Pfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)は米国時間11月9日、開発中の新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンについて、フェーズ3治験の参加者で90%の予防効果があったと発表した(BioNTechリリース)。これは治験の結果をチェックするための外部独立委員会が分析したデータに基づいており、最終的な検証結果ではなく治験の初期結果を反映したものだ。しかしワクチンの実用化に向けた大きなニュースだ。
PfizerとBioNTechのワクチン候補はmRNAベースのもので、開発のスピードと潜在的有効性において優れていることから、多くの企業が新型コロナワクチン開発で比較的新しい技術だ。今回の結果は、新型コロナ陽性が確認された治験参加者94人のデータに基づいており、これは企業とFDA(米食品医薬品局)が合意している、正式な科学的評価のための陽性者62人という最低しきい値をクリアしている。
フェーズ3の治験は4万3358人を対象に行われた。Pfizerは感染予防率に加えて「安全に関する深刻な懸念は確認されていない」としている。初期データに基づくと、ワクチン接種を受けた人は最初の接種から28日後に抗体が確認された。このワクチンは2回接種する。
今後さらなる安全テストがあり、また研究も続けられるが、2カ月分の安全データ(FDAが緊急使用許可のために求めているもの)を11月第3週に提出できると両社は見込んでいる。治験参加者はまた、長期的な効果を監視するため、2回目のワクチン接種後2年間モニターされる。Pfizerは年末までに接種5000万回分、2021年に13億回分のワクチンが製造できると考えている。
今回の治験のフルデータは他の研究者や科学誌のレビューを受ける必要があるが、これは明らかに新型コロナワクチン開発においてこれまでで最も有望で良いニュースだ。すべてが順調にいけば、ワクチンの大規模な接種が2020年末までに始まることになるかもしれない。
カテゴリー:バイオテック
タグ:Pfizer、BioNTech、新型コロナウイルス、ワクチン
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(翻訳:Mizoguchi)