新型コロナにテックで対抗するスタートアップたち

Helena Price Hambrecht氏Woody Hambrecht氏が手掛けるD2Cの低アルコール飲料ブランドのHausは、地元のレストランとホワイトラベル提携を結ぶための様々な構想を常に描いていた。しかし、新型コロナウイルスの影響が全国に広がり多くのレストランが大打撃を受ける中、創設者らはその商品プランを前倒しして、同時に社会貢献する機会だと考えた。

Hausは最近、全国のレストランと提携し、地元の人気レストランからインスピレーションを得たアペリティフ(食前酒)を共同プロデュースする計画を発表した。サンフランシスコの高級中華料理店Mister Jiu’sからは「温かみのあるブラックカルダモン、スモーキーなラプサン茶、スパイシーなジンジャー、フローラルなキンモクセイ」をミックスしたアペリティフ、シアトルの南部料理店JuneBabyからはエルダーフラワーとオレンジがほのかに香るアペリティフ。Hambrecht氏によると、各レストランはこの企画による全収益を受け取れることになっている。ハウスはこうしたコラボ飲料の事前注文だけで、すでに数百万ドル規模の金額をレストランに支払い始めている。

彼らの他にも、スタートアップ企業らが立ち上がり、新型コロナがもたらした現在の状況に苦しむ人々を助けようとしている。そういった実例をご紹介しよう。

1. 新型コロナウイルスの検査ができる電話ボックス

プライバシーを重視した電話ボックス型オフィスを製造するRoomは、新型コロナウイルスの影響でオフィスに行く人が少なくなるなか、顧客ベースが落ち込んでいる。同社は手持ち無沙汰になっているリソースを新商品の展開に回すことにした。病院向けに開発された新型コロナウイルスの検査ブースだ。このブースによって、医療従事者は保護バリアに守られながら検査を実施することができる。最初の検査用ブースはすでに世界中の病院に寄付されている。また各地域で製造できるよう、ブースの設計ファイルを無料ダウンロードできるようにした。

2. 必要不可欠な配送を無料で

Onfleetは、この状況下でも配送ビジネスを続けざるを得ない企業や組織に対して、配送ソフトウェアを無料で提供している。このスタートアップは必要不可欠な配送や配送業務を突然開始しなければいけなくなった団体を特に重視する。SF-Marin Foodbank、NYC Dept for the Aging(ニューヨーク市高齢者局)のほか全国のさまざまなファーマーズマーケット、最近組織化されたその他のPPE配送組織などのパートナーと連携している。

3. 自宅でコーディング

オンラインコーディングおよびキャリア開発ブートキャンプを提供するFullstack Academyは、2回分のブートキャンプ準備コースを無料で提供する。コースはリモートで行われ、特定のコーディングとJavaScriptコンセプトについて説明する。

4. 市民の義務としてデイリーアセスメント

スタンフォード大学医学部の少人数体制のチームは「National Daily Health Survey」と呼ばれるアンケートを作成し、全米各地のさまざまな郵便番号別に新型コロナウイルスの症状がある患者数を特定しようとしている。このアンケートに協力するのは、少しでも感染拡大の予測と対応に役立ちたいと願う人々だ。初日のアンケートは2~3分で完了し、その後のアンケートは1分で完了する。このアンケートはこれまでに5か国語に翻訳されている。National Daily Health Surveyチームはアンケートに長期間コミットできる人を探しているそうだ。

5. 新型コロナウイルスのない世界

Clara Healthは、LyftのRaj Kapoor氏やVSCのVijay Chattha氏などと協力し、患者とそうでない人の両方の公衆衛生状況を追跡できる無料ウェブサイトを立ち上げた。このサイトでは、公共衛生の専門家向けに新型コロナウイルスの治療データを提供し、臨床試験についての告知を行う。同サイトでは、今後医療ケアのボランティアを見つけるのに役立つよう、個人の免疫状況も追跡できるようにする予定だ。

6. Twilioのホットライン

WhileAtHome.orgはボランティアが運営するウェブサイトで、教育におけるリソース、ヘルスケアのヒント、コンサートなどを提供している。最近はトゥイリオ提供のホットラインを導入し、ユーザーがそれぞれの州にあるホットラインと簡単に通話できるようにした。「478-29COVID」宛に通話を開始すると、自分が住んでいる州のホットラインに自動的に繋げてくれる。

7. 解雇されたメイクアップアーティストの雇用努力

D2C化粧品ブランドのIl Makiageでは、新型コロナウイルスに関連した理由で解雇されたばかりのメイクアップアーティストを雇用し、1対1のバーチャルメイクアップチュートリアルを提供している。同社は、こうして雇用したメイクアップアーティストたちに時給25ドルを支払っている。

8. Chrome拡張機能で貢献

4thwallは、「動画のイッキ見」という行為を通じて社会的貢献に役立てたいと考えている。ユーザーがこの社会貢献に参加するためにはまず、4thwallのChrome拡張機能をインストールする必要がある。拡張機能を有効にしたら、ブラウザ上でNetflixやHuluの動画を視聴する。250分間ストリーミングすると、ユーザーは新型コロナウイルスに特化したチャリティ団体を選んでチャリティを行えるようになる仕組みだ。実際の寄付は4thwallが行うため、ユーザーには金銭の負担はない。同社は匿名可した視聴者の人口統計指標を別の企業に提供し、その企業は視聴傾向を確認したり、それに従ってコンテンツを作成できる。その対価をチャリティの原資にあてることで、コストがかからない寄付を実現した。クリエイターの1人であるAndrew Schneider氏によると、最初の2週間ですでに1500ドル(約16万円)の寄付が完了しており、目標は今後の10週間で4万ドル(約430万円)とのことだ。

9. ブライダル会社が社会に貢献

オンラインブライダルブランドのAnomalieは、CDC認定フェイスマスクを病院に寄付し、最前線で働く医療従事者を支援している。同社は独自のサプライチェーンと中国のメーカーのリソースを活用し、ウェディングドレスだけでなく今ではマスクも製造している。最初の2回の出荷では1万個以上のマスクを届けた。

10. 寝る前の絵本の読み聞かせがアップグレード

科学に基づく離乳食・幼児食の宅配事業を行うYumiは、幼児向けに新型コロナウイルスを説明する絵本を作成した。この絵本は無料ダウンロードできる。アメリカの著名人のSnoop Doggもこの絵本についてツイートしている。

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(翻訳:Dragonfly)

“新型コロナウイルス

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TechCrunch Japan

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