中国ではTencentのWeChat PayとAlibaba系列のAlipayが長くデジタルペイメントを支配しているが、両社は常に新しいチャレンジャーの挑戦を受けている。オンラインペイメントに新たに参入したのは、TikTokの中国国内版であるDouyin(抖音)だ。
DouyinではこれまでAlipayとWeChat Payで支払いができたが、ここにDouyin Payが加わった。
Douyinの広報は「Douyin Pay(抖音支付)は既存の主要な支払い方法をに追加されるものであり、最終的にはDouyinのユーザーエクスペリエンスを高めるものです」と述べている。
ペイメントはeコマース事業の成長が見られるDouyinにとっては自然なステップだ。たとえばリップスティックをインフルエンサーが紹介している動画を見ながら、ユーザーは商品のリンク先に行くことができる。インセンティブが大きければ、おなじみのWeChat PayやAlipayではなく、いずれDouyin Payで支払うようになるかもしれない。
eコマース大手のJD.comやフードデリバリーサービスのMeituan(美団)など、他のインターネット大手も自社のペイメント手段をユーザーに使ってもらおうとしているが、市場の寡占状態を打ち破るのは難しい。全体で見ると、中国の電子ペイメントの約90%をWeChat PayとAlipayが扱っている。
他のインターネット関連企業にも見られることだが、Douyinの親会社であるByteDanceはペイメント企業を買収することで待望のペイメントのライセンスを取得した。2020年9月に、ByteDanceの創業者であるZhang Yiming(張一鳴)氏の指揮する企業がペイメントソリューション企業のWuhan Hezhong Yibao Technology Co(武漢合衆易宝科技)を買収した。結果として、DouyinやToutiao(今日頭条)などのByteDanceのサービスがペイメント機能を提供できるようになった。
たとえばユーザーはDouyinのキャンペーンで現金がチャージされた電子レッドパケットを受け取り、その現金を自分の銀行口座に預けることができる。
Douyin Payは2月の旧正月を前にして良いタイミングで登場したように思える。旧正月に家族や友人は互いにレッドパケット(赤い封筒)を贈り合う。過去10年間でWeChatはお金が入った縁起の良い封筒の電子版を身近なものにし、これが初期のWeChat Payの飛躍につながった。
中国ビジネスニュースメディアのLatePostによると、DouyinはCCTV(中国中央テレビジョン)と契約し、同局の毎年恒例の大型広告イベントであるカウントダウン番組、Spring Festival Gala(春節聯歓晩会)の赤い封筒テクノロジープロバイダーになるという。創業からほどなくしてAlibabaのライバルとなったPinduoduo(拼多多)は2020年にこの契約をして、自社のペイメント利用者を増やそうと試みた。
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カテゴリー:フィンテック
タグ:Douyin、ByteDance、中国、電子ウォレット
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(翻訳:Kaori Koyama)