テスラ取締役に日本の年金積立金管理運用独立行政法人の元最高投資責任者が就任、長年の空売り反対派

Tesla(テスラ)は同社取締役および監査委員として水野弘道氏を迎えた。同氏は財務および投資分野で長年の経験を持ち、世界最大規模約1.5兆ドルの資産を管理する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の理事兼最高投資責任者を務めた。水野氏は3月末に同職を離れた。

水野氏の加入によって、テスラの取締役会は、Oracle(オラクル)の創業者で会長、そしてCTOのLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏やWalgreens(ウォルグリーンズ)の幹部、Kathleen Wilson-Thompson(キャスリーン・ウィルソン・トンプソン)氏を含む10名となる。水野氏は取締役会の監査委員会にも名を連ねる。

GPIF在任中水野氏は、環境、社会、ガバナンスの実践を推進した。同氏は空売り、テスラとCEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏を蝕んだ取引行為の反対論者としても知られている。在任中に同氏は、ストックレンディング(株式賃借取引)を中止したことで多くの人々を驚かせた。水野氏の空売り反対は、この種の投資戦略(株価の下落を見越した思惑買い)はむしろ株価の透明性を高めるものだと信じる一部の市場原理主義者と対立している。以前水野氏はFinancial Times(フィナンシャル・タイムズ)などのメディアのインタビューに答えて、空売りは長期的視点と相容れないと語った。

水野氏はさまざまな政府諮問機関に所属しており、PRI(国連投資原則)理事、世界経済フォーラムのグローバル未来委員、日本政府の内閣官房官民ファンドの活躍推進に関する閣僚連絡幹事会有識者委員などを務めている。同氏は企業の長期的価値創造を推進するために、空売りを始めとする業界のさまざまな慣行に反対してきた。

水野氏は取締役の初期報酬として、2020年6月18日に行使可能なテスラ通常株2778株の購入権利を得る。監査委員会の委員としては、テスラ通常株4000株の購入権利を、12カ月間の均等割りで、各月の権利改定日に任務を継続している条件で取得する。これは米国時間4月23日の届出書類による。

テスラの取締役会は、2018年にCEOのマスク氏の悪名高い上場廃止ツイートを巡る米国証券規制当局との示談の一環としてエリソン氏とウィルソン・トンプソン氏が独立取締役として加わって以来変わっていなかった。テスラはその示談で、独立取締役2名を加えてマスク氏が会長職を3年間退くことに同意した。2018年11月、通信会社のTelstra(テルストラ)の元最高執行責任者であるRobyn Denholm(ロビン・デンホルム)氏が会長に就任した。

2019年4月、テスラは取締役会を3分の1以上縮小して2020年までに取締役7名にすると発表した。それはマスク氏のかつてのアドバイザーや支持者の離脱も意味していた。

長年取締役を務めたBrad Buss(ブラッド・バス)氏と2年前に独立取締役として加わったJohnson Rice(ジョンソン・ライス)氏の二人は、任期が満了した2019年6月の年次株主総会で再選に立候補しなかった。当時の委任状の届出で取締役会は、空席を埋める予定はないと語った。

2020年に任期を終えるAntonio Gracias(アントニオ・グラシアス)氏とベンチャーキャピタリストのSteve Jurvetson(スティーブ・ジャーベットソン)氏も2020年に取締役を辞任すると昨年の規制申請書類に書かれていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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