自動車への興奮について語ったが、その電気自動車はTeslaではなかった。
「今やすべての自動車メーカーが、新しい企業も含めて電気自動車に殺到している。しかし最大の心配は、消費者の走行距離に対する不安を解消できるのか、という点だ。私はPorsche Taycanを持っているが、それは電動自動車だ。高級車と言うべきものだが、すごくクールだ。私にとって初めての電気自動車であり、とても楽しんでいる」とゲイツ氏は語った。
この会話を知ったマスク氏は、どうしてもツイートで応えたくなった。
具体的には、非公式のTeslaニュースレターの担当者が、「たくさんの人がこのインタビューを見て、ゲイツ氏の言葉をそのまま信じるだろう。そしてEVを検討すらしなくなるね。ビル・ゲイルが本当に頭の良い男だからだよ」とツイートした。これに対してマスク氏は「率直に言って、ゲイツ氏との会話はつまらなかったね」と応じた。(下図)
このやりとりがおかしいのは、どちらも億万長者の天才でしかも予想外の展開になっているからだ。
しかもいやらしいことに、ゲイツ氏は車のコレクターなのにTeslaを購入するということはなく、近々同社についてポジティブに語ることもなさそうだ。