犬が指定範囲外に出たら通知するスマートなペット用首輪のFiが約32億円のシリーズBを調達

ペットテック企業のFiは米国時間2月25日、シリーズBで3000万ドル(約32億円)を調達したと発表した。Longview Asset ManagementのChuck Murphy(チャック・マーフィー)がリードしたラウンドは、2019年にシリーズAで700万ドル(約7億4000万円)を調達したのに続くもので、同スタートアップの価値を2億ドル(約210億円)以上と評価している。

ニューヨークを拠点とするFiは、コネクテッドドッグカラー(スマート首輪)に特化しており、2020年末にSeries 2のデバイスをリリースした。この第2世代バージョンでは、ペット追跡デバイスにいくつかの重要なハードウェア改善が施されており、またバッテリーの最適化により、満充電時で最大3カ月の駆動時間を実現している(同社によると、平均は約1.5カ月だという)。

デバイスはWi-FiとBluetoothを利用しており、犬がAIによって指定された範囲外に移動した場合には通知を送信する。

Fiは2019年のスタート以来堅実な成長を遂げており、新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行にもかかわらず、製品に対する需要は伸び続けているという。まだ事業規模は小さいが、Fiは米国での販売拡大に取り組んでいる。また、2020年の第4四半期(10月〜12月)にはメガペットのオンライン小売業者ことChewyでも販売された。

「米国には非常に大きな市場があり、私たちはまだその表面で活動しているだけです」と、ファウンダー兼CEOのJonathan Bensamoun(ジョナサン・ベンサムーン)氏はTechCrunchに語っている。「私たちはこの分野に集中していたいと思っています。そして、これを本当に家庭用品にしたいのです。成長の最大の制約は、人々が我々や製品カテゴリーの存在を知らないことです」。

Fiによると、従来型の大型ペット小売店との交渉は現在「宙に浮いた」状態だという。この資金調達ラウンドは研究に加えて、製品のフットプリントの成長を助けるために、マーケティングと追加の小売パートナーシップの調査に向けられる。

「私たちはFiのジョナサン(・ベンサムーン)氏とチームを1年以上追跡しており、彼らの実行力と急速な成長に非常に感銘を受けています」と、AVPのパートナーのCourtney Robinson(コートニー・ロビンソン)氏はTechCrunchに向けた声明で述べている。「彼らはデザイン、バッテリー寿命、精度の面で競争相手を打ち負かすデバイスによって、コネクテッドカラーという新しいカテゴリーの明確なリーダーとしての地位を確立しました」。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Fi資金調達ペット

画像クレジット:Veanne Cao

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。