コロナ禍で注目が集まる自動走行フォークリフト製造のFox Roboticsが約10億円を調達

理解できることではあるが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックはロボティクスオートメーション導入の主原動力となっている。死に至ることもあるかなり感染しやすいウイルスが広まる中で企業がテクノロジーに目を向けていることもあり、すでに注目度の高かったこの部門はいっそう魅力的なものになっている。

倉庫や配送センターは当然、資金を要する大きな部門だ。パンデミック中に必要不可欠なサービスとして操業し続けたAmazon(アマゾン)は、ロボットが担える役割を示すのに貢献した。ただ、残念ながら同社の従業員への感染では訓戒的なニュースもあった。

Fox Robotics(フォックスロボティクス)は、この分野への関心が加速していることによって恩恵を受けている最新のスタートアップだ。オースティンを拠点とする同社は今週、Menlo VenturesがリードするシリーズAで900万ドル(約10億円)を調達したとTechCrunchに語った。本ラウンドにより累計調達額は1300万ドル(約14億円)になった。既存投資家はEniac、Famiglia、SignalFire、Congruent、AME 、Joeだ。

Fox Roboticsの価値を高めているものは極めて明快だ。同社は自動走行のフォークリフトを製造している。これらは労働の生産性を2〜3倍高めることができるとうたっている。同社は労働現場を自動化しようと現在取り組んでいる数多くの企業の1社だが、同社のバリュープロポジションは固定されたシステムよりもフレキシビリティを提供できることにある。そして、既存の倉庫にかなり簡単に導入できることだ。

画像クレジット:Fox Robotics

「倉庫オートメーションに対するマーケットの需要は大きく、増えつつある。倉庫オートメーションの未来は数億ドル(数百億円)もかかる固定されたコンベヤーシステムではない。低コストで、フレキシブル、徐々にそして素早く導入できるモバイルロボットだ」とCEOのCharles DuHadway(チャールズ・デゥハドウェイ)氏は発表文で述べた。

少なくとも、Berkshire Grey(バークシャー・グレイ)のような企業が提供するより複雑なシステムよりも、企業が徐々にオートメーションを導入できるところに価値があると筆者は考えている。複雑なシステムははるかに高価で、リソースを多く必要とし、中小企業や非正規ルートでオートメーションをテストしているだけという企業にとってハードルが高い。他のソリューションと異なり、Fox Roboticsのシステムは人間の監督を必要とするが、1人が同時に複数のシステムを監督することができる。

画像クレジット:Fox Robotics

社名は明らかにしなかったが、Fox Roboticsは「ロジスティック大企業」と2019年10月から試験を行っている。今回調達した資金は製造の促進と現在寄せられている関心への対応に使われる、としている。

画像クレジット:Fox Robotics

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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