コロンビアのボゴタを拠点とするサプライチェーンロジスティックス技術開発のTülは、新たに400万ドル(約4億2000万円)を調達しラテンアメリカに広く進出しようとしている。
Tülを創業したのはEnrique Villamarin Lafaurie(エンリケ・ヴィラマリン・ラフォリ)氏とJuan Carlos Narváez(ファン・カルロス・ナルバエズ)氏で、同社のテクノロジーはラテンアメリカの建設関連用具の半分を扱う中小企業と建設会社を結びつけているとラフォリ氏いう。
ラフォリ氏はかつて北米と南米でセメント販売の大部分を扱うコロンビアの企業、Cementos Argosに10年間勤務し、建設業界に携わってきた。
ラフォリ氏は「我々はバックエンドの大手建設会社とフロントエンドの建築用具会社を結びつけています。製造業者はストアとつながり、ストアに対して直接交渉して販売促進をすることができます」と述べた。
アナログが中心だった業界をデジタル化することで、Tülはサービス開始から8カ月で1000万ドル(約10億4000万円)のランレートを達成し、3000のストアがサインアップしている。
しかもこれはコロンビアだけの数字であるとラフォリ氏はいう。同社はまもなくエクアドルで事業を開始する。ラフォリ氏によれば、エクアドルはラテンアメリカ第2位の建築用具市場(1人あたり)だ。
同社の従業員は現在9人で、新たな資金を得て大幅に人員を増やす予定だ。
Tülのシードラウンドを主導したVine Capital Managementの投資家であるEric Reiner(エリック・ライナー)氏は「コロンビアでは世界で最も厳しいロックダウンが実施されました。人々は家を出ることを許されませんでしたが、建設業は必要不可欠な業務とみなされていました。Tülでは、建築用具のストアから製品を建設業者に直接配送できます。Tülはロジスティクスのネットワークを活用して衛生設備を配送する別ブランドをはじめ、学校やコインランドリーを衛生のための拠点にすることができました」と述べた。
ラフォリ氏の説明によれば、Tülのオンラインサービスは業界のライフラインになっている。
ラフォリ氏は「業界全体が活動を停止し、我々は現場に直接配送するだけでなく近隣の衛生ステーションを作ることでビジネスを続けてきました。その結果、我々が支援した顧客はとても忠誠度の高いロイヤルカスタマーになりました。これだけでたいへん大きな顧客のリテンションを得ています」と述べている。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Tül、資金調達、建設、ラテンアメリカ
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(翻訳:Kaori Koyama)