くだらない質問はなぜくだらないのか


SEOには色々なくだらない質問がある。
  • 日本語ドメインは有利なんでしょうか?
  • 相互リンクは本当に効果がないのでしょうか?
  • 文字数を多くするよりページを多くしたほうがいいのでしょうか?
  • 無料ブログからの被リンクには本当に効果がないんでしょうか?
  • 更新頻度を上げるためにちょっとだけでも更新したほうがいいのでしょうか?

くだらないとまで言ってしまうと語弊があるのだが、実際に私はこの手の質問はくだらないというか、考えるに値しない質問だと思うわけだ。
本当のところは、この手の質問に対して答えることは可能である。
そして「今現在は」という留保をつければこれが正解という答えをだすこともできる。

しかし、それをわかった上で、これらの質問には意味がないと言いたいのだ。

なぜ意味がないのか?

これらの質問は、

検索エンジンの目指している本質から目をそむけているからだ

検索エンジンはユーザーが見て有用なページを上位表示させるように日々改善されている。

なので、SEOについての質問とはGoogleが考えるところの有用なページとはどのようなものなのか?
を考えることがまずは大原則である。

そして、そこから答えを導き出すことが未来にわたって通用するSEOである。

ところが上記の質問には、有用性という観点がまるっきり欠如している。

だから、今現在はGoogleはこう動くという答えをだすことはできるものの、それは今現在に過ぎず、いつまでも通用する原理原則ではない。

上記の質問について考えてみよう。
(現在というのは2013年9月時点を指している)

  • 日本語ドメインに関して
    上位表示を狙うキーワードで日本語ドメインを取得すると有利であることは確かだ。
    しかし、ドメイン名の本質はブランド名であり、自サイトをユーザーからどう思ってもらいたいか?
    という観点から考えられるべきものである。
    ドメイン名にキーワードを含むと、そのキーワードがそのサイトとして重要だとユーザーも思うだろう。
    結果として順位が上がる事があるわけであって、SEOがあるからドメイン名があると考えるのは主客転倒以外の何物でもない。
  • 相互リンクに関して
    相互リンクとはそもそも何か?
    自分が紹介したいページがあったのでリンクをした。別に相手からの見返りを求めていたわけではない。
    でも、リンクをした相手も自分のページを見に来てくれて、気に入ってくれたらリンクを返してくれたというのがそもそもだ。
    このような相互リンクであるならば、相互リンクであったとしてもリンクは見に行くべきページを紹介するという意味において大きな価値がある。

    私が初めてホームページを作ったのは1995年のことだ。
    お気に入りのページを見つけると中の相互リンクのページを見たりして、紹介されているページを読みに行ってWebの世界の楽しみを広げたものだ。
    この種の関連性において相互リンクは考えるべきことであって、SEOが先にあるわけではない。
    ましてや現在ではこれほど検索エンジンの性能が上がっているので、相互リンクの価値は著しく減じていると言えるだろう。

  • 文字数を多くするかページを多くするか
    確かにSEOを考えた場合にはtitleタグは決定的に重要なので、2種類以上のキーワードで上位表示させたい場合はページを分割するべきだ。
    しかし、文字数を多くするかページを多くするのか?と単純に言い切れる問題ではない。
    ページを分割すると個々のページの情報量が少なくなるため、titleタグが増やせるメリットはあるものの上位表示はしにくくなるだろう。

    SEOの技術論から言うとそういう結論だが、ユーザーの視点から考えたほうがよりわかりやすい。
    ユーザーから見て情報量が少ないページにはあまり価値がない。
    しかし、様々なテーマが一つのページ内に混在していると情報がどこにあるか探しにくくなる。

    だから、結局のところ答えとしては、テーマに沿ってページを作成し、かつ主題について必要十分な量を1ページに書けという結論になる。
    SEOの技術論として考えるよりも、ユーザー視点で考えたほうがより適切に解を導くことができるし応用が効くのだ。

  • 無料ブログからの被リンク
    無料ブログからの自作自演リンクには効果があることは確かだ。
    しかし、その前提として、その無料ブログに読むべき価値があり、かつリンクをクリックする意味があることが重要なのだ。
    それであれば、自作自演であろうがあるまいがそのリンクには価値がある。

    結局のところこれもユーザー目線で見た時に、その無料ブログからのリンクに意味があるかどうかにかかっている。
    もし、ゴミのようなページからリンクをしているのであれば、今、この瞬間は上位表示に貢献しているかもしれないが、いつそのリンクが無効化されたり、逆にマイナスの価値と判断されるようになるかはわからないのである。

  • 更新頻度を上げたほうがいいか
    検索エンジンは情報の鮮度が高いページを評価するという理屈に基づき、ページ内のごく一部を書き換えたり、毎日自動的にプログラムで更新日を書き換えたり・・・。
    といた施策をしている人もいる。
    しかし、こんなものこそまさに無意味としか言いようがない。

    更新する必要のないページは更新する必要がないし、古くなって実情に則さなくなったページは更新すれば良い。
    ただそれだけのことである。


具体論に踏み込んで今回は書いてみたので、今回の答えに至る考え方はヒントになると思う。
SEOで困ったことがあった場合は、ユーザーの視点で見てどう結論付ければよいのか?を上記のように是非考えていただきたい。

検索エンジンはユーザーの利便性のために作られているのだから、迷ったときはユーザーの利便性を考えれば自ずと答えが出ることが多いのである。

SEOにおいて品質の高い記事を作ることとコスト


2ヶ月ほど前になるが、海外集客・インバウンドマーケティングのサイトエンジンブログというブログの、「
SEOでいう質の高いコンテンツとは? 1ページあたりのコストを決めるための考え方」という面白い記事があった。

確かに品質の高い記事を作ることはSEOにとって重要であり、この記事に書かれていることはまったくもってその通りではある。
しかしながら、

1.記事の品質とSEOの関係

2.記事の品質 = コスト
と言えるのか?

この2つの点について色々思うところがあったため書いてみたいと思ったのが、本日のテーマである。

まず最初のポイントだ。

1.記事の品質とSEOの関係

についてまず述べてみよう。

ところで、そもそもSEOの目的とは何か?

「検索結果に自サイトのページを露出させることから集客し、知名度のアップやコンバージョンにつなげる」

ことが目的である。
これを分解すると、

  • 検索結果への露出
  • 知名度のアップ・またはコンバージョン

この2つに分けられる。

記事の品質とSEOの目的達成には大きな関連性がある。
まず、記事の品質によって検索結果にどれだけ露出するかが変化する。

Google社はコンテンツの評価基準を下記の6段階に定めている。

rating-scale・Googleのコンテンツ評価ガイドライン(英語)
詳しくは、Search Quality Rating Guidelines(英語)の6ページを参照のこと。

  1. Unratable(評価できない)
    評価ができない(ページを読み込むことができないなどの理由による)。
  2. Off-topic or Useless(無関係または役に立たない)
    このページはほとんど誰の役にも立たない
  3. Slightly Relevant(少し関連性がある)
    このページはほとんどのユーザにとってあまり役に立たないが、検索キーワードに少し関連はしている。一部のあるいは少数のユーザとっては役に立つ。
  4.  Relevant(妥当な)
    このページは多くのユーザーまたは一部のユーザにとって役に立つ。
  5. Useful(役立つ)
    このページは多くのユーザーにとって非常に役に立つ。
  6. Vital(不可欠)
    限られた場合のみにVitalという基準は使われる。
    (人・場所・会社・飲食店・製品・組織などを指し示す検索キーワードについての公式ページ。詳しくは12ページ参照のこと) 

実際にGoogleはこのようなガイドラインに従ってコンテンツを評価しようとしており、その企てはある程度うまくいっている。
同じような文字数でコンテンツを作っても、検索順位が上がるページは品質が高い有用なコンテンツを投入したケースが多いというのが私の実感だ。

アルゴリズムでコンテンツの品質・有用性が評価できるのか?
完全にはわからないだろうが、かなりわかる可能性が高いと私は思う。

数万とか数十万とかといった数多くのコンテンツを人間が分類・採点する。
次に採点とコンテンツをコンピュータに投入し解析することで、人間の採点する傾向となるべく近くなるような計算式を導くことは原理上可能だ。

Googleは小規模であっても、検索上位に表示させるべきではないか?というWebサイトを現在募集している。
Small website survey
これである。私はこの調査は前述の計算式の改善のために使うのではないか?と考えているのだが・・・。

といったわけで、まず検索エンジンに露出するためには記事の品質が重要であるということだ。

次に、知名度のアップやコンバージョンにも記事の品質が重要であるということを書く。

せっかく検索結果に露出したとしても、

  • 記事の内容が的はずれだったり
  • 誤字脱字があったり
  • 中に書かれている記述に誤りがあったり
  • 文章が拙劣であったり
  • 内容がありきたりであったり

したら、知名度のアップにもコンバージョンにもつながりにくくなる。
つまりSEOの目的を達成できないのだ。

つまりSEOの目的を達成するためには、記事の品質が重要な要素であるということなのだ。

次に

2.記事の品質 = コスト
と言えるのか?

について考察してみたい。
記事の品質とコストには大きな関連があるのだが、イコールではない。

コストをかければいい記事を作れることは間違いない。

しかし、全ての記事をプロのライターに依頼して書いてもらうということは、SEO目的においてはあまり現実的ではない。

記事の調達コストは、得られるリターンから逆算しなければならないからだ。
これは記事を外注する場合だけでなく、内製する場合でも同様だ。

もし、月間検索数500回のキーワードについて、1,000文字書いてもらった場合を想定しよう。
首尾よく上位表示されたり、想定外のキーワードの掛け合わせで月間100人集客できたとする。
そのうち、0.5%がコンバージョンしたら月間大体0.5人の引き合いが取れる。

しかし、これだけコストを掛けても上位表示されない場合もあるし、その他のキーワードでも集客が全くできない可能性もある。
というか集客できるかどうかはやってみないとわからない。

そのリスクを考えた上でどこまでコンテンツに対して投資できるか?

平均すると、1つのコンテンツについて、月に0.1人のコンバージョンだったとし、投資は1年で回収しなければならないものとする。
(計算が面倒なので、コンテンツをWebサイトに投入して順位が上がるまでのタイムラグについては考慮しない)

そうすると、1つのコンテンツにつき、年間1.2コンバージョンが見込めるという計算になろう。

1文字単価40円というプロのライターに執筆させると、4万円をかけて1.2コンバージョンである。

これで採算にのるのか?
なかなか難しいだろう。
リスティングに比べてもおそらくはかなり割高だ。

コンテンツを外注せずに、社内で内製した場合でも状況は変わらない。
給与の総支給額ベースで月給40万円の社員は、40万円分の仕事しかしていないわけではない。
給与の数倍の付加価値を生み出しているから、社員は社員として雇用されているのだ。

少なくとも3倍、つまり40万円の社員の1ヶ月の労働価値は120万円以上になろう。

1日に2記事つづ作成したとして、1ヶ月20稼働日だったら1ヶ月で40記事作成できる。
素人が1日に2000文字書くのはなかなか難しいから現実的にはこんなもんだろう。
1記事に要するコストは3万円にもなる。

外注のプロのライターに書かせるのとあまり変わらない数字だ。
社員を動員して、SEO目的で記事を書かせるということも現実的には得な選択肢とも言いがたいということだ。
(コンテンツを作る目的はSEOだけではなく、ブランディングといった意味合いもあるし、ソーシャル経由といった集客もある。そこまで考慮すると費用対効果は変わってくるが、今回はそこには踏み込まない)

ならばどうするか?

  • 文字単価を下げる
  • 社員のライティングスキルを高める

後者には限界があり、前者の方が改善できる伸びしろがはるかに大きい。

一つの方法としてクラウドソーシングの利用がある。
現在ランサーズといったクラウドソーシングが大流行だ。

クラウドソーシングではSEO目的のライティングの案件が目白押しだ。
1文字単価0.2円とかそんな案件が多い。

これだとさすがに1日に5000文字書いても、わずか1000円にしかならないのでさすがに低品質のコンテンツしか集まらない可能性が高い。

しかし、もうすこしばかり出せばかなり高い品質の記事を集めることは可能だ。
その際に必要なことは、ライターの良し悪しを見ぬく眼だ。

良いライターを選別して依頼することで、低価格でもかなり良質なコンテンツを集めることができる。

内職だと、時給に換算すると100円とかで働く人もいる。
それを思えば、ライティングはこれよりもずっと高価だし、一日中同じ作業を行っているのに比べてある程度楽しい部分もある。
安い金額でも優秀なライターが集められる土壌はあるのだ。

それともう一つ。

金額以外のインセンティブ、ゲーム性などによってコンテンツを集めるという方法もある。

これがむしろ決定版ではないか。
Wikipedia、Cookpad、食べログ、Yahoo!知恵袋、2ちゃんねるといった有名Webサイトは全くコンテンツそのものに費用をかけることなく、有用であったり、独自性のあるコンテンツを集めている。
また、nanapi・allaboutなどは無料ではないがブランディングにつながったり、心理的なインセンティブを与えることで大きな費用をかけずにコンテンツを集めることに成功している。

普通にコンテンツを作ってSEOしようとすると費用がかかるが、工夫次第で費用を低減することは可能だということである。

よく流布している古いSEO知識について


SEOの知識ほど陳腐化の早い知識もそうそうないのではないだろうか?
ITはそもそもそういう分野であるのだが、特にSEOは陳腐化が早いと思う。

昨日の知識が間違いになってしまっているかもしれない技術分野はそうそうはない。

なので私はSEOの技術を追わず、本質を追求することをお勧めしたい。
詳しくは、正しいSEOの戦略に書いたとおりである。

Googleが目指している究極の場所は決まっているのだから、それを目指してSEOすればいい。
Googleの目指す究極の場所とは、コンテンツの価値を正しく判断して、検索意図に対する適合性の高い順番に正しく並べて表示させることである。

だから、究極的にSEOとは、

ユーザーの検索意図を洞察し、充足させるコンテンツを作ること

に他ならない。

究極的にはSEOとはそのようなものだ。
しかし、SEOのテクニカルな知識を覚えると、大きく有利になる。
究極の場所にたどり着くまでの道のりはまだまだ果てしなく遠いからだ。

だから、Googleに対して正しくコンテンツの価値を評価させるための手がかりを与える必要がある。

手がかりを与えることが現在のSEOである。
Googleはコンテンツを正しく評価したいと思っている、でもできない、だからWebマスターはGoogleに協力してやる必要がある。
正しく評価させる(過大に評価させる方法をSEOと呼ぶ人もいるが、それは最適化ではないのでSEOではない)方法をSEOと言うのだ。

さてようやく本題。

正しく評価させる方法は日々変わる。
それはGoogleが日々進化しているからだ。

昨日までは重要な手がかりであったことが、今日まったく無効になってしまっていたり、場合によっては逆効果になったりすることがある。

そんな古くなったSEO知識を書いてみる。
このブログを読む人は知っている事ばかりかもしれないのだが、世間では意外に知られていなかったりするのだ。

1.meta keywordsは重要である

これはかなり古いSEO知識。
こんなことをいまだに書いている作者や、そんなことを言っているWebコンサルタントがいたらSEOについてはド素人だと思っていい。
今だにいるのだが、まるで化石である。

実際は完全に不要である。Googleはmeta keywordsについて評価していないからだ。

むしろmeta keywordsは設定しないことを推奨したい。
私は競合サイトのSEOに対する取り組みの状況をよく調査するが、まず真っ先にmeta keywordsを見る。
競合にどのkeywordを意識しているかという情報を与えてしまうだけ損だと思うのだ。

2.meta descriptionは上位表示の重要な要因だ

これも1.と同様にかなり古いSEO知識。
まったく順位計算には関係ない。

しかし、全く必要ないわけではない。
descriptionに設定した文章は、検索結果に表示される。
検索キーワードを含めるのではなく、検索ニーズに応じた魅力的な文章を設定することでクリック率が上がり訪問者を増やすことができるため重要なのだ。

当ブログではdescriptionについても設定していない。
これは趣味で運営しているブログであるため、面倒なのでやっていない。
皆さんは是非設定してください。

1.2.についてはSEOのホワイトハットジャパンさんのMETAタグ(keywords description)の使い方に詳しいので、更に情報を集めたい方は読んでみると良いだろう。

3.ディレクトリの階層が浅いほうが上位表示する

今はそんなことはべつにない。
少々前であるが、SEOの噂を検証するという記事を書いたのでご覧いただければと思う。

4.プレスリリースはSEO効果がある

ValuePress@Pressといったプレスリリース配信代行サービスは、様々なWebの媒体にプレスリリースが掲載されることを売り物にしている。

ValuePressは提携サイト数90、@Pressは同じく86と書いてある。
これだけのサイトからリンクされるのであるから、被リンクの効果絶大と言われたものだ。

しかし、現在プレスリリースそのものにSEO効果はないと思った方がよい。
このようなプレスリリース配信サービスを利用した法人の多数のWebサイトについて、検索順位が上昇しているかを継続的に追跡したことがある。

際立った効果はなかったというのが結論である。

Googleはこのような同一の情報からのリンクについて、同一の情報であると認識しているのだろう。
効果がないだけだけだったらいいかもしれない。
しかし、プレスリリースには危険があるかもしれないのだ。

「プレスリリースは広告と同じ、リンクにはnofollowを付けるべき」とGoogleのジョン・ミューラー氏という鈴木謙一氏の先月の記事(2013/07)を読まれた方も多いだろう。

全てのプレスリリースにnofollowがつくわけもない。
そのことが即危険につながることを意味するわけではないのだが、プレスリリースはGoogleの非推奨の行為となってきたと言える。

SEO目的でのプレスリリースは効果は少なく、リスクがあるため今となってはおすすめできない施策となったわけだ。

5.重要なページにのみリンクジュースを流すためにnofollowを用いる

これは渡辺隆広氏のSEMリサーチの下記の記事に詳しい。
SEO:Google、nofollowリンクの仕様変更、「PageRankスカルプティング」無効に

簡単に例を上げて説明してみよう。
あるページの持っているGoogleの評価が100だったとする。

そのページからリンクが10本張られていれば他のページに対して、単純計算で100割る10となり、10ずつ評価が渡るってわけだ。
ところがSEOの観点から不要なページについてはnofollowにすることで、他のページに評価を多く渡せることにより、重要でないページにはnofollowをつけるテクニックだ。
5本のリンクにnofollowをつければ100割る5となり、20ずつ評価を渡せる。

ところが現在では、nofollowをつけても他のページに多く評価は渡らない。
5本のリンクについているnofollowについてリンク数に含まれるが、リンクの評価は渡らない。
つまり計50しか評価はリンク先に渡らず、残りの50の評価は消滅してしまう。


なんでこんな記事を書いたのかというと、このような古いSEO知識が流布しており、しかもそれが比較的新しい情報源に存在していたからだ。
2012年に発行された本であれば、その直前ぐらいまでのSEOの知識については間違いないと普通は思うだろう。

しかし、2012年の情報であるにもかかわらず、5.のPageRankスカルプティングが堂々と書かれていたりなんかするようだ。
だから、私は危険を喚起しておきたいのだ。

ではどうすればいいのか?

確かな情報源から情報を仕入れるしかない。

SEOのテクニカルな問題を解決するために適切な情報の入手先であるが、まずは以下の3冊の書籍をお勧めしたい。

「検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書 」は非常に古いが、SEOの本質を理解するためにお勧めできる。
「WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル」は比較的新しいため、テクニカルな意味でもほとんど古くなってはいない。
初心者の人には、読みやすいので一番お勧めかもしれない。

書籍はしかし古くなるのが宿命であり、また実務で困ったときの様々な情報を得られることは少ない。
そんな時はSEOブログを読むことになるだろうが、SEOブログはまさしく嘘八百が書かれている事が多く、どんなオカルトですか?というような奇怪なSEOの知見が書かれていることもある。

そこで以下のブログをお勧めしておきたい。
自分の知りたい情報についてググった時に、これらのブログの中に書かれていることはほぼ間違いなく、更新されている信頼出来る情報源である。

ちなみに並び順はサイト名をエクセルで自動的に昇順に並べ替えを行ったものであり特に意味はないことをお断りしておく。

1.SEOの権威が執筆しているブログ

  1. SEMリサーチ

    http://www.sem-r.com/

  2. SEO Japan

    http://www.seojapan.com/

  3. SEO 検索エンジン最適化 – 自分で施策するための最新SEO情報サイト

    http://www.searchengineoptimization.jp/

  4. web>SEO | SEO辻正浩のブログ

    http://webweb.jp/blog/

  5. パシのSEOブログ

    http://www.jweb-seo.com/blog/wordpress/

  6. 海外SEO情報ブログ

    http://www.suzukikenichi.com/blog/

2.Googleによる公式発表

  1. Google Webmaster Central 日本版 公式ブログ

    http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/

3.有用なSEOブログ

  1. Re:very

    http://lblevery.com/blog/

  2. SEMアドバイザーの揺さBrain!

    http://yusabure.sem-adviser.com/

  3. SEO Imagination

    http://holy-seo.net/blog/

  4. SEOだけじゃない Web集客コラム

    http://www.nj-technology.co.jp/marketing/

  5. SEOとその周辺

    http://minnano-seo.com/

  6. SEOのホワイトハットジャパン

    http://whitehatseo.jp/

  7. SEOまとめ

    http://www.seo-matome.jp/

  8. Webutubutu!

    http://webutubutu.com/

  9. WEB戦略ラウンドナップ

    http://www.7korobi8oki.com/

  10. アフィリエイト野郎

    http://afi8.com/

  11. クロスウォークのSEOブログ

    http://blog.mf-seo.com/

  12. バカに毛が生えたブログ

    http://www.baka-ke.com/

  13. ムラウェブドットネット

    http://seo.muraweb.net/blog/

  14. 世界へボカン通信

    http://www.s-bokan.com/blog/

  15. 葬儀社のためのSEO

    http://www.sogisya.net/

※手前みそで恐縮です・・・。


最後にPRであるが、日本人対象の唯一のSEOのGoogle+上のSEOの公開コミュニティ、SEO同好会メンバー募集中である。
初心者歓迎のゆるーいコミュニティを目指して運営中。
現在120名を超え、活発に発言するメンバーが増えてきて盛り上がってきていて面白い感じである。

興味のある方は是非ご参加下さいませ。

Webマスターは自衛を考えるべき


昨今、Googleが変調をきたしているように思う。

変調のきっかけは不正リンクに対して積極的にペナルティを課すようになったことだ。
不正リンクに対して、ペナルティを課すことは間違いではないしやるべきことである。

しかし、残念なことにGoogleは不正リンクと、自然リンクを正しく見分けることができていない。

ではいつになったら、見分けられるようになるのだろう?

私は永遠にならないと思っている

コンピューターの処理能力やアルゴリズムが進歩するとスパムの検出精度は向上するが、あくまで検出精度が上がるだけである。
スパムをゼロにすることは不可能だ。

私が子供の頃、天気予報は当たらないものの代名詞だった。

しかし、現代では天気予報はかなり信頼されており、確かに当日、翌日の天気予報はかなり当てになると思っている人が多いだろう。
これも気象予測のアルゴリズムの進歩、コンピューターの処理能力の向上によるものだ。

これを突き詰めていけば、天気予報は100%的中するようになるのだろうか?

答えはNOである。

この問題にスパムの検出は似ている。

結局は確率や可能性でしか判断できないからだ。

これは不正リンクのチェックをしたことがあればよくわかるだろう。
ウェブマスターツールから被リンクをダウンロードして、一本一本全てのリンクを目視で精査する。

明らかにSEO業者による不正リンクであると判別できるケースは多い。
しかし、判別が難しいものがあまりに多いことに気がつくだろう。
このようにグレーな被リンクは、人間が見ても不正リンクかどうかわからない。

全く同じようなリンクであっても、あるものは不正リンク、あるものは自然リンクだったりする。
そもそもリンクを貼った動機が、

リンクポピュラリティの上昇を狙ったものなのか?
純粋にリンク先のページを紹介したいと思っているのか?

なんてことは神でもなければわかるわけはないのである。
ましてやアルゴリズムで正しく判断するということは不可能だ。

しかし、私は今まではリンクを貼った動機を問う必要はないと思っていた。
何故ならば、そのリンクに価値があるならば、そのリンクは正しいリンクであるからだ。

言い換えてみよう。

  • リンクが存在するサイト自体に何らかの価値がある
  • リンクが存在するページにも何らかの価値がある
  • リンク自体をクリックする意味がある

この3つをクリアするリンクには正しいリンクであり、正しいのであればそれがリンクポピュラリティの上昇を狙ったものであろうがあるまいが関係ない。
という考え方でよいはずだ。

また、私は原則的にSEOをWebマスターは意識する必要はないと思っている。
一般のWebマスターは取り立ててSEOを考えなくても、サイトの運営を続けていれば検索エンジンからそれなりに評価を得られるはずである。

しかし、誰もがSEOにおける危険性を考慮しなければならなくなってきたのだ。

それはなぜか?

いくつかのGoogleの公式発表から危険性を列挙してみる。

  1. ブログパーツからのリンクに危険性
    WEB戦略ラウンドナップの中山氏のこの記事を紹介したい。

    ブログパーツ(ウィジェット)内のリンクはnofollowをつけるべきとGoogleが回答

    当ブログでも現時点においてZenbackというブログパーツを導入してる。



    私はこのZenbackというブログパーツを導入するにあたって、危険性はほとんどないと判断した。
    Zenbackからリンクされる記事と、当ブログの記事には高い関連性があり、ユーザーにとっての利便性がある。
    私の記事を読んで物足りない場合、Zenbackのリンクをクリックしてより深い情報を得ることもできる。
    実際に私もZenbackから広い知見を得ることができているのだ。

    このようなリンクは正しいリンクだ。

    それにもかかわらず、nofollowであるべきというGoogleの発表には納得がいかない。

  2. プレスリリースの危険性
    海外SEO情報ブログの鈴木氏の記事を紹介する。
    「プレスリリースは広告と同じ、リンクにはnofollowを付けるべき」とGoogleのジョン・ミューラー氏

    プレスリリースももしそれが有名なWebの媒体でなされたものであれば、そのページを見て来訪する人もたくさんいるかもしれない。
    それであれば、そのリンクには評価すべき価値があるといってよかろう。
    そうでなければ、そのリンクは価値がないとGoogleが評価すべきである。

    アンカーテキストにSEO対象のキーワードが含まれなければ問題ないということではあるのだが、それでも危険は回避できるとは言えない。
    プレスリリースを配信する際にサイト名や企業名やURLを情報として提供するが、サイト名や企業名にSEO対象の文字列が入っていることも往々にある。

    例えば、私が「新鮮カニ通販サッポロ屋」という屋号で通販をやっているのであれば、アンカーテキストに「カニ通販」なんて文字列が入ってくる危険性がある。

    そんなわけで、プレスリリースにもnofollowをつけるべきだというのだが、実際には無理だ。
    プレスリリースは様々なインターネット媒体が勝手に配信するものなのだから、自分のコントロール下に置くことは不可能である。

    唯一の安全策はプレスリリースを発信しないこととなってくるかもしれない。これってどうなんでしょう・・・。

  3. リンクの否認について
    リンクの否認ツール:Q&A のご紹介
    ここから引用しよう。

    Google では、各サイトの掲載順位が他のウェブマスターによって操作されることのないよう対策に努めています。しかしながら、そのような第三者からの悪意のあるリンクがサイトの評価に悪影響を及ぼしていると思う場合は、リンクの否認ツールを使用して、それらのリンクを無視するよう Google に指定することができます。繰り返しになりますが、Google では独自のアルゴリズムを開発してネガティブ SEO へ対策を実施していますので、ほとんどのウェブマスターの皆さまはネガティブ SEO について心配する必要はありません。

    なんだか今ひとつ歯切れが悪い。

    「そのような第三者からの悪意のあるリンクがサイトの評価に悪影響を及ぼしていると思う場合は、リンクの否認ツールを使用して、それらのリンクを無視するよう Google に指定することができます」
    ではなく、
    「そのような第三者からの悪意のあるリンクがサイトの評価に悪影響を及ぼしていると思う場合では、リンクの否認ツールを使用する必要はありません」
    と言い切って欲しいものだ。

    それもそのはずで、誰の意思で不自然リンクを付けたかなんてことはリンクをつけた人以外わからないからだ。

不自然リンクをペナルティの大きなファクターとして計算するペンギンアップデート以降、私はリンクについてWebマスター側に責任を負わせすぎていると感じている。

  1. 不自然リンクによってペナルティを課すようになった
  2. 無実のサイトにもペナルティが発動する
  3. アルゴリズムで精度を上げようとするも限界に
  4. Webマスター側に対応を依頼するしかない状況に・・・

こんな感じである。
そもそもリンクが人工か天然か?誰が貼ったのか?なんてことはわかりっこないので、それをペナルティの大きな判断基準にしようという考え方にそもそも無理がある。その無理を承知でそのまま何とか運用しようとすることが現在の状況を招いていると思う次第だ。

そもそもスパマーが存在しなければ、こんなことをしなくてもいいのだろうが、スパマーのために善良なWebマスターまでまきぞいになるのは正直勘弁して欲しい。
そうはいっても、まきぞいになるわけにはいかないので自衛するしかないと思う。

ブログパーツの導入は慎重に
プレスリリースの導入も慎重に
リンクは定期的にできればチェックする

といった自衛策は考えなければならない。

最後に、「バカに毛が生えたブログ」さんの記事を紹介して終わりたい。

リンクにnofollowが付与されていない。「風立ちぬ」の公式サイトにGoogle苦言

最近のGoogleの何でもかんでもnofollow入れろという雑な対応をなんか表現できないかなと思って

と書かれていたが、本当にその通りだとしみじみ思う。


※追伸

当ブログを始めてから早いものでもう2年になりました。
どこまでやれるかわかりませんが、とりあえず3年を目指して頑張ります。
応援いただけると幸いでございます。

「当社のSEO施策は安全です」は本当か?


某有名SEO会社であるがWebからの申込時に危険性をでかでかと表示している。
こういうインフォメーションを行う会社は非常に良心的だと思う。

問題は、

「当社のSEO施策は安全です」

と言い切るSEO業者である。
実際に業者による安全なSEO施策というものは存在しないわけではないのだが、専門家ではない限り安全性を判断するのは難しい。

今回の記事は、SEOの専門家ではなくても、ある程度業者のセールストークの中から危険を察知し、回避できるようにするためのものである。

当該SEO業者はGoogleのガイドラインに対してどう考えているか?
技術はどのレベルにあるか?ということによって危険性は変わってくる。

危険性には4つのレベルがある

  1. Googleのガイドライン違反を全く冒さない
  2. Googleのガイドライン違反を行うが、警告を受けた場合の対応策がある
  3. Googleのガイドライン違反を行うが、違反であることを極力隠す
  4. Googleのガイドライン違反を行うし、違反であることを隠しもしない

という4つだ。
いわゆる普通のSEO業者によるSEO業者施策は上記の2~4のいずれかに該当する。
では上のレベルから順番に説明することにしよう。

1.Googleのガイドライン違反を全く冒さない

ガイドライン違反を冒さずに、いかに検索エンジンからの評価を高めるかに焦点を当てている業者である。
このような業者は少ない。
コンサルティング型の業者が多く、サイト内部の改善・外部リンクの精査・ナチュラルリンクを集めるための企画運営といった手間のかかる業務を行う。
成果達成基準といったものはたいていは設定されておらず、月額数十万円~といった固定料金がかかり大体において高額である。

2.Googleのガイドライン違反を行うが、警告を受けた場合の対応策がある

多くのSEO業者にとって今現在時点において、現実的に実現可能な対応である。

不自然なリンクの警告がGoogleから送られてきた。
特定キーワードでの検索順位が大きく下落した。

といったような状況になった場合に、

  • 外部リンクをすべて剥がすことができるように準備しておく。
  • リンクはクライアントのトップページには張らずに、特定の下層ページに張ってあり当該ページのURLを変更するだけで全てリンクを無効化できるようにする。
  • クライアントのサイトに直接リンクを張らずに、SEO業者が制作した少数のサテライトサイトに多数のリンクを集めて、このサテライトサイトからリンクをする。
    といったクッションを設けた2段階の人工リンクを用意する。
    クライアントがペナルティを受ける可能性は大きく減少し、また最悪のケースでもサテライトサイトからのリンクを取れば回避できる。

主に上記の3つのうちのいずれかの対応策をあらかじめ講じておく。
施策にかかるコストが上昇するため、提供価格が高くなることもあるが比較的安心できる施策である。

それでもリスクがないわけでもないことを明記しておきたい。
リスクは3つあり、リスクの及ぼす影響の高い順番に列挙してみる。

  1. 当該SEO業者の施策だけでなく他にもGoogleのガイドライン違反を疑われる施策を行なっていた場合が大きな問題が生じる。
    ペナルティはコップの水が溢れるのと同じである。
    小さなガイドライン違反であっても積み重ねることによって、ある一定ラインを超えると発動するケースが多い。
    当該SEO業者の施策が原因で一定ラインを超えてしまったという場合は、当該SEO業者のリンクを剥がすだけでは元に戻らないかも知れない。
  2. 当該SEO業者が施策前に戻しても完全に評価が元に戻らない可能性がある。
    施策前の検索エンジンからの評価が10だったとすると、ペナルティを受けて2になり、施策前に戻して再審査リクエストを行なった後、8に戻るというような感じである。
  3. 一時的な評価の下落は避けられない。
    再審査リクエストによって評価が戻ったとしても、その間の1・2ヶ月程度の期間は評価が下落したままである。
    その時期が繁忙期と重なったりすると、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれない。
    例えば、タラバガニを通販で売っているサイトであれば、11月12月が評価が下がったままだと、お歳暮という最大の販売チャンスを失ってしまう。

とは言え、これらのリスクがあることを勘案して、それでもそのSEO業者に施策を依頼するという選択肢は、倫理的な問題はともかくおいておけばビジネス的にはありだ。
ビジネスにはどのような選択肢にも全てリスクがある。

何もしないという消極的な選択肢にも、ビジネスチャンスをものに出来ないリスクがある。

結局どの選択肢をとってもリスクがあるのだから、

リスクとメリットを勘案して最も望ましい選択肢

をSEO業者と一緒に判断してクライアントの責任において実施するのはありだろう。
リスクとメリットについて誠実に判断してくれるSEO業者であれば、付き合う価値があると私は思う。

3.Googleのガイドライン違反を行うが、違反であることをGoolgeに極力隠す

こういうSEO業者も数多くある。
というか、非常に多いといったほうがいいかもしれない。
このような業者の言い分はこんな感じだ。

「当社ではサーバーを多数持ち、IPを分散させているので大丈夫です。」
「高品質なリンクなので大丈夫です。」
「オーソリティの高いサイトからリンクされるので大丈夫です。」

いろいろなバラエティがあるがだいたいこんな感じだろう。
まあ、これらの言い分を鵜呑みにしてはいけない。

「大丈夫です。」

って言っている時点ですでに大丈夫ではない。
前述のような大丈夫の根拠も言うなれば「無根拠」と同義語である。

飲酒運転を常にする人がいて、その人にそんなのは危ないから止めろよ。
と注意をした時に、

「大丈夫だよ。俺はね、ビール2本ぐらいじゃ全然酔わないの。だからへーきへーき。」

っていうぐらいの根拠だ。何が平気なのかさっぱり分からないが、前述のようなSEO業者の言い分もどうして大丈夫なのか意味がわからない。
素人を騙せればいいっていうことだろう。
大丈夫というSEO業者は疑えってことだ。

4.Googleのガイドライン違反を行うし、違反であることを隠しもしない

こういうSEO業者もある。

「Googleなんてしょせん私企業なわけじゃないですか。何でそんなところの定めたルールに従わなくっちゃいけないんですか?」

って言い切ったり。

「大丈夫大丈夫、Googleはそんなに賢くないしわかんないんですよ。気にする必要なんてないです。」

このようなことはありえないし、危険この上ないので関わりあいになってはいけない。


まとめてみよう。

SEO業者の言う安全にはレベルが4つある。

全くリスクを冒さない1番だけは本当に安全である。
2番の業者はクライアントに対して誠実であり、かつ回復可能な策を講じているためまあ安全と言っていい。
3番と4番は安全ではない。
それにもかかわらず、SEO業者が安全だと強弁するならば、危険であることを隠しており不誠実で危険以外の何物でもないのである。

初心者向け記事:ホームページにアクセスがない場合に5つのするべきこと


今回の記事は、まったくホームページに集客できておらず、
  • 集め方がわからない
  • 零細企業だから無理
  • 素人だから無理

と思っている人に読んでもらいたい。
※ホームページという言葉を使わず、いつもはWebサイトと表記しているのだが、あえて今回はまったく知識のない人向けに、極力日常的な用語を使って書くのである。

アクセスがないといった場合の考え方だ。
なお、この記事は「この通り調べて」とホームページの制作会社に依頼することもできるように書いてある。

本来は集客はホームページの制作会社の仕事ではないため、制作を依頼する側が考えるべきことなのだ。
しかし、全くの素人でどう考えていいかわからないといった場合には制作会社に手伝ってもらう必要がある。
どうやって手伝ってもらったらいいのか?すらもわからない場合には、この記事をそのまま見せて依頼をかけることができるようになっている。
しかし、できることであれば、この程度は出来る限り理解をしてもらいたいと思う。

制作を丸投げするにしても、この程度のことがわかるのとわからないのでは大違いだからだ。

1.アクセスを正しく把握しているか

まずはこれである。

「ホームページへの来訪者がいない」「インターネット経由での問い合わせがまったくない」、これをごっちゃにしている場合がある。
小規模あるいは零細企業の場合だと、後者を指してアクセスがないと思っているケースがある。

アクセスとはホームページへの来訪のことで、これがあったとしても問い合わせに至らないことは多い。
まずは来訪があることが前提条件だ。

いくら店内に魅力的な商品を並べていても、だれも店にお客が来なければ購入者はいない。
まずは、お客が来るために方策を取らねばならない。
お店で言うところの購入が、ホームページでは問い合わせである。

問い合わせがまったくないことと、アクセス数が少ないことは分けて考えねばならない。

この記事ではアクセスが少ないケースに絞って話を進めることにする。
アクセスがあるにもかかわらず、問い合わせがないケースについては別の機会に論じたい。

アクセス数が少ないことをどうやって把握しているか?

アクセスを把握するためGoogleアナリティクスというGoogleが無料で提供しているサービスを利用するのが一般的である。
しかし、このサービスを使った場合には、全部のページに正しくアナリティクスの設定がされていないと正しく計測ができない。

自分で確認するのは初心者だと難しいが、Tag AssistantというこれまたGoogleが提供しているチェックのサービスを使うのがよい。

GAタグなどをチェックしてくれる[Tag Assistant]

この記事が比較的わかりやすい。
この通り設置をした後に、ホームページ内のすべてのページを開いてみて全部チェックする。

Google Analytics     Working▼

となっていれば正常に動作している。
そうなっていないページがあれば、「Not working」になっていたり、「Google Analytics」の表示のないページがあったらそのページはアクセスを取得できていないので修正が必要だ。修正はホームページを制作した業者に行ってもらう。

あとはあまり知られていないが、ホームページを設置するために借りるレンタルサーバーにも、たいていは無料のアクセス解析サービスが付属している。

webalizerの画面

上記はさくらインターネットなどで使われている、フリーの解析ソフト(Webalizer)による解析結果の画面だ。
(※ちなみにこれは私の運営している実験サイトの解析結果)

このようなサービスも無料で提供されているので使ってみるのもよい。
Googleアナリティクスに比べると、機能は限定的だが逆に分かりやすく初心者にはこの方がいいかもしれない。
とはいえ、Googleアナリティクスは設定しなくていいということではなく、正しく設定した日からのデータしか取得できないため、設定だけは正しく行っておく必要はある。

2.本当にアクセスがないのか確認する

零細企業や個人商店のホームページだと1日の訪問数はゼロ~数十人程度が普通だ。
数十人でも多いぐらいかもしれない。
何かしら積極的なPRを行わないかぎり、1日に50人ぐらいといったアクセス数にはならない。

1日に平均して数人程度というアクセス数だと、アクセスがないと言える状況と言える。
見ているのがほとんどが身内とか取引先といった状況だろう。

3.検索結果に露出しているか確認する

ホームページへの集客の最も重要な経路は、検索結果への露出によるものだ。
自分のホームページではタラバガニを通販で売っており、

「タラバガニ通販のたむらはん商店」

というホームページを運営していたとしよう。
実際の店舗以外にインターネットでも売ろうと考え、ホームページを作ってみたもののアクセスがないというケースである。

ホームページがそもそもGoogleに認識されていないと、検索結果からのアクセスはゼロである。
まあ、たまにあるのだ。

ホームページを作っている途中では、中途半端な状態を見せないためあえて検索結果に表示させない設定をする。
ところが、完成したあとでもこの設定をそのままにしてしまうといった凡ミスがある。

このチェックの方法は、Googleの検索で、

site:ドメイン名

と入力をして検索を行う。
例えば、今見ているこのホームページ(ブログって言いますな)であれば、

site:minnano-seo.com

と検索すると、

検索件数

このような感じで検索件数が表示される。
本来あるべきページ数よりはるかに少ない、あるいは全く検索結果に表示されない場合は前述の凡ミスを疑う。
あるいはGoogleが巡回できないページがある可能性を考える。

人間がホームページのトップのページからクリックをしていって、到達できないページは検索結果に表示されないかもしれない。
そのような場合を含めて前述の凡ミス以外は、原因の追求は初心者には難しい。

参考:クローラビリティが悪ければ全て始まらない

4.titleに重要なキーワードが入っているか確認する

ページのtitleは重要である。
書店に本を探しに行ってどの本を手に取るかはタイトルに書かれている書名にかかっている。
これがあいまいだったり、本の内容とかけ離れている場合は(例えば料理のコーナーに置いてある本であり、実際の内容がカニの料理法の本であるにもかかわらず、書名が「自動車整備入門」であるようなケース)誰も手に取らないだろう。

決定的にtitleは重要なのだ。

ホームページの中のすべてのページはhtmlというコンピュータ言語によって記述されている。
どのように書かれているかは誰でも見ることができる。
しかし、htmlというコンピュータ言語は難しくないのであるが、多少は勉強しないと理解することができない。

なので、チェックするための簡単な方法を以下に記しておく。

SEOチェキというサービスを使うと簡便だ。

SEOチェキのメニュー画面

この画面にURLを入力してチェックのボタンを押すと、

SEOチェキの表示画面

この赤枠の中がtitleの内容だ。
ホームページの中の様々なページをチェックして、そのページの内容を表す言葉になっているか確認するのだ。
もしここが空になっていたり、全部のページが同じになっていたりしたら駄目である。
よくありがちなのが、全部のページが同じtitleになっていてホームページの名称になっているというケースだ。

「たむらはん商店」と全部のページがなっているといった設定は誤りだ。
本来は「タラバガニしゃぶしゃぶセット」とか「激安訳あり折れタラバガニ足」といったように、titleは具体的かつ端的にページの内容を表すようにしなければならない。

このtitleの中に検索される言葉を含ませると、検索結果に表示されやすくなることは非常に重要なので覚えておいて損はない。

参考:titleタグのつけ方の戦略

5.ページの情報量は充分か確認する

実は一番言いたかったのがこの項目なのだ。
項目の1~4ができていないという場合は実はあまりない。
ほとんどがここができていないため、アクセスが少ないのだ。

アクセスがほとんどゼロというページの特徴は大体においてページ数が少ない。

10ページ以下といった場合が多い。

「何と5万円!激安ホームページ制作サービス」といったサービスを利用した場合は、

トップページ、会社概要、社長あいさつ、製品・サービス紹介2ページ、お問い合わせページ

といった内容だったりするかもしれない。
この程度のホームページのボリュームしかないと、ほとんど検索されないといっていい。
社名、あるいは店名で検索した場合に初めて検索結果に表示されるというぐらいだろう。

それでも、会社案内パンフレットとしては役に立つ。
ホームページがそもそもない、というだけで現代では怪しい会社だと思われるケースがあるので、その意味ではこの程度でもないよりあったほうがいい。
しかし、集客という意味では全く役に立たないと考えて差し支えない。

タラバガニの通販の例であれば、

「たむらはん商店」と検索した場合には検索結果に表示されるが、「タラバガニ 通販」「タラバガニ しゃぶしゃぶ 通販」「タラバガニ 訳あり」といった自分の店の名前を知らない人を集客することはできないということである。

このようなキーワードで集客しようとしたら、タラバガニの商品を大量に掲載する必要がある。
検索結果には情報が充実しているページが優先的に表示されるからだ。

「タラバガニ 通販」

と検索する人は、安いタラバガニ、美味しいタラバガニ、しゃぶしゃぶ用に使えるタラバガニ、天ぷらに使えるタラバガニ、贈答用に使えるタラバガニ・・・。といった、様々なニーズがある。
これらの様々なニーズを満たすホームページが上位に表示されるようになっている。

自分のホームページと、検索上位に表示されるページを見比べて情報量の違いに着目するとよいだろう。
たいていは集客できないページというのは情報が足りないのだ。

情報を充実させるのは一朝一夕にはできない
普段から努力するしかないのである。

しかし、一つ試してみたほうがよいことがある。

たった一つでも充実したページを作ってみる

これをおすすめするのだ。
目安であるが3000文字以上書いてみる。
ダラダラと書くのではなくきちんと章立てをして論理的にまとめるのである。
Wikipediaの記事は各項目が章立てがなされて、論理的に構成されている。
このような感じでまとめて、充実した情報量を提供すれば集客できるのだ。

試してみるとわかると思うが、このようなページを作るとその記事からはアクセスを確実に得られる。

充実したページを作れば、集客できることが実感できるだろう。
一度そのような手応えを得ることが出来れば、頑張ろうというモチベーションが湧くだろう。
そうなればこっちのものである。

3000文字とは大変だと思われるかもしれないが、自分がやっているビジネスに関する内容だ。
その程度は書けるはずだ。

ちなみにこの文章は4585文字から構成されている。

SEOとリスティングの思考の違い


SEOとリスティングはどちらも検索エンジンマーケティング(SEM)の販促手法である。
というかSEMといえばこの二つしかないと言っていい。

以前に「新版 リスティング広告 成功の法則【阿部 圭司著】 リスティングとSEOの本質は同じ」という記事を書いた。

リスティングもSEOも検索キーワードを媒介として、ユーザーと検索エンジンから集客するため根本的な思考は共通している。

  1. ユーザーのニーズを洞察し
  2. ニーズから検索キーワードを推測し
  3. 検索結果をクリックさせるためのキャッチコピーを考える

この一連の集客のための発想・思考は共通であるため、根本は同一と言える部分がある。
しかし、違う点は数多くある。

一般的にSEOとリスティングの違い、言い換えるとメリットデメリットは以下の通りだと言われている。

SEOとリスティングの比較

リスティングは即効性、確実性(費用さえ払えば確実に表示させられる)に非常に優れるが、費用がかかることが欠点だと言われる。
端的に言えばそういうことなのだが、これはニュアンスの違いのごく一部しか言い表していない。

どんな名作と呼ばれる小説であっても、あらすじを50文字で書いてしまったら味もそっけもなく、どうして感動したのかわからない。
それと一緒だ。

SEOとリスティングは決定的に違うものなのだ。

根本の思考は共通であるにもかかわらず実務においては全く違う。
両者を高いバランスでこなせる担当者はまずいないことからも明らかである。
私はSEOのプロ、リスティングのプロと話をすることがよくあるが、どちらもやるという人にあったことがない(インハウスにはいるかもしれないが)。

笑い話のような笑えない話だが、住太陽氏のSEOのセミナーの参加者の中に、SEOを無料のリスティングだと勘違いして聴講に来ていた人がいて非常に面喰っていたらしい。
これは極端な話であるが、非常に違うのである。

ではどう違うのか?

私はリスティングに詳しいわけではなく、本を読んで近年実践を始めたばかりなのだが、私の感じたことを書いてみたい。
ちなみに読んだことのある本は以下の2冊。いずれも良書なのでお勧め。気が向いたらアフィリエイトリンクなので買ってください。最近子育てにお金がかかるので助かります。

リスティングがSEOと違うと感じた点は以下の通りだ。

  1. 準備に手間がかかる
    通常はコンテンツを作ることイコールSEOとなるが、これは一朝一夕にはできないので、少しづつ作り上げていくといった感じになる。
    (サイト構築時に行うSEOは別。きちんと準備せねばならない)
    ところが、リスティングの場合は先を見通して、周到に準備する必要がある。
  2. 調査・工夫・推敲により精度を高め続けることが可能
    どこでやめるか、言い換えればどのあたりで妥協するか?がすごく難しい。
    ユーザーニーズの分析、競合分析、キーワードの洗い出し、広告文の作成・校正のいずれをとっても手間をかければいくらでも手間をかけられる。
    手間をかければアカウントの出来は良くなるが、手間をかけ続けているといつまでたってもアカウントの作成が終わらない。
  3. 常に軌道修正が必要
    SEOの場合は一旦方針を固めたら後はその方向に向かってひたすらやるだけだ。
    しかし、リスティングの場合は常に微調整が必要だ。時には微調整というレベルではなく大幅見直しも必要になる。
    これを絶え間なく毎日のように行う。
    SEOはサイト自体を育てるがサイトは成長が遅い。
    それに対して、リスティングのアカウントは手をかければかけるほど早く成長する。そうして改善しないと今この瞬間にも無駄な出費が続くので、可能な限り早く動かねばならない。
  4. 費用対効果が明確
    SEOは基本的には費用をかけるものではなくて手間をかけるものである。
    しかし、サイトの修正や再構築といったことが必要になる場合には費用も必要になる。しかし、費用対効果は不明瞭だ。
    その手間や費用をかけたから検索エンジンからの評価が上がって、コンバージョンが取れたという因果関係はなかなか証明しにくい。
    これに対して、リスティングは非常に明確である。
    運用側としては大きなメリットであるのだが、担当者としてはごまかしも言い訳もできないためプレッシャーが厳しい。
  5. リスティングはリスティングだけで完結しない
    前の費用対効果が明確にもかかわることなのだが、SEOもSEOだけでは完結しないのだが、SEOの場合はコンバージョンまでの責任を求められないことがほとんどだ。
    SEOはWebサイトに集客するまでの仕事と捉えられることが多いが、リスティングは結果が求められる。
    結果を出すためには、リスティングだけでは無理でサイト全体の導線を改善したり、デザインやキャッチコピーを魅力あるものに変えたり、LPを作成したり・・・。といった努力が必要になる。
    リスティングだけ頑張っても難しいのだ。
  6. リスティングには科学的思考が求められる
    SEOは文系的な集客手法だ。結局のところ、ユーザーにとって役立つコンテンツを作れば集客できるのがSEOだ。
    しかし、リスティングは常にCTR、CPC、CPAといった数字を見ながら、改善を続けていくという思考が必要になる。
    数字を把握するためには、常にGoogle Analyticsを見て、データを読み解く技術が必要。
    SEOの場合は、検索順位、検索クエリ数、検索エンジン経由の集客数といったウェブマスターツールで把握できるぐらいの情報があれば、日常の業務においてはだいたい事足りる。
    リスティングの場合は数字を見るだけではなく、分析して、そこから次にどのようなアクションを取らなければならないか?を自分で導き出さないといけない。
  7. リスティングは覚えることが多い
    操作や、用語など覚えなければならないことが非常に多い。SEOは専門用語なんかわからなくたってできることがほとんどだ。

といった違いがある。
一つ一つの違いがとても大きく、それゆえに両者をこなせる担当者がいないと私は考えている。

しかし、SEO担当者にとってリスティングを学ぶメリットは大きい。

  • キーワード選定の精度が大きく高まる。
  • SEOは成果が出るまでに時間がかかるため、まずはリスティングを先行させることで成果を早く得ることができる。
  • リスティングで広告文をテストすることで、CTRの高いtitle・descriptionを作ることができる。
  • リスティングでPDCAを回しCPAを改善する過程において、現サイトのボトルネックを潰すことができる。

といったわけで、SEO担当者もリスティングをやってみることを強くお勧めする次第でである。

もしも検索エンジンがなかったら


もしも検索エンジンがなかったら
どうやってWebサイトに人を集めるか?

これが今回のテーマである。
私が初めてホームページを作ったのは1997年のことである。
(余談だがこのサイトはYahoo!カテゴリの「文学」に登録されていた。閉鎖してしまったのは惜しいことをした。あの頃の自分にSEOって言葉を教えてやりたい・・・)

Yahoo!Japanの創業が1996年である。
検索エンジンはまさに誕生したばかりの段階で著しく未発達だった。
Webサイトはまったくバラバラに存在しており、必要な情報を探すのは困難だった。

せっかく作ったサイトに人を集めたくて、様々な努力をしたものである。
現在のように検索エンジンは発達しておらず、ソーシャルメディアも存在しない中で、どうやって人を集めたのか?

ここに今に通じる集客のヒントが隠れていると思うのだ。

当時のWebサイトではCGIといった仕組みもほとんどなく、掲示板すらまれであった。
だから、Webマスターへの連絡はメールが主な手段だった。

  1. ソーシャルメディアでの言及
  2. トラックバック
  3. ブログへのコメント
  4. メールもしくはメールフォームでの連絡

私の感覚では、Webマスターへの連絡手段としては、この順序で下に行くにしたがって重くなる感じだ。
言い換えれば

「いい加減にはできない」

という感じになる。
メールは重たい手段だ。
よほどの用件がなければ使わない。

当時はそれしかなかった。
その中においてメールを送るのは、よくよく考える必要があった。

自分のWebサイトをPRしたいというのが目的であった場合は、自分のPRだけをするわけには当然いかない。

  1. 自分が面白い・好き・趣味が合うと思うサイトを見つける
  2. 自分のサイトで紹介文を掲載しリンクを貼る
  3. 「自分のWebサイトで紹介させてもらいました」と書く
  4. 相手も自分のWebサイトに来訪して内容を読む
  5. 相手も気に入ってくれたら同じようにリンクしてくれる

こんなやり取りが当時一般的だったと思う。

非常に面倒だったのだ。
しかし、これには大きなメリットがあった。

メールのやり取りは、よいページをふるいわける素晴らしいフィルターの役割を果たしたのである。

しょうもない何の中身もないSEO目的みたいなページを作った場合には、リンクしてくれとお願いすることはできなかった。
また、それを顧みず図々しくリンクのお願いをしたとしても、リンクしてもらえる可能性はごく少なかったからである。
これはメールという重い連絡手段だったからこそ、フィルターは機能したと私は考えている。

実際に面白い・価値がある・共感するものにしかリンクはあまりされなかった。
個々のサイトの中にあるリンク集には確かな価値が存在したのである。

そして、非常に濃いWebマスター同士の交流を生み出した。
Webサイトを通じてお互いがお互いを理解しあう文化が生まれた。
今であればソーシャルメディアがこの役割を担っているのだが、Webサイトとメールしかなかったからだ。

相手にも読んでもらわねばならないため、誰もが面白い・役に立つコンテンツを作ろうと努力をした。
そして、ほかの人のコンテンツも読むように努めた。

検索エンジンによるコンテンツの選択が可能になる前のインターネットの文化はこんな感じだった。

今こそ元々の文化から学ぶべきだと思うのだ。

もし、ロボット型検索エンジンがなかったとしたらどうサイトを運営するか?
全文検索の存在によって我々が忘れてしまった原点がそこにある。

実は検索エンジンもこれを評価している。
検索エンジンがなかったとしても、ユーザーが訪問してくるであろうサイトはどれか?
を評価しているのだ。

そもそも、検索エンジンにとっては、

検索エンジン以外の諸条件しか評価の対象にし得ない

のである。
そして、検索エンジンそのものも「無」から生まれたわけではない。

検索エンジンが生まれるずっと以前からサイトは人間から評価されてきた。
人間が行うような価値の評価をもし機械が自動的に行うにはどうすればいいのか?

それを考え抜いた末に作り出したのが検索エンジンのアルゴリズムだ。

だから、検索エンジンがなかったとして、

  1. どんなコンテンツを作っているか?
  2. どんな品質のコンテンツを作っているか?
  3. どんなサイトからリンクされているか?
  4. どんなサイトにリンクしているか?
  5. どのようにリンクしているか?

を考えるべきなのだ。
検索エンジンがあるがゆえに、この考え方を忘れがちになってしまっているのだ。

検索エンジンは、検索エンジンがなかったとしても、評価されるサイトを評価するように作られている。

だから、いったんは検索エンジンの存在を忘れて、どうあるべきかを考えれば正しい答えを原則的には導けるはずなのである。

自分が有用・面白いと思うサイトの運営者を想定してこれが基準とする。
基準となる人を想定して、

  1. 興味ある・見てみたい思ってもらえるジャンル・内容
  2. 有用だ・面白いと思ってもらえる品質
  3. 基準となる人のサイトからリンクしてもらえているか
  4. 基準となるようなサイトにだけリンクしているか
  5. リンク先の紹介文に心がこもっているか

と考えれば、必然的にサイトのあり方はわかるはずだ。

言い換えてみると、自分が書きたいと思うジャンルにおいて素晴らしいと感じる、Webサイトのオーナーから紹介してもらえることを目標とすればよいのだ。
今でもこの原則は変わっていないと私は考えている。

パラダイムチェンジがあって、検索エンジンが使われなくなるという時代が来たとしても普遍的に通用する考え方である。

検索エンジンのアルゴリズムの変化というレベルではなく、検索エンジンそのもの自体にとらわれない不変の営為、それが真のSEOだと私は確信している。

Webサイトの利便性を高めるためにSEOの知識は必要である


SEOは特別なWebの技術であると一般には考えられている。

様々なWebに関連する職種の人と話をする機会がある。

Webデザイナー・コーダー・プログラマー・リスティング担当・ディレクターといった職種の人々だ。
これらの人々はすべてSEOの知識があっても不思議ではないし、むしろSEOを知っているべきである。
しかし、みんなSEOを知らないか、知っていると言いつつ時代遅れの知識だったり生半可な知識しかない。
(たまに詳しいなあって感心することがあるのは、アフィリエイターと、インハウスSEOの担当者)

一番残念だと感じるのは、

「今までさんざんSEOをやってきた。金ばっかり使って結果は出なかった。SEOなんか無駄だ。」

という考えを持っている人が多いことだ。
これほど間違った考え方はない。

どこが間違っているか?

全部である

この文脈で語られるSEOとは、SEO業者によるSEO施策のことである。
金ばかり使うということがその証拠だ。

  1. SEOをやってきた
    被リンクによる検索順位上昇施策はSEOではない。
    SEOは「検索エンジン最適化」であるが、被リンクによって検索順位を操作することは最適化のむしろ逆である。
  2. 金ばっかり使った
    本来SEOは金を使うものではなく手間をかけるものである。
  3. SEOは無駄だ
    SEOは正しく取り組めば必ず成果を出せるものだ。

真のSEOを知らずに、SEOを否定しているのが残念なのだ。

では真のSEOとは何か

検索エンジンとは何を目標として存在しているのか?
それを考えれば自ずと答えは出る。

「検索エンジンはユーザーの利用目的のために存在している」

つまり、ユーザーの利便性を高めるようにサイトを作ればいいのだ。
ユーザーが検索をするということは「何か」について

知りたいこと・欲しいもの

があるから行うのだ。
その「何か」があるページを見つけるために行うのだ。

検索エンジンはその「何か」の意図を理解して(アルゴリズムで行っている以上、限界はあるが)、できる限り適切なページを検索上位に表示させようとする。

だから、検索上位に表示させるためにすべきことは明らかである。

ユーザーの利便性の高いサイトを作ることである

そして、利便性について人間ではないGoogleが判断しているということに留意しなくてはならない。

人間とは違う方法で利便性を判断している。
だから、SEOはGoogleだけをだませばいいという発想も出てくるのだが、これもまた間違っている。

SEOの知識はGoogleの判断基準を知ることだといってよい。
Googleの判断基準は、ユーザーの利便性をどうとらえるべきか?という問題に対して明快な解答を与えてくれる。

Googleはこれまで多大な労力を費やして、いいサイトとは何かを客観的に評価するため(機械が評価するので)の指標を考え続けてきた。
これを知ることはSEOという閉じた技術ではなく、普遍的に良いWebサイトを作るために有益なのだ。

Googleはガイドラインとして「良質なサイトを作るためのアドバイス」を公開している。
いろいろなところで引用されているので今さらなのだが、これを引用してみよう。

  • あなたはこの記事に書かれている情報を信頼するか?
  • この記事は専門家またはトピックについて熟知している人物が書いたものか? それとも素人によるものか?
  • サイト内に同一または類似のトピックについて、キーワードがわずかに異なるだけの類似の記事や完全に重複する記事が存在しないか?
  • あなたはこのサイトにクレジット カード情報を安心して提供できるか?
  • この記事にスペルミス、文法ミス、事実に関する誤りはないか?
  • このサイトで取り扱われているトピックは、ユーザーの興味に基いて選択されたものか?それとも検索エンジンのランキング上位表示を目的として選択されたものか?
  • この記事は独自のコンテンツや情報、レポート、研究、分析などを提供しているか?
  • 同じ検索結果で表示される他のページと比較して、はっきりした価値を持っているか?
  • コンテンツはきちんと品質管理されているか?
  • この記事は物事の両面をとらえているか?
  • このサイトは、そのトピックに関して第一人者(オーソリティ)として認識されているか?
  • 中略

  • 健康についての検索に関し、あなたはこのサイトの情報を信頼できるか?
  • サイトの名前を聞いたときに、信頼できるソースだと認識できるか?
  • 記事が取り上げているトピックについて、しっかりと全体像がわかる説明がなされているか?
  • 記事が、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
  • ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
  • 記事のメインコンテンツを邪魔するほど、過剰な量の広告がないか?
  • 記事が雑誌、百科事典、書籍で読めるようなクオリティか?
  • 記事が短い、内容が薄い、または役立つ具体的な内容がない、といったものではないか?
  • ページの細部まで十分な配慮と注意が払われているか?
  • このサイトのページを見たユーザーが不満を言うか?

Googleはこのような観点からWebサイトの良否を考えており、これをアルゴリズムで自動的に判断出来るように進化してきている。
この観点を知り、かつアルゴリズムを知ることでユーザーにとって良いサイトはどのようなものかを知るために有用だ。

SEOを知ることによって、これまで見落としてきたユーザーの利便性の観点を知ることができる。

例えば、

  • 共起語(あるキーワードについて語られるページについて、特徴的に出現するキーワード。例えば、タラバガニであれば「海産物」とか「甲殻類」といったキーワード)が含まれるページを作るべき。日常語で言い換えれば上位表示させたいキーワードについて、専門的に詳しく書けということになる。
  • 内容が重複するページは極力減らすべき。
  • 起点となるページから関連する情報にスムーズにアクセスできるようにする。
  • ユーザーが現在いる場所がわからなくなったりしないようにナビゲーションを適切に設定する。
  • ページのファーストビュー内の多くを広告が占めないように気を付ける。

といった、ユーザーに対する利便性のアドバイスとなるのがSEOの知識でもある。
ある意味、良いWebサイトを作るためののベストプラクティスともいうべきものだ。

だから、Webにかかわる職種の人はSEOを勉強すべきなのだ。

SEOのサービスの種類と導入の判断について


SEO業者の提供するサービスは最近は多岐にわたっている。

被リンクによるSEOサービスしかこれまではなかったといってよい。

順位保証型SEOサービス
月額固定の被リンクサービス

が代表的なものだった。
しかし、被リンクによるSEOが難しくなっているため、これらのサービスは成立しにくくなってきたのだ。

「SEO」というキーワードで検索した際にSEO業者のサイトが以前は上位に表示されていたが、現在はほとんどされていない。
以前は、「SEO」というキーワードで上位表示することがSEO業者にとってのステータスであり、実力の証明であった。

その種のSEO業者は、

ビッグキーワード「SEO」で上位表示の実力

といったうたい文句で優位性をアピールしたものだ。

「SEO」ってキーワードで上位表示できていない会社にSEOを任せていいんですか?

といったセールストークもあった。しかし、最近はめっきり見かけなくなった。
SEO業者が持っているノウハウを総動員してキーワードを狙っても、安定的に上位に表示させることはほぼ不可能になったということなのだ。
この意味では、人為的施策によるSEOは死んだと言える。

といったわけで、SEO業者にとって被リンクによる順位上げ以外にどのようなサービスを提供するか?
ここが生き残りの最重要課題となってきたわけだ。

私の知っている範囲でSEOに関連してこのようなサービスが展開されている。
※リスティング運用、アフィリエイトなどのSEO以外のサービスは除いた。

他にもいろいろあるかもしれない。もし面白いサービスをご存じであれば、コメント、Google+で教えていただけると幸甚である。
(なんだか偏っていますね・・・)

  1. ディレクトリ登録代行
    Yahoo!ビジネスエクスプレス・クロスレコメンド・Jエントリーといった有名ディレクトリサービスに登録を行ってくれるサービスである。
    これ自体は昔からあるものだが、被リンクの効果を前面にうたっているサービスは危険性があるかもしれないので要注意だ。
  2. SEO診断
    Webサイトの内部・外部要因について、SEOの観点から問題点を洗い出しレポーティングするサービス。
    以前からこのサービスは成果報酬型SEOにおいても提供されていたが、あくまで付加価値としての位置づけであることが多かった。
    これをメインのサービスとしたものである。
  3. 警告解除支援サービス
    Googleからのスパム警告の原因を特定し排除するためのコンサルティングや、不自然リンクを実際に削除するといったサービス。
    ある程度以上のSEOのスキルがある人が、数千件ものリンクを目視ですべて精査し削除申請しなければならない。
    特に不自然リンクの削除は近年ニーズが急上昇しているものの、これをやっている業者は多くはなく安いサービスではない。
  4. リンクベイトコンテンツ作成
    ナチュラルリンクを得るために、話題になるコンテンツを作成するサービス。
    美しいインフォグラフィックを作ったり、マンガや小説といったコンテンツを提供するケースもある。
    SEO業者ではないが、バーグハンバーグバーグはある意味最強のSEOサービスを提供しているんじゃないか?と私は思っているが、同意できる人も多いのではないか。
  5. アクセス保証型SEOサービス
    今までの順位保証型は検索順位を保証しているだけであって、検索順位が上がったから売上が上がるとは限らない。
    それに比べると、サイトへのアクセスによって料金が発生するこのアクセス保証型SEOは、順位保証型より収益につながる可能性が高いと考えられる。
    アクセスを集める方法としては、
    外部にPRサイトを作りそこからリンクを貼り、被リンクによる順位アップと実際の集客を狙う方法。
    主にロングテールSEOの手法による、内部強化といった方法がある。
    ビジネスモデルとしてはリスティングにやや近いかもしれない。
  6. コンバージョン保証型SEOサービス
    実際に問い合わせや購入といったコンバージョンの数に応じて、成果報酬が発生するSEOサービスだ。
    唯一、真の意味での成果報酬型のSEOサービスであると言えよう。
    検索エンジンからの集客に始まりコンバージョンに至る全ての経路において、障害要因があるとコンバージョンは著しく少なくなる(SEOは総力戦の時代だ参照のこと)。そのため、顧客のビジネスに深く入り込み、パートナーとして努力することが求められる難しいビジネス形態である。
    このビジネスをメニューとして提供するSEO業者はたいへん少ない。
    しかし、顧客のサイトの作りがよく集客できさえすればコンバージョンが充分望めるといった場合は、PRサイトを作りそこから集客するだけで目標を達成するため容易に受けてくれることもあり得る。この場合は、アフィリエイト広告に非常によく似た販促手法と言えよう。
  7. MEO
    Map Engine Optimization(マップ・エンジン・オプティマイゼーション)の略。
    ローカルSEOというのが正しいのだろうが、SEO業者が提供するサービス名としては圧倒的にMEOという呼称が使われているようだ。
    その証拠に、

    intitle:ローカルSEO では671件
    intitle:MEO では(日本語のページに限定して)22,000件

    である。
    それはともかくこのサービスが何かというと、Googleで検索したときに、ページ上部に表示されるマップ内に自店舗やサービスを表示させるサービスだ。
    比較的小さい金額で可能なサービスであるが、登録するだけで表示されることもあるためまずは自分でやってみることをお勧めする。

  8. ASO
    App Store Optimization(アプリ・ストア・オプティマイゼーション)の略。
    「App Store」「Google Play」でのアプリの表示順位を上昇させる施策である。
    近年アプリの開発費は非常に高騰しているため、注目されるビジネスになってきている。
  9. 逆SEO
    自社の社名やブランド名で検索したときに、良くない評判が書かれているページの検索順位を下げて目立たなくするサービスだ。通常のSEOであれば、一つのページの順位を上げればそれで終わりである。しかし逆SEOは一つのページの順位を下げるために、下げようとするページよりも下のページの順位を上げようとする。
    検索順位2位のページを下げようとした場合には、最低9つのページの順位を上げて2位のページよりも上に押し上げなといけない。

    前からあるサービスであるが、提供している業者はそれほど多くはない。
    それは二つの理由がある。

    一つは、普通のSEOよりも検索順位の操作の割合が大きいため、著しくユーザーの利便性を損なうという批判を浴びたためだ。この批判によって逆SEOを社業としてやらなくなったSEO業者はある(今でも裏メニューとしてやっているかも知れないが・・)。

    もう一つは、たとえスモールキーワードであっても、検索上位を独占してしまうことはQDDに強く逆らうため非常に難しいからだ。最も検索エンジンが嫌がることだと言っていいかもしれない。言い換えればやりたくても難しいからやれないっていう話である。


選択肢が増えることは顧客にとっても望ましいことであるが、2つ考えるべきことがあると私は思うのだ。

1.対価

サービスには必ず対価がある。

業者としてサービスを提供する以上は、利潤を出す必要がある。
もし、正社員が1日かかるのであれば、それに要する人件費は少なくとも2万円ぐらいにはなるだろう。

会社としてサービスを提供するのであれば、人件費の3倍程度はもらわないと適正な利潤が出ない。

言い換えてみよう。
実際の作業原価は3分の1以下だと言っていいということだ。

私は価格が高いサービスよりも、むしろ価格が安いサービスについてより警戒せねばならないと思っている。
月間3万円で提供されるサービスは、作業原価として1万円ぐらい、またしても言い換えると、3時間程度で終わってしまう作業であるということだ。

この程度で何ができるのか?

あなたの会社に置き換えてみて、3時間程度の作業で顧客にどんな価値を提供できるか?
その程度の作業でできることというのは、よほどのノウハウが必要な仕事でもない限り大したことはないはずだ。

それをさもありがたいことであるかのようにうたって提供しているサービスは、ちょっと疑ったほうがいいかもしれないと思うのである。

逆に高い場合は、当然のことながらそこから得られるであろう費用対効果について厳しく吟味せねばならない。

2.他の手法との比較

これらのサービスはSEOでなくても、ほかに代替の手段があるものばかりだ。
それらとの様々な角度から比較検討しなくてはならない。

他の手段の方がよければそれを採用すべきだし、あるいは予算配分を決めて併用するという方法もある。

ユーザー側にも評価する確かな目が必要になるのだ。
選択肢が増えるということは難しくなるということでもあることに留意しなければならない。

SEOは総力戦の時代だ


最近はSEOという技術領域を定義することが難しくなってきていると思う。

以前はSEOとは人工リンクの作成と若干の内部修正とほぼ同義だった。
特に重要だったのが安価に、大量に、見破られないリンクを作るノウハウ。
それがSEOだったと言っても言い過ぎではない。リンク作成という特定のスキルに特化した一種の職人芸だった。

しかし、この方法は過去のものになったといってよい。
以前であれば、強引なリンクビルディングによってビッグキーワードで無理やり上位表示させれば、他の要因が悪くてもコンバージョンは取れたのだ。

しかし、人工リンクによって検索順位を上げることが難しくなった現在、
自然検索から見込み客を集め、コンバージョン数を最大化させることがSEOの目的であるが、
検索エンジンのアルゴリズムの知識だけでは達成することが無理になったのである。

SEOのスキルセット/あるいはSEO業界へのお誘いという辻正浩氏のブログの記事の図を引用してみたい。


SEOのスキルセット
これを見ると実に必要だとされるスキルが多岐にわたっていることがわかる。

この図を見て、

いくらなんでもこれは多過ぎじゃない?

と思う人も多いだろう。
しかし、これは誇張でもなんでもない。

様々なスキルを持った上で、状況に応じて必要な手法を組み合わせて使い分けることが必要なのだ。
検索エンジンからのコンバージョンはどのようにしてなされるかを考えてみるとよくわかる。

検索エンジンからのコンバージョンを簡単にモデル化するとこうなる。

コンバージョン数 = 検索エンジンからの集客数 
            × コンバージョン率

検索エンジンからの集客数は更に分解が可能だ。

検索エンジンからの集客数 = 
      検索エンジンからのサイト全体の評価 × 
      検索結果への露出経路数 ×
      検索結果表示時のCTR(クリック率)

つまりSEOを成功させるためには、

  1. 検索エンジンからのサイト全体の評価
  2. 検索結果への露出経路数
  3. 検索結果表示時のCTR
  4. コンバージョン率

この4つをそれぞれ高めなければならない。
これらは足し算ではなく、掛け算の関係にあるため、どこか1か所でも低い箇所があると充分なコンバージョンを得ることができない。

一番大切なことは、最も低い箇所、つまりボトルネックを発見してこれをつぶすことなのだ。
ボトルネックになっている箇所を発見する知識と、ボトルネック箇所を改善する技術を持たなければならない。
だから、広範囲な知識と技術が必要になるのだ。

辻氏のSEOのスキルセットに準じて具体的に書いてみることにする。

  1. 検索エンジンからの自サイトの評価を高める
    ●バズマーケティング・ソーシャルメディア対応
     ナチュラルリンクを取るために最重要な仕掛けだ。
    ●テキストライティング・コンテンツ制作・映像
     そのそもリンクされるコンテンツを作ることが前提。
    ●その他マーケティング
     オフラインからの戦略も重要。
    ●IA・情報分類
     検索エンジンから評価されるためにIAへの配慮が非常に重要
    ●スマートフォンやタブレットといったデバイスの知識
     デバイス別の正規化などの知識がSEOには重要。
    ●HTML/CSS
     検索エンジンに高く評価されるサイトを作るため必要
  2. 検索結果に自サイトのページを露出させる
    ●『検索エンジン』の知識
     ここがいわゆる今までのSEOの知識とされている部分。
    ●キーワードマーケティング
     検索エンジンへの露出を増やすために必須。
  3. 検索結果表示時のCTR
    ●テキストライティング
     検索結果からのCTRに大きく影響する。
    ●リスティング広告
     SEOと補完関係にある。またSEOの予備調査などにも有効。
    ●セマンティックウェブ
     リッチスニペット表示やレシピ検索などの検索への対応。
  4. コンバージョン率
    ●UX・ユーザービリティ・Webデザイン
     PV・再訪率・コンバージョン率を伸ばすため必須。
    ●LPO
     コンバージョン率を伸ばす技術。

あとは、このプロセス内に入らないが全体にかかわる重要な技術がある。

●Webプログラミング
 HTMLのみならずプログラミングの知識はほぼ必須。
●セキュリティ
 クラッキングされると来訪者が激減する。
●サーバ
 レスポンスは検索順位に影響を及ぼす。
 また正規化やURL振り分けにも知識が必要。

そして重要なこと、

●アクセス解析・データマイニング
 全体のボトルネックを把握するための重要なスキル。
 辻氏はアクセス解析を最重要スキルだとしている。
 データマイニングは大規模サイトになると重要だ。
●営業
 最重要スキルかも知れない。
 Webサイトの成功のためには、社内外の人の協力が必須。
 それを取り付けるための技術だ。

※NLPだけはなんのことかわかりませんでした。
 自然言語処理(Natural Language Processing)の略でしょうか・・・
 それであれば『検索エンジン』の知識の一分野として包含されるものだと思われる。

これらのスキルを全て持っているのが理想であり、弱い分野はすなわちそのSEOコンサルタント、あるいはそのSEO業者の弱点となる。

しかし、実際のところ一人のSEOコンサルタントがスキルをすべて網羅するのは無理だ。
『検索エンジン』の知識は当然持っていなければならないのだが、その他の技術をいかに身に着けて、どれほど深く掘り下げることができるか?
そこがこれからのSEOコンサルタントの価値になってくるだろう。

SEOコンサルタントになる前の出自、あるいは他に得意な分野が重要になってくると思うのだ。

デザイナーであれば、
Webデザイン・HTML/CSS・UX・ユーザービリティ・アクセシビリティ・LPOについて深い洞察と技能を持ちそれを強みとする。

SEであれば、
Webプログラミング・セマンティックウェブ・セキュリティ・各デバイスの知識・アクセス解析・データマイニングを得意とする。

といったようにプラスアルファの強みを持つことが、これからのSEOコンサルタントとしての生きていくポジショニングだと思う。
その上でできる限り他の分野についても、自分ではできなくてもどんな解決策があるかだけは知っておく必要がある

コンサルタントはクライアントの課題を、できる限り最短距離で解決する知識が求められる。
そのためには自分の得意分野だけでなく、幅広く知識を得て、

「自分はできないけど、こういう解決策がありそれは○○さんに頼めばやってもらえる」

ということを知っている必要があろう。

これからのSEOは総力戦であり、局地的な強みだけでは勝利を得ることはできない。

自分の強みと弱みを知り、強みを最大限に生かすことがコンサルタントの個性で付加価値だ。
弱みについては外部から味方を得て、全局面において勝てるようにならなければならないと考えるわけである。

キーワードツールは万能ではない


今回のテーマは、

キーワードツールは万能ではない

ということについて語ってみたいと思う。
キーワードツールは

この二つがなんといっても最重要なツールである。
検索エンジンからの公式の数値が得られるのはこの二つだけあり、リスティング広告の運用といったお金がからむ部分もあり信ぴょう性は高い。
ウェブマスターツールの検索クエリと、キーワードツールの検索数を見比べると、数値が近いことが多くかなり信用できると私は考えている。

キーワードツールを使ってどのキーワードを狙うべきか考える人は多いだろう。

これは基本的には間違いではないが、万能ではない。

理由は大きく二つある。

1.書くべきキーワードはキーワードツールから直接発見できない

これが最も重要な理由だ。
例えば、当ブログはSEOに関するブログなのだがアクセスを稼いでいるキーワードは何かというと、

当ブログの集客上位キーワード

こんな感じである。
私は2つ重要なことが読み取れると思う。

  • 意外なキーワードでアクセスが取れるブログの書き方:170クリック/月
    ブログ 書き方:90クリック/月
    ブログ 書き方:70クリック/月
    面白いブログの書き方:60クリック/月

    といったようにこれらを合計すると390クリック/月を稼いでいる。
    この数字はだいたいこのブログ全体の1日分のアクセスに相当するが、それはこの記事のためだ。

    誰でもちょっと人気になれるブログの書き方8つの方法

    実は、SEO Imagination!を運営している伊藤氏から

    「”ブログ 書き方”ってキーワードはアクセス結構取れるんですよ」

    って聞いたのでそれなら書いてみようと思って書いたのがこの記事だ。
    実際にかなりアクセスが取れて驚いた次第である。

    「SEO」という枠組みで考えていたら、いくらキーワードツールをいじくり倒しても、こんなキーワードには絶対に出会わない。
    キーワードツールはアクセスが取れるキーワードを教えてくれる魔法のツールではないということだ。

  • 意外にアクセスが取れないキーワードがある
    ウェブマスターツール:250クリック/月
    は検索数と順位の割にはアクセスが取れていない。この理由は、

    「ウェブマスターツール」というキーワードで検索するユーザーのニーズは、
    「ウェブマスターツール」にログインしたいというニーズがほとんどだということだ。

    現在は5位に表示されているのだが、もし仮に2位まで上がったとしても、劇的に多くのアクセス増は期待できないと思う。

    キーワードツールでの検索数が多かったとしても、それを鵜呑みにするのではなくユーザーの検索意図を読み取る必要があるのだ。

2.検索数の多いキーワードを全てコンテンツ化することには無理が伴う

ロングテールSEOを実行するために、数百記事作ろうとする。
数百記事とはとても多いように感じられるかもしれないが、決してそんなことはない。

シフィカス氏は「アフィリエイト野郎」の中で、アフィリエイト収入のために作るサイトは1000ページ弱程度作っていると述べていた。

個人でも真面目にサイトを作るとその程度のボリュームになるのだ。

さて、これほど多くの記事を作るために、キーワードツールに表示されるキーワードをもとにしてタイトルをつけるとどうなるか?

類義語が数多くピックアップされたりして、非常に偏ったものになる。

例えば、タラバガニのレシピを扱うサイトを作ったとする。
その場合に、

「タラバガニ レシピ」
「たらば蟹 食べ方」
「タラバガニ 食べ方」
「タラバガニ ご馳走 レシピ」
「タラバがに 献立 ご馳走」
「レシピ タラバ 材料」 

といったような似たようなキーワードが多数ピックアップされる。
リスティングであれば、これらすべてのキーワードに網を張っておくのは当然やるべきことである。

しかし、SEOで同じことをやるのはかなり無理がある。
これらを工夫して、不自然ではないタイトルを作るように努力するのは悪くはないのだが、これらのキーワードがタイトルに入った記事が並んでいたら違和感があるだろう。

表記が揺れているし、ほとんど同じ意味なのに違うキーワードが並ぶのはかなりカッコ悪い。

このようにキーワードツールから導かれるキーワードだけを使って、コンテンツを企画するのはサイトのブランドイメージを著しくおとしめる原因になるのだ。

といったわけで、キーワードツールだけではキーワードの選定や、コンテンツ企画ができるわけではないということがお分かりいただけたかと思う。
では、キーワードの選定やコンテンツ企画はどうすればいいのか?

簡単にできる魔法のツールはない

これが結論だ。
そんなものがあったら誰もが苦労しないし、もしそんなものがあったとしても誰もが使えれば同じキーワードに多くの人が殺到するだろう。

結局は知恵を絞ってキーワードは探さねばならないのである。

SEOはいつ死ぬのか?


「SEOは死んだ」

と言われて久しい。
調べてみたところ、この表現が初めて日本語のWebサイトに登場したのはでは2008年らしい。
らしいというのは、Google検索の期間指定で調査しただけのデータだからだ。

最初にこの表現が使われたきっかけは、2007年にパーソナライズド検索が導入だったようだ。
順位が絶対のものでなくなったということから、こんな表現が使われたらしい。

興味があったので、このキーワードを含む

  • 日本語のWebページ
    “SEOは死んだ” -site:web-tan.forum.impressrd.jp
    “SEOは終わった” -”SEO japan “
  • 英語圏のWebページ
    “seo is dead”

と検索してみたのが下の表である。
※2013年に関しては6月8日現在まで
(Web担当者フォーラムとSEO Japanは関連記事として最近の記事のタイトルが、ページの下に表示されるため除外した)

「SEOは死んだ」「SEOは終わった」「seo is dead」の1999年から2013年までのページ数の推移

これを調べてみて実感したことが二つあった。

  • 日本はITのトレンドがアメリカに比べて数年遅れる、といった現象があるらしいがこんなところからも伺える。
    グローバル化と言われ続けているが、やっぱり日本は遅いようだ。
  • 英語圏ではSEO is Deadということが盛んに言われ始めたのは2008年であって、それからずっとずっとずーーーっと言われ続けていることがわかる。
    アルゴリズム変更があるたびに、

    「ああ、もうだめだぁ、SEOはもう終わりだぁ。」

    と騒ぐ人がいるってことだ。
    結局SEOは終わらなくて、そんな騒ぎが繰り返されながら今日に至っているわけである。

後者について思うことが今回のテーマだ。

渡辺隆弘氏は「Googleの検索ランキングアルゴリズムは本当にブラックボックスなのか」の中で、

「同じ歴史が繰り返されている」ことがよくわかるようになり、事細かなスパムフィルタリングやリンク評価の変化関係の話が「くだらない」と思えるようになるはずです

と書いているが、まさしくそんな感じだ。

私としてはアルゴリズム変更って結構どうでもよくって「ああ、またあったのね」って思うぐらいのことだ。

ご覧のとおりなかなかスパムはなくならないし・・・、ソーシャルメディアの隆盛があっても、SEOの重要性はほとんど揺らいでいないし・・・、
というわけでSEOはしばらく死なないように感じていた。

妻とこのことで話をしたことがあって、

「で、結局SEOって仕事って一生食っていけるの?」

と聞かれたのだ。
その時、ちょっと真剣に考えてみたのだ。

そうしたら答えに困ってしまって、

「まあ、当面は食えるんだろうけど、10年後、5年後とかはわからないね」

って答えたのである。

ほとんどの産業は生まれて、盛んになって、斜陽になって、やがて死ぬ。

昭和の初期の頃は石炭産業が隆盛を極めていた。
石炭は当時黒ダイヤなどとも呼ばれ、産業の基幹を支える決定的に重要な鉱物であった。
まさに花形産業だったのだ。
しかし、エネルギー革命によって石油にとってかわられ石炭産業は急速に衰退した。

SEOもこれと同じだと思うのである。
特にITは移り変わりの早い産業だ。
ある日突然とまでは言わないにしても、ごく短期間で今までメジャーであったサービスが廃れることがある。

モノであれば、今までの設備を廃棄してすぐに買い替えることはできないため、新しい技術に刷新されるまである程度時間を要する。
しかし、ITのサービスは切り替えコストがかからないので、ごく短期間に刷新が行われる。

SEOは検索エンジンというWebサービスが存在するから、存在するWebの販促手法である。
検索エンジンがなくなってしまう、あるいはキーワード検索という手法がなくなったらSEOは消滅してしまう。

ではそれはいつなのだろう?

その日は近いのではないか?というような気がしている。

どのようなサービスがSEOを消滅させるのだろうか。

私はこんなことを思っているのだ。

  1. amazon.comによる小売業の寡占化
    まあ、楽天でもいいのだが、特定のショッピングサイトが巨大化し他のECサイトを駆逐したらサイト内検索だけでよいことになる。
    これは夢物語でもなんでもない。
    amazon.comの利便性、価格は他の小売業を大きく圧倒している。

    家電量販店は価格競争力の強さで個人経営の電気店をぼぼ駆逐してしまった。

    安売りができる理由は仕入れの量による。
    amazon.comは急速に売上を伸ばしており、2012年の日本国内の売上は前年比18.6%増の78億ドルにも達している。

    家電量販店は現在amazon.comからの挑戦を受ける守勢の立場に回りつつある。

    「ショールーミング」という言葉がある。
    ネット通販で買うことを前提に、店には商品の実物を見るためだけに来店する現象だ。店は店ではなく、ショールームとなりつつある。

    amazonアプリには、商品のバーコードを読み込ませると、即座に同じ商品の価格を表示させる機能がある。これこそまさにショールーミングの最たるものだ。

    ショールーミングによってリアル店舗が消滅すると、ますますamazonは売上を増やし、さらに価格競争力を増す。
    一般の小売店舗が通販で生き残れる場所は著しく狭まる。

    日用品までインターネットで買う時代になってきている。
    小売店舗が消滅する日はあんがい早く来るかもしれない。
    5年後とかには一般の小売店がほとんどなくなり、ECのショップの販促手法としてのSEOは無意味になっている可能性もある。

  2. セマンティック技術の進化

    セマンティック技術とは、単に文字としてのキーワードではなく、意味に基づいて分類整理する技術のことだ。
    Googleは現在セマンティック検索を急速に推し進めている。
    ショッピングやレシピといった特定の分野では既に実用化されている。

    レシピ検索ではカロリー数とか、必要な材料などで絞り込むことができるし、
    ショッピングでは商品カテゴリ、メーカー、商品名、価格などで絞り込むことができる。

    様々な分野においてセマンティック技術が進展していくと、必要とする情報を、キーワードで検索して、ヒットした文章を読むという回りくどいことをしなくても済むようになる。
    マウスやタッチといったよりユーザーフレンドリーなインターフェースだけで、必要とする情報に直接たどり着けるようになる。

    現在は定型化できない情報であっても、様々な視点から分類整理が進む可能性がある。

    SFじみているのだが小説であれば、

    ストーリーを覆う雰囲気を色で例えたり、
    主人公と現在の自分のリアルに置かれている立場との距離を3次元的にグラフィカルに示したり、
    (現代のサラリーマンを主人公にした小説であれば非常に近く、江戸時代の下級武士であれば年代はやや遠く立場は近いとか、スペースオペラに出てくる英雄はとても遠いとか・・・)
    登場人物の抱く葛藤の種類を分析して、読者の感情とマッチングさせたり、
    などなど・・・

    こんなことは技術の進展があれば近い将来できそうな気がする。

  3. 文脈解析の進化

    Google音声検索といった技術は文脈解析技術によっている。
    答えを返すのは、答えが含まれているであろうページを返すのではなく答えそのものを返す。
    Google Glassの開発によってこの技術は重要度を大きく増した状況にある。
    Googleがこれに注力することで、一足飛びに進化するかも知れない。

この3つのうちいずれかが現実になったら、SEOは死ぬかも知れない。

過去の歴史を振り返ってみると、花形産業に従事している人はその産業が没落するなどとほとんど考えていなかった。
繊維工業しかり、石炭産業しかり、造船、鉄鋼・・・。

産業はすべからく没落するのだ。

SEOも没落する。
ブラックハットSEOだけではなく、ホワイトハットも含めて全てだ。
そうして、SEOは上記の産業とも異なり消滅してしまうはずだ。

その日はもうそこに来ているかも知れない。

titleタグのつけ方の戦略


今回のテーマは非常に重要である。
SEOを実施する上において最大のポイントの一つと言える。
なんで今まで書いてこなかったのだろう・・・。

というわけで今回のテーマは、

titleタグの設定方法

である。
まず、その前にtitleタグがなぜ重要なのかを書いておく。

titleタグは検索エンジンから見たときに最も評価が高いポイントである。
そうして、検索結果に太い文字で表示される。

本でいえばtitleは本のタイトルに相当する。

図書館や書店で本を探す時に、いちいち本を開いて内容を確認する人はいないはずだ。
まずは背表紙に書かれたタイトルをざっと見て絞り込んで、絞り込まれた候補だけを手に取って中身を確認するはずである。

本のタイトルは重要で、内容にいくらいいことが書いてあっても、的外れであったり、興味をひかれなかったりすると候補にあがってこないわけだ。

たとえばあなたが

料理が得意な主婦だとして、
タラバガニが好きなお客をもてなすために、
タラバガニのレシピ本を探している。

として、どの本を手に取るだろうか?
クックパッドを見たほうがいいじゃんという突っ込みはなしということで・・・。ちなみに私自身はクックパッドが大好きで毎週末お世話になっている。とてもありがたい・・・。)

  1. 初めて作る簡単レシピ100選
  2. 今日のおかず100選
  3. お客をもてなす豪華料理100選
  4. 海の幸で作るゴチソウ100選
  5. 豪華カニ料理厳選100選
  6. 豪華タラバガニ料理厳選100選

下に行けば行くほど、ニーズに近くなっていることがわかると思う。
この場合の観点は3つだ。

  • 誰が作るのか?
  • 何のために作るのか?
  • 食材は何を使うのか?

この3つの観点において、自分のニーズに合うか合わないかを判断しているのである。
ニーズが絞り込まれており、かつ、ニーズに合致するタイトルが望ましいのだ。

この場合であれば、ある程度料理はできる人向けで、ご馳走を作るためで、タラバガニを使う料理といったこの3つの条件を満たすか否かを判断できることが重要である。

さて、検索エンジンの話に戻ろう。

検索結果の中に表示されるページの中のどれをクリックすると自分の求める情報があるか?
それを判断する基準は検索結果に表示される文字しかない。

titleタグは検索結果に表示され、かつ太字で表示される。だから最重要のポイントであるわけなのだ。

いくらコンテンツ自体の内容がよかったとしても、

読者ターゲット・コンテンツを読んでえられるメリットがあいまいであったり、
内容とずれていたりしたら、

本来ページを読んでほしいと想定しているユーザーを集めることはできない。
だから、読んでほしい人を想定してtitleタグは吟味しなくてはならない。

そうして、もう一つ重要な観点がある。

titleタグは検索順位に決定的に大きな影響を与える

ことである。
どの本を手に取るかという例を挙げたが、検索エンジンも同じような判断をしている。
検索キーワードが含まれているtitleタグをつける必要がある。

いくらタラバガニのいいレシピが載っているコンテンツであったとしても、titleに「タラバガニ」「レシピ」という二つのキーワードが入っていない限り、「タラバガニ レシピ」という検索キーワードで検索上位に上がってくることはほぼない。
Googleはtitleタグだけではなくて、内容も判断して順位付けを行っている。
しかし、現状のGoogleのコンテンツの解析能力ではtitle内に検索キーワードがない場合に、検索順位が上がってくることはまずないのだ。

そして、ページへユーザーを集めたいと思うのであれば、キーワードが検索される回数を意識しなくてはならない。

いくら検索上位に表示されたとしても、めったに検索されないキーワードであったとすれば、検索結果に露出しないのだ。
できる限り検索されうるキーワードを用いる必要がある。検索に用いられる代表的なキーワードがわからなければキーワードツールを用いることで、検索数の目安を調べることができる。

Yahoo!とGoogleは検索エンジンそのものは同一だが、検索傾向は全く異なる。
下の表を見ると、検索数が異なることがよくわかるだろう。両方を調査する必要がある。。

マッチタイプは「完全一致」にしないと正確ではないので注意。
この違いは、キーワードのマッチタイプをご覧いただきたい。

「タラバガニ」は主に4つの表記で書かれるケースがある。

タラバガニの表記別の検索数

これで見ると、表記によって全く検索数が異なることがわかるだろう。

そして、もう一つ重要なことがある。
「検索結果同一」と書いてある欄だ。
「タラバガニ」と「たらばがに」の二つのキーワードは、どちらで検索しても検索結果が同じになる。

「たらばがに」と検索すると、

ひらがなでたらばがにと検索した場合でも、カタカナで検索した場合と同じになる

このように「タラバガニ」と検索した検索結果と同じになるのである。
Googleはこの二つのキーワードが同一であると認識しているわけだ。

しかし、「たらば蟹」「タラバ蟹」この二つは同一であると認識されておらず、違う検索結果になる。

ここから言えることは、「たらばがに」をターゲットにすると、

もしかして: タラバガニ

が表示されてしまい、検索結果に表示されにくくなるケースが出てくるかも知れない。
まあ、そこまで気を使う必要はないのかもしれないが、なるべく一般的な表記にしたほうが無難だということである。

最後の観点として競合について触れておこう。
昔はSEOにおいてKEI(Keyword Effectiveness Index:キーワード有効性指標)という言葉がよく登場した。

KEI = 検索回数の 2乗 ÷ 検索結果数

算出式はこうである。
キーワードの有効性は、検索数(有用度)だけではなく競合との兼ね合いで考えるべきものである、という考え方は確かに正しい。
いくら有用度が高くても、競合が多ければ上位表示できないからそのキーワードは狙っても仕方がないということだ。

でもこの考え方には必ずしもとらわれる必要はない。

こう考えればいいと私は考えている。
まずは競合の状況をチェックする。そのために対象キーワードで検索をしてみる。
検索1ページ目に表示される競合サイトを見てどう思うか?

「これくらいのコンテンツなら書けるわ」

と思えば、真っ向勝負すればいい。
結局のところいくら競合が多数存在しようとも、最上位周辺に位置するページが弱ければ、上位表示は難しくない。
町内のオセロ大会だったら、いくら出場者が多くても入賞するのは難しくないだろうし、国別予選を勝ち上がってきた選手が集う世界大会というレベルだったら入賞は困難だ。それと一緒である。競合の数というのは目安にしかすぎないのだ。

検索上位に位置する競合を見て書けないと思えば、同じキーワードでの競争を回避したほうが無難かも知れない。

最後になるが、

検索キーワードは他のページとできる限りかぶらないようにすることも重要だ。
検索キーワードが同じだと、自サイトのページは検索結果に1ページしか表示されない。

極端な話、全ページtitleタグが同じだと、たとえ100ページあったとしても、一つの検索キーワードでしか表示されないこともありうる(まあありえないが)のである。


最後にtitleタグの設定方法をまとめておこう。
  1. 「誰にとって」「どのように役立つか」を明確にする
  2. titleタグ内に検索キーワードが含まれるようにする
  3. 検索キーワードは検索数を意識する
  4. 検索キーワードは競合の強さを見る必要がある
  5. 検索キーワードは他のページとかぶらないようにする

合わせて読んでおきたい参考記事も掲載しておこう


関連記事としてこちらも興味があればご覧いただきたい。

どこからスパムになるか


今回のテーマであるが、

どこからがスパムになるか

である。
SEO初心者からよく質問されることである。
その逆にSEOをやり過ぎてわけがわからなくなってしまったり、ペナルティを受けるという経験をした人からも同じような質問を受ける。

  • ページ内のキーワード比率がどれくらいになったらスパムになるか?
  • アンカー内のキーワードはどれだけバラエティを必要とするのか?
  • ページの類似度がどれくらいだと複製ページとみなされてしまうのか?
  • 文字数が何文字以上ないと評価されないのか?

といった質問だ。とてもよくありがちであり、答えもとても簡単だ。

「明確な基準はない」

というだけである。

しかし、こう考えればいい。

「検索エンジンがなかったとしても、そんな作り方をしたか?」
「人間が見たときに不自然ではないか?」

二つの観点で考えれば非常にわかりやすい。
この観点はスパムを判別する場合に役に立つ。

この観点から考えると、上記の4つの質問には明確な答えがないことがわかると思う。
だから、明確な基準がないのである。

さて、ではGoogleはスパムをどうやって判定しているのだろう?

キーワード比率がもしスパムの要因だとするならば、どうやってGoogleは比率を元に、

「このページはスパム」
「このページはスパムではない」

と決めているのか?

我々には正確なところを知ることはできないが、スパムメールの判別に近い原理だと考えられる。
実際にスパムメールの判別で使われている技術は使われているはずだ。

スパムメールを判別する最も原始的な方法は、キーワードによるものだ。
私も昔はこんな方法で会社の公開アドレスに来るメールを自動的にゴミ箱に捨てていた。

例えば、

「Viagra」
「出会い」
「人妻」

こんなキーワードがあるメールは、無条件でゴミ箱行きといった受信ルールを設定することである。
ところが、この方法には2つの問題がある。

  1. 設定キーワードが含まれないスパムメールは抜けてしまう
  2. 設定キーワードが含まれている普通のメールがゴミ箱に行ってしまう

特に後者は問題が大きい。
重要なメールを見落としてしまう可能性があるからだ。

「恩師との出会い」

といった文章があった場合、これもゴミ箱行きとなってしまう。

だからこんな単純な原理ではスパム除去は実現できない。

キーワード比率が何パーセントを超えたらスパムになる。
という考え方は、上記のスパムメールの判別とまるで同じである。
この原理ではあまりに雑で、使い物にならない。

検索キーワードの比率が5%を超えたらスパム確定などという都市伝説もあったが、そんな簡単な原理であるわけがないのだ。

メールの例で考えてみよう。
メールのスパム判別は「ベイズ推定」という手法で行われている。

どういうことかというと、こんな感じである。

全国民から10人がランダムで選ばれて、100メートル走でどの人が勝ちそうか?を予想するといった場合。

  • 年齢
  • 性別
  • 身長
  • 体重
  • 過去に経験したスポーツ
  • 視力
    中略
  • 最終学歴
  • 趣味
  • 好きなファッションブランド
  • 右利き・左利き
  • 出身地

数百に及ぶ情報があらかじめ与えられているとする。
人間が予想する場合は、

20歳の人は80歳の人より
60Kgの人は100kgの人より
陸上経験者はスポーツ経験なしより

それぞれ早いだろう。
といった予想をすることで、当てずっぽうよりははるかに高い確率で当てることができる。

情報の中には、上記の3つのような役立つ情報もあれば、ほとんど役に立たない情報も含まれている。

さて、人間はある程度予想を立てることができるが、コンピューターは全く何が有利なのかを最初は知らない。

しかし、何回もレースを繰り返して行くと、だんだんどの要因が勝率に影響するのか、判別できるようになってくる。
何万回、何十万回と繰り返すと、かなりの確率で当てることができるようになるだろう。

例えば(実際のデータではない)平均と比べてみて

過去のスポーツで陸上経験者は30%有利
年齢は17歳が最も高く、16歳はそれより1%・68歳は85%不利とか
出身地は福井県が3%有利
好きなファッションブランドではアディダスが5%有利
・・・

といったような膨大な統計結果が得られる。
データが積み重なると様々なデータを総合して、かなり高い精度で予想ができるようになる。

これがベイズ推定の大まかな原理である。
検索エンジンも同じ原理での推定をしているであろう。

文章の中のキーワードの比率だけではない。

その全体の中に出現する他のキーワードの出現頻度とか、キーワード間の距離とか、タイトルとか、被リンクページ内のキーワード出現比率とか、アンカーのキーワードとか、文章内での出現位置とか、文字の装飾の有無・種類とか、単語数とか、リンク先のコンテンツの他のページとの重複度とか、・・・

ありとあらゆる分析可能なデータを取得し、総合的にスパムとはどのようなものなのか?
をベイズ推定(などといったほうがよいだろう)を使って推測していると考えられる。

だから、何々がどれくらいだったらスパムになるのか。なんて単純なものではない。

どこからがスパムになるのか?

という質問は愚問で、考えても仕方がないとしか言いようがないのだ。


ベイズ推定はサンプルを多くすれば、高い精度を得ることができる。
Googleはほぼ無限とも言えるほどの文書のサンプルを持ち、分析結果を貯えている。

非常に高い精度でスパムを認識できているはずだ。

しかし、あくまで確率を高めることができるだけであって、この手法では完全にスパムを判別することができない。
メールのスパムフィルターは典型的にそうだが、

間違ってスパムではないと認識することは相対的には大きな問題ではない。
正常なメールをスパムだと認識してしまうことが大きな問題だ。

スパムフィルターはどの値からをスパムとするかの値を変えることができる。

Googleは高い確率でスパムを認識できているはずである。
しかし、誤って価値あるページをスパムと判定してしまうと、利便性の大きな低下、Webマスターからの不信感が大きくなる。
この値をあえて、安全圏のところで止めているのだと私は考えている。

Googleはその気になったらいつでもスパムを根絶やしにすることができる、と思っておいたほうがいいかもしれない。

中高年が再就職で困ったらアフィリエイトをやったらいい


今回は趣向を変えてこんな話。

中高年が再就職で困ったらアフィリエイトをやったほうがいい

というテーマだ。
今回の記事は、リストラされたりした中高年の人に向かって書いている。
この記事によってもし一人でも窮地から脱することができれば幸いだ。

景気がよくなってきているとはいうのだが、相変わらず中高年には厳しい世の中だ。

私も数年前、失業してハローワークに行ったことがある。

駐車場は満杯。
中は負のオーラーが立ち込めたような空間だった。
病院に行くと病人がいっぱいで、座っているだけで病気になるような気がしてくるが、ハローワークもそんな感じ。

求人案件もないわけでないのだが、年齢制限がたいていはある。

えり好みをしなければ仕事はある。
確かにそうかもしれない。しかし「これは無理だな。」って感じのものばかり。

でも中高年になると、自分一人が食えればいいわけではない。

妻子を養う必要があり、かつ家のローンがあったりする。
ローンがなくても家族で住むためのアパートの家賃は決して安いものではない。

その合算額以上稼げなければ生活が成り立たない。
このためほとんどの仕事はボツだ。

また、飛び込み営業みたいな仕事はコンスタントにあるが、これで食える人はごくまれだろう。
まれに給料のいい仕事もなくはないが、専門技能がなければいけない職種だったりして、事実上応募できる仕事はほぼないというのが現実。

この文章を読んでいるあなたにも聞いてみたい。

「あなたが採用する側ならば、未経験の中高年を採用してもいいと思いますか?」

ほとんどの人は嫌だと思うだろう。
実際自分も嫌だ。

若者の雇用を確保するためにに、正社員の解雇規制を撤廃しようという意見もあるが私としてはこれに反対だ。
特に中高年男性の雇用は家族全員の生活を担っている。
家族の生活を何らかの方法で成り立たせるセーフティーネットなしに解雇規制が撤廃されたら家族の生活はどうなるのか?
そうして、中高年は若年者よりも採用されにくい。

中高年がひとたび正社員というレールから外されてしまった場合に、こうむる経済的被害は若者よりも甚大だと思うわけだ。

だからこそ中高年がリストラされてしまったらどうすればいいのか?
そこで今回のテーマだ。なので、一切専門用語を使わずに書いてみようと思う。

中高年が失業したらアフィリエイトやったらいいと言いたいのだ。

アフィリエイトのことを知らない人もいるかもしれないので簡単に説明する。

インターネットから企業の集客を代行するビジネス

である。
自分でホームページを作って、企業の商品なりサービスなりを紹介して引き合いにつながったりしたら歩合をもらえる。
企業からすれば、効果があるかどうかわからない広告に費用を払うのと違い、成果報酬であるためリスクが少ない。
そして、アフィリエイトを行う人(アフィリエイターと言う)は元手がほとんどかからない。

企業、アフィリエイターの双方にメリットがあるWinWinなビジネスだ。

「中高年失業者はアフィリエイトをやったほうがいい」というテーマは思い付きでもなんでもない。

前から思っていたことで、書こうか書くまいかずっと迷っていたのである。
なぜ迷っていたのかというと、アフィリエイトというビジネスに対して、悪いイメージを持っている人が多いからだ。

そうして、実際に悪いアフィリエイターも存在する。

  1. 社会通念に照らして望ましくない商品やサービスを売ったり
  2. 青少年の健全な育成を阻害するような情報を拡散したり
  3. 虚偽の広告で消費者を騙したり

といった、倫理的に許容できないビジネスを行っているアフィリエイターが多い。
例を挙げるなら詐欺の投資案件を宣伝したり、未成年者を狙って出会い系に登録させたりといったアフィリエイターだ。

また、自己の利益を追求しようとするあまり、Google社の定めるガイドラインに違反するような利己的な手法を取るアフィリエイターも後を絶たない。
それゆえに、アフィリエイトはいかがわしいビジネスであると思っている人が多い。

しかし、本来は企業側とアフィリエイター側の両方、そうして消費者にとっても利益のある三方よしのWinWinなビジネスである。

中高年が失業したらアフィリエイトをなぜやったほうがいいのか?
二つの理由がある。

  • お金がほとんど全くかからない。せいぜい数千円の元手で始められる。
  • 成果を生み出すためには考える時間・作業時間がかかる。

失業中であれば時間は腐るほどあるはずだ。
アフィリエイトで成果を出すためには時間が必要だ。
会社に勤めるのと違い、決められた時間座っていればいいわけではない。
実際に手を動かした時間である。

絶望自動車工場というルポルタージュを最近読んだのだが、この中に描写される流れ作業の工場での仕事は過酷である。
わずか1秒の間も休むことができないように、緻密に作業量が計算されて業務が組み立てられている。
これを8時間とかやるわけだ。

これくらいの覚悟でアフィリエイトに取り組んだらどうだろう。
家族の生活がかかっている中高年失業者の持つ悲壮感、切迫感は計り知れないものがある。
この気持ちをキーボードにぶつけたらいいと思う。

実際に地方から出稼ぎに来ているお父さんは、家族のためにこの辛い作業に耐えているのだ。
できないわけはなかろう。

私はアフィリエイトについては専門的に取り組んだのは短期間で詳しいわけではないのだか、そうすれば間違いなく成果が出るはずだ。

短期間の間ではあったがつかんだ知見として「実質的に手を動かした時間と成果は比例する」というものがある。
そうして、一度作った集客の仕組みは継続的にお金を生み出す。

失業して生活がかかっているならば、真剣に取り組む機会である。

一つ注意すべきは、最初にわずか1円でも売上を立てるまでが非常に難しい。
無から有を作り出すのはなかなかできることではない。

売上ができる前に挫折しないことが最も大切だ。
挫折さえしなければ必ず成果は出る。

今はあるアフィリエイトはやりやすくなったと言える。挫折せず継続すればいいのだ。

当ブログはSEOという集客手法をメインのテーマにしているブログである。
SEOとは何かというと、Google・Yahooといったキーワード検索をするためのシステムから、自分のホームページに集客するための手法だ。
このSEOはアフィリエイトにおいて中核をなす技術である(SEO以外の手法もたくさんあるが)。

SEOに関しては専門的な技術は不要になってきた。
他のホームページよりも内容が充実したページを作れば、検索結果に表示され、自分のホームページに集客できる。
しかし大抵、集客できる前にみんなあきらめる。どこまで頑張ればいいのかわからないからだ。

それでもあきらめないことが一番重要だ。
あきらめない、頑張る、ひたすら。それをやるための条件が中高年の失業者には揃っていると思うのだ。

アフィリエイト野郎のページから引用してみる。

  • 転職、求人
  • キャッシング、消費者金融
  • クレジットカード、カードローン
  • レーシック
  • エステ、脱毛
  • 保険相談・資料請求
  • 自動車保険、車査定
  • 出会い系、結婚相談
  • FX、株
  • レンタルサーバー
  • プロバイダー
  • ウォーターサーバー
  • 教育・英語教材
  • 情報商材

このあたりが、成約時に企業からもらえる歩合の金額が多い。

自分が詳しい、あるいは興味のある上記のようなジャンルについてホームページを作って、
他を圧倒する質・量の記事を作ることで、自ホームページに検索結果から人を集め、
企業のページに送客する。

これだけを愚直にひたすら手と頭を使ってやり続ける。
そうすれば食えるはずである。

ちなみに上記のアフィリエイト野郎のパシ氏は月収60万円ほどだそうだ。
これだけ稼ぐのは一朝一夕にはできないが、絶望自動車工場ぐらいの密度でやったら比較的早くその日は来るだろう。

ちなみに私はアフィリエイターになることを勧めているのではなく、家族をきちんと養っていける会社に転職できるのであればそれが第一選択肢であると思っている。

だが、就職活動とアフィリエイトは並行してできる。
だから、家で苦悩している時間があったら、もう一つの現状の突破口としてアフィリエイトをやるのをお勧めしたいのだ。

このページではやり方については全く書いていないので、

この本が私の知っている限りではいいと思う。
アフィリエイトはちまたで宣伝されるように楽に稼げるものではなく、コツコツとやらなければならないことが書かれている。
ある程度具体論が書かれているので、まずこれを読むのを私としてはお勧めしたい。

あとは、前述のアフィリエイト野郎というブログである。
こちらもお勧めである。

最後に、アフィリエイトに関する情報には、嘘や誇大広告が非常に多く出回っていることに注意喚起しておきたいと思う。

アフィリエイトで楽に稼げる方法
1時間で100万円稼ぐアフィリエイト術
働かずにアフィリエイトで毎月50万の不労所得を得る方法

などと称して、数万円から数十万円もするような情報を売りつける詐欺師が死ぬほど一杯いる。
そういった情報に惑わされることなく、愚直に、コツコツと、手と頭を使ってひたすらまっすぐやることをお勧めする次第である。

SEOは簡単であるが楽ではない


SEOを行うために最低限必要なインフラは、
自社でWebサイトのページの更新ができるようにすること。

これだけだ。
今であれば、WordPressなどのCMSを導入すればそれで終わりだ。それだけで準備は完了である。
これだけなら外部へ払う費用は限りなく少なくて済む。

しかし、これだけではスタート地点に立っただけである。
Webサイトは作るだけではなく、手をかけていく必要がある。

作物みたいなものだ。
苗を植えてそのままにしておいてもまず収穫は期待できない。

丹念に育てることによって豊饒な実りを迎えることができる。

Webサイトを育てるということもこれと一緒。
水や肥料を与えることで作物は成長するが、Webサイトは、

「良いコンテンツを与えることで成長する」

のである。
単にコンテンツがありさえすればいいのではない。
良いコンテンツが必要なのだ。

よくありがちなのは、Webサイト内に社長ブログなどを置いて更新しているというケース。
最初はその業界のことについて書いているのだが、ネタ切れしたり面倒になったりして、どうでもいい日常の話題ばかりになってしまう場合が多い。

SEOの目的とは、自社のコンテンツの内容を必要としている人を、検索エンジンを介して自社サイトに集客することだ。
品質の低いコンテンツでは、必要とされる要求を満たせないし、そもそもWebサイトに集客することもできない。

とりあえず義務だからというだけで日々更新しているというのであれば、やめてしまったほうがいい。
ビジネスになんら寄与しないので、時間の無駄である。

こう考えてほしいのだ。

「セミナーや勉強会で大勢の人の前で話したいと思えることか」

もし、そう思える内容であれば、その記事には価値がある。

とは言え、セミナーなどで発表するなど思いもよらない人も多いだろう。
また、PRしたい内容がセミナーを開くことにそぐわない場合もある。
なので、別の表現をしてみることにする。

インターネットにはどうでもいい情報があふれている。
何か物事を発見した人、体験した人が記した情報を、言い回しを変えて記した2次情報が氾濫しており、それをまとめたりさらに加工しただけの3次情報はおびただしい量が存在する。

2次情報や3次情報しかないWebサイトが多い。
何かを知りたくて、ページを読んだときに2次情報を見た場合は、1次情報が記されたページを見たくなる。
2次情報が記されたページは、参考にするかもしれないが多くは忘れられる。

1次情報のあるページをほとんどのユーザーは探し求める。
1次情報を見つけ出し、ユーザーはその内容を深く心にしまい込む。

人々が貴重な時間や、場合によっては会費を払ってセミナーにやってくるのは何故だろう?

成功事例などを実際体験した人から直接話を聞きたいからだ。
1次情報を持っているからそこ金も時間も費やす価値を認める。

インターネットが大きく普及し、誰でも情報にアクセスできるようになり、再編集して発信できるようになった。
それゆえに1次情報の価値は逆に上がっている。
インターネットが普及する前は、1次情報を持っている人しか情報を発信していなかった。
しかし、今は誰でも発信できるゆえに、真の情報の価値が大きく高まっている。

だから、

1次情報を発信しなくてはならない

のである。
1次情報を発信しないのであれば、素人と同じレベルってことだ。
今では素人であっても再編集してある程度書けるので、誰も書いていない内容を書かねばならない。

そのためには、

そのビジネスを熟知している人がコンテンツを作らねばならない。
のだ。
それは会社の社長や、製品を設計している人や、顧客のサポート担当・・・、といった直接ビジネスに関連する人でなければならない。

Web担当者が持っている情報は、それらの人から聞いた2次情報でしかないケースが多い。
それでは人の心に刻み込まれるコンテンツを作ることはできない。

あくまでWebの担当者はサポートができるだけであって、当事者がコンテンツを作らねばならない。

当事者は多忙である。
これらの人にコンテンツを作らせることは、本業の時間を大きく圧迫する。
場合によっては会社の利益を減らすこともあり得るし、そうでなくてもコンテンツ作成に投入すべき人件費は決して少なくない。

SEOは外部へ支払うコストは非常に少ないものの、これに取り組むことは大きな投資であると言っていいだろう。

私の書いているブログであるが、この程度の記事であっても毎回3時間程度はかかっている。
もし、毎日更新ということであれば、1ヶ月に70時間ぐらいはかかる計算だ。
0.5人分ぐらいの人件費であり、しかも計算のベースはパートや一般社員ではなく、ビジネスの中核をなす人材の人件費を想定する必要がある。

SEOで大きく集客を狙うということは、効果が出るまでこの程度の投資を行い続けることである。

技術的な面における難しさはほとんどないものの、非常に難しく、コストが高いといえるのだ。

ペナルティだと決めつける前に考えること


順位が急落してもこのブログのように趣味で運営しているブログであれば、

「まあいいや別に」

って思えるのだが(実際順位下がっても気にしていない)、自社サイトであったり、収益で生活していたりすると平常心を保つのは難しいはずだ。
でもまずは落ち着くことが一番大切である。

Webの専門家であっても、SEOをある程度勉強した人でも判断をよく誤るので注意が必要だ。

基本的には、

スパムSEOをしない限りペナルティを食らうことはない

これが原則だ。
スパムSEOを行ったり、成果報酬型のSEO業者に依頼したのであれば自覚があるはずなので、改めればいいだけの話だ。

問題は何の自覚もない場合である。様々な勘違いが起こりうる。

1.ペナルティでもなんでもない

最もありがちな勘違いである。
一つのキーワードの順位だけを見ていると判断を誤る。

例えば当ブログであるが、一時期SEOというキーワードで24位まで上がったのだが、現在は80位前後でウロウロしている有様だ。


※クリックすると拡大します

しかし、私としては気にもならないし実際まったく問題はない。

さて、こんな時にまず確かめるべきことは2つある。

1)ファインダビリティが悪化しているか

サイトの検索エンジンの評価は、すべてのキーワードでの自サイトの発見のしやすさであり、それを総称して「ファインダビリティ」という。

ファインダビリティの確認は、様々なキーワードでの順位を確認し集計作業を行うのが一般的だ。
しかし、それは面倒であり、単に評価が上がっているか下がっているかを確認するだけであれば、ウェブマスターツールの検索クエリの折れ線グラフを確認だけで充分である。

これは当サイト「SEOとその周辺」の直近1ヶ月の検索クエリの推移だ。

この折れ線が急降下したり、徐々に下がってそのまま上がってこないようならば問題である。
単に一つのキーワードだけが下がっただけで、折れ線グラフが下がってなければ実害はないということだ。

一つのキーワードだけを見ていると、

「木を見て森を見ず」

大局を見誤る。

あと一つ大切なことがある。

検索順位が10位以内に入っているキーワードの順位が50位ぐらい落ちた場合は、重大な問題が起こっていることが多い。
しかし、もともとの検索順位が30番とかそれくらいだった場合、順位が50番ぐらい落ちてもなんら不思議はない。
言うなれば「よくあること」だったりするのだ。

2)順位が上がっていたのはまぐれではないのか

私のブログが「SEO」ってキーワードで20位台まで上がってきた時に、

「これはサイトの実力以上に上がり過ぎなんじゃないか」

こんな新参のどうでもいいSEOブログが(謙遜でもなんでもなくて真面目にそう思っている)20位台とは絶対おかしいと思ったのである。
現在の80位台は同程度の順位のページを見渡してみると、

「まあ、これくらいが相応だな」

って思える。
実力としてこの程度だったというだけの話だ。

2.QDDが発動してしまっただけ

無料ブログなど、他の人も使っているドメインを使っている場合、QDDが発動して順位が急降下する場合がある。
今まで上位表示していたキーワードからの来訪が多かった場合は、ファインダビリティも下がる。

QDDとは検索結果にできる限りバラエティを持たせようとするアルゴリズムの働きのことである。
QDDの働きによって検索上位には、基本的に同一ブログ内で1ページしか表示されない(もっと表示される場合もあるが)。
そのため、同一ブログを利用している、他の人のページが自分のページより上位に来ると順位が急降下する。

ホームページを持ちたい人が 無料ブログを使ってはいけない場合に書いたが、

「基本的に無料ブログはSEOには不向き」

なのだ。アメブロなどは有名人がたくさん利用している。
有名人が自サイトのページと同じテーマで書いてキーワードが一緒だった場合、たいてい検索順位で負けてしまい、検索結果に全く表示されなくなってしまう。

無料ブログでSEOを行うということは、ハンディキャップを背負うことを意味している。

これはペナルティでもなんでもなく、通常のアルゴリズムであり回避する方法もない。
独自ドメインで運用するしかないのだ。

3.自サイトに対する妨害のせいだと思い込む

同業者の妨害などにより、順位を下げられてしまったと思い込む人がいる。

1)スパムリンクを自サイトに貼ることによる逆SEOの可能性を疑う。

逆SEOとは「逆」という言葉がつくことからわかるように、特定のサイトの順位を下げようとする行為である。
ペンギンアップデート以降はこの傾向が顕著で、SEOを少し勉強した人などは、

「これは逆SEOをやられたのだ!」

という間違った結論を導くことが多い。
確かに、スパムリンクを貼ることにより競合サイトの順位を下げることは、原理的に不可能ではない。

しかし、

「めったにない」

ことである。
あなたはおなかが痛くなった時に、

「これは胃ガンだ。」

と真っ先に思うだろうか?
胃ガンである可能性はゼロではないが、まず疑うべきはそこではない。

逆SEOによって順位を下げられるということは、胃ガンの例と一緒で最後に疑うべきことだと言える。

2)コピーページを作られたために順位が下がったと思う。

これもめったにないことだ。
自サイトを丸パクりされた場合に、自サイトの評価が下がることはあるか?

「ない」

と言える。
まるっきり同一のページがあった場合には、Googleは評価を引き下げるといった判断はしない。
同一ページについてはどのページを検索結果に優先して表示させるか?をGoogleは適切に判断しようとするのだ。

だから、パクりサイトの方が自サイトと比べてはるかに元々の評価が高い場合だけが問題となる。

これもQDDの働きによるものだ。
同一コンテンツをたくさん検索結果に表示させることは、検索ユーザーの利便性を損ねるため、1ページしか表示させない。
そのためパクりサイトだけが表示されてしまうのだ。

とは言え、問題になるのはコンテンツを双方の合意のもとで供給するケースがほとんどだ。
例えばBLOGSといった有名サイトに、自サイトのコンテンツが掲載されるようなケースである。
このようなケースはパクリとは言わない。
正しいWebサイトの運用形態であるからだ。

これに対して、スパマーによる丸パクりが問題になるケースはない。
検索をしてみるとわかるが、自サイトの方がスパマーの丸パクりページよりも順位は上であろう。
スパマーのパクりページは検索エンジンからの評価が得られないからだ。

実害はないケースがほとんどである。
万が一パクリページの方が自サイトより検索順位が上になってしまった場合は、Googleが優先すべきページを間違えているのだ。
その場合はDMCAに申請をすることで、パクリページを排除することができる。

参考:著作権違反の全パクリサイトにDMCA侵害申し立てしたら12時間で処理された

4.重複ページがあるためにペナルティを食らったと思う

順位が下がった原因が自サイト内に重複ページがあることによるペナルティだと決めつける人は、SEOをちょっと勉強している人に多い。
だからこそ、重複ページによるペナルティは実にまれなことであることを知っておいたほうがよいのだ。

検索順位が下がる要因と上がらない要因に書いたのだが、重複ページは「検索順位が上がらない要因」に含まれる。
普通にブログなどをやっていれば、重複ページができるのは当然のことである。

同じ記事であっても、

http://www.blog-example.com/kiji-name/

http://www.blog-example.com/2013/05/05/

http://www.blog-example.com/page/5/

といった感じで、Webマスターが普通にサイトを運営すると、こんな感じで複数のURLができることがある。
それをペナルティにするのは非合理なので、Googleはペナルティを課したりしない。

「重複ページがたくさんあるから、ペナルティを課されて順位が下がったのだ」
と推理することは順序が逆なのだ。

Webの販促手法の中でのSEOの位置づけ


図1:AISASモデルの概要

AISASモデルのドーナッツ図

前回の記事で、阿部 圭司氏の新刊「新版 リスティング広告 成功の法則」を取り上げた。

この本の第1章に、消費者行動モデルからみたリスティング広告の位置づけを論じる記述があった。
私はこれを読んで、もっと広くWebでの販促手法全般及び、その中でのSEOの位置づけについて考えてみたくなったのである。

消費者行動モデルについてまずは簡単に書いておこう。
消費者が購入時にたどる行動・心理状況の変遷の説明には様々なモデルがある。
その中でも、インターネットでの行動を説明するには阿部氏も言うように「AISASモデル」が一番しっくりくる。

  1. Attention
    その商品に対する情報を目にして
  2. Interest
    興味が生まれて
  3. Search
    その商品について検索して
  4. Action
    購入する
  5. Share
    使った感想などの情報を共有する

私としては共有された情報を誰かが目にするというプロセスが入るため、5から1はつながると考えている。
特にソーシャルメディアの隆盛によって、5から1への展開が起こりやすくなった。
単に1から5への一方通行ではなく、このプロセスを回転させることでより広く大きく情報が拡散し、多くのコンバージョンつまりActionが得られるようになった。

だから私はこのモデルをループ状に表記している。

4のActionを特に大きく表記している理由は、すごろくのゴールのようなものだからだ。

話は少し変わるのだが、Actionの数はどのように決まるのか?

Action数 = サイトへの集客数 × コンバージョン率

である。
集客数が10,000人でコンバージョン率が1%であればAction数は100だ。

Actionを増やそうと考えたら、集客数を増やすか、コンバージョン率を上げるのいずれかが必要になる。
いずれかを2倍にすれば2倍のアクションが取れることがわかるだろう。

このことを念頭に置いて以下の記述を読んでいただきたい。

図2:AISASモデルの中における販促手法の位置づけ

AISASモデルの中における販促ソリューションの位置づけ

他にもWebの販促手法は数多くあるが、上記を代表的なものとして挙げてみた。

上記販促手法はLPOを除いては集客数を増やす手法であり、どのような経路で集客するかが違う。
(LPOはコンバージョン率を高めるための手法)
そしてもう一つ、決定的に違う点がある。

SEOと検索連動型広告はSearchに関与する。
AISASモデルの考え方では何かを購入する直前に検索という行動を起こす。
つまり、もう購入する意思を固めているユーザーが多いということだ。

コンバージョン率が高い良質なアクセスを集められる特徴がある。

特に検索連動型広告にこの特徴は顕著であり、Actionにつながりうるキーワードだけを選択して広告を出すことが可能だ。
海産物を販売するECサイトのケースであれば、

「タラバガニ 激安」「マグロ 訳あり」

といった、即購入に結びつきそうなキーワードだけを選ぶことができる。
SEOもこれに近いのだが上記のような即購入に結びつきそうで、誰もが思いつくキーワードは激戦であり、狙っても上位表示できるとは限らない。

「タラバガニ 激安」といったキーワードは狙いつつ、もっと競合の少ないニッチなキーワードをまずは手堅く取りにいくことが基本的な戦略となる。
「タラバガニ 脚 安い」「刺身用 タラバガニ 激安」といったニッチなキーワードで、かつActionが取れるキーワードである。

これらのキーワードはアクセス数は少ないが、非常にアクセスの質がよい。
検索連動型広告でもSEOでもまずは狙うべきであり、このような質のいいアクセスを獲得できるのがまずは強みである。

Searchからの集客と比較して、Attention・Interestからのアクセスは質が悪く、Actionにつながる可能性が低い。
ユーザーは以下のような心理的な段階にある。

  1. そのサイトは見たことある
  2. 商品にそのもの興味はないが、コンテンツが好きだ
  3. 買うつもりはないが、商品に興味はある
  4. いずれ買うつもりだが、今は買わない


後ろに行くにしたがって、見込みは高くなっていくが基本的に今購入するユーザーではない。
しかし、

ユーザーは育てることができる

のだ。
単純接触効果という心理学の用語がある。
最初は興味がなくても、何度も目にしていると徐々に好意を持つようになるという意味だ。

ソーシャルメディア運用はまさしくここを狙っているのだが、SEOも同じことが可能だ。

海産物を販売するサイトなのだが、サイト内に海産物の様々なレシピが掲載する。
様々な海産物のレシピを検索するたびに、自サイトが検索結果に表示され、実際に記載されている内容がよかったとすれば。
徐々に認知されるようになり、そして信頼できるサイトとして強く記憶されることになる。

「購入しよう」

と思った時に、ここで買おうかということになるわけだ。
SEOは今すぐ客を集めるだけではなく、顧客を作り出すことも可能なのである。

前述の1~4のプロセスを進行させ、ついにはActionに至らせるのだ。

図3:初期投資・ランニングコスト・運用負荷・技術的難易度・対象・集客数の比較
SEO・検索連動型広告・ディスプレイネットワーク・準抗告・メールマガジン・ソーシャルメディア運用・Facebook広告・LPOの初期投資、ランニングコスト、運用負荷、技術的難易度、対象、集客数の一覧
※SEOには人工リンクによる施策を含まない。SEOはあくまで検索エンジン最適化であり、人工リンクによる不正な順位操作は最適化ではないからである。

どの集客手法にも共通していえるのは、成果を出そうとすると投資、運用負荷、難易度が高くなることだ。
まあ、当然である。金もかけず楽して集客する方法などはないということである。

さて、SEOの位置づけはランニングコストをかけずに、不特定多数のユーザーを集客できることが大きな特徴と言える。
初期投資とコンテンツを作り続ける運用負荷をかけ、ある程度の知識があればかなりの集客が見込める。

※2013/5/6追記
住太陽氏から、SEOはビジネスをよく理解している中核的な人材がコンテンツを作らなければならないため、コストとしては非常に高いというご指摘をいただきました。
外部へ支払うランニングコストはないものの、確かに内部におけるコストは非常に高いのもSEOの特性です。

ソーシャルメディア運用もランニングコストがかからないが、SEOに比べると不特定多数に対する集客に弱く、運用負荷が高い。
そして、図2に示したようにソーシャルメディア運用は、質の良いアクセスを集めることが難しいという大きな欠点がある。
これだけでは販促手法として完結しないのである。


さて、まとめてみよう。
SEOの特徴は、

  • ランニングコストをかけず
  • Actionにつながりやすい質の良いアクセスを集めることができ
  • 顧客を育成することもできる
  • 単体で成り立つ販促手法

である、と言える。

ソーシャルメディアの隆盛により「SEOは死んだ」と言われた時期もあった。

しかし、上記の比較によってもわかる通り、SEOの販促手法としてのポジションは依然としてゆるぎないものである。
大きな技術革新がない限り、SEOは最重要の販促手法であり続けるだろう。

とは言え、他の販促手法にもそれぞれメリットがあり、特徴があるためSEOに固執することは望ましくない。
それぞれの手法の特徴を理解して、最適な販促手法を選択することで最良の効果を得るようにすべきである。

新版 リスティング広告 成功の法則【阿部 圭司著】 リスティングとSEOの本質は同じ


Googleアドワーズ & Yahoo!プロモーション広告 対応 新版 リスティング広告 成功の法則


この本を発売日前にAmazonで予約して、購入したのである。

先日3月1日に「Webマーケティング・リレーセミナー #10『Sexyなリスティング広告プレイヤーになるために…』」で阿部 圭司氏の講演を拝見した。
その時の感想を、リスティングとSEOの違いと共通点に書いたのだが、この時に私はリスティングの思考方法に深く心惹かれたのである。

ちょうどタイムリーに阿部氏の本を手に入れて読んだ。

第一印象は、

自分がリスティングについて余りに無知で、誤った認識を持っていた

ということがわかったことである。
そして、一つの考えが頭の中に芽生えて、読み進めるに従ってその考えは確信に変わった。

リスティングとSEOの本質は完全に同じである

これは私としては近年にない大発見だった。
手法こそ違うが、

「検索エンジンを通じてユーザーに対して行動の変化を引き起こさせる」

という目的が一緒である。
ユーザーの視点、思考方法、感情に立脚して戦略を展開し、キーワードを通じて戦術を展開することも一緒だ。

さて、本書P.62から引用してみよう。

検索連動型広告の中でもとりわけ重要な「キーワードの展開方法」に焦点を当ててみたいと思います。 ~中略~ そのため、想定するターゲットがどのようなキーワードを使って検索行動を行うのかをいかに洗い出せるかが、成功への一つの分岐点と言えます。

まさしく、SEOにもそのまま当てはまる。
「検索連動型広告」という言葉を「SEO」に変えても正しい。
キーワードはSEOにおいても最重要な要素である。

なぜならば、キーワードは情報提供する側(Webマスター)と、情報を欲する側(ユーザー)をつなぐ唯一の接点だからだ。
最重要であるにも関わらず、キーワードの発見方法についてSEOの入門書などでも書いてあることはまずない。

SEOはビッグキーワードの上位表示の技術といった一部の側面ばかりが取り上げられている。そのため、最も重要なキーワードをいかに見出すかがおろそかになっていることが多い。

本書では比較的多くの紙面をキーワードの発見方法について書いている。
徹底したユーザー視点から、どのようなニーズを持ったユーザーが、どのようなキーワードで検索するかについて書いている。

連想法によりキーワードを深化させるといった考え方など、数多くの優れたノウハウがある。

有機野菜
健康志向」「糖尿病」「肥満」
食物アレルギー」「妊娠中食事」「お肌の悩み 食事」

太字の部分が連想法により深化させた部分のキーワード。
キーワードを大から小へと発想していくことにより、ユーザー視点のキーワードを見出すことができるという考え方だ。

このような様々な優れた発想方法が多く記述されている。
SEOに携わるのであれば、多くの気づきが得られるはずである。

キーワードから集客するだけではなく、キャッチフレーズを通じてユーザーの心を動かす部分も一緒だ。
SEOにおいてはtitleやdescriptionの書き方がこれに相当する。
順位ばかりがSEOでは重視されるが、同じ順位であってもtitleやdescriptionの良否によってクリック率は数倍違ってくることもある。

検索順位を上げるのは難しいが、titleやdescriptionを改善することは簡単である。
まずはこちらを改善すべきなのだ。しかも、リスティングの広告文のA/Bテストのように短期間で成果を見比べることが可能だ。
A/Bテストの考え方についても詳しく書いてある。

  • 異なる訴求ポイントをアピールする
    ・1ヶ月で噛めるインプラント
    ・10万円ぽっきりのインプラント
  • 「論理的に訴求する」か「クリエイティブに訴求する」か
    ・短期間で噛めるインプラント わずか一ヶ月程度で噛めるインプラントは東京駅の○○歯科だけ
    ・モテる笑顔を作るインプラント 異性の心を揺さぶる素敵な歯並びになる!無痛麻酔で安心の東京駅の歯科医

広告文は切り口を変えることによって、ユーザーに対し全く違った心を動かす効果を生み出す。
多くのSEO人はこのあたりの心を動かすことに対してあまりに無頓着であると思う。

titleやdescriptionに気を使っている人もたまにいるが、CTRを見て反響を調べて作り替えることまでやっている人はほとんどいないだろう。
順位を上げるのは期間がかかるからテストが難しいが、これはテストに期間がかからない。A/Bテストは可能なのだ。
繰り返していくことにより、さらなる正解の高みを追求し続けていくひたむきさ、これが重要だと思ったのだ。

話題は変わるのだが、リスティングではアクセス解析を読み解くことによる改善を高速に続けていく必要性が書かれている。
辻正浩氏は「SEOのスキルセット/あるいはSEO業界へのお誘い」の記事の中で、

どのような職種ならSEOに向いているのかと考えますと、「アクセス解析」以上の職種は無いのではないでしょうか。

と書いている。

SEOではアクセス解析の結果からの改善はあまり重視されていないといってよいのだが、高レベルのSEOのコンサルタントになるためには必須のスキルである。
アクセス解析を読み解いて改善を続けていくプロセスは、リスティングに比べると遅いものだが必要である。

ある程度のページ数を作り、Webサイトを運営していると、

「どのようなキーワードで集客できているか?」
「どのようなキーワードで集客したユーザーはコンバージョンしているか?」
「直帰率の高いページはどこか?」

ということがアクセス解析から読み解けるようになってくる。これらをコンテンツの改善・増強につなげることがSEOで重要なポイントである。
確かに役に立つと考えられるコンテンツを作ることがSEOであるのだが、

「役に立つと自分が考えていることと、実際に求められていることの乖離」

をアクセス解析から洞察することにより、よりニーズの高いコンテンツ、検索露出の多いキーワードでのコンテンツを作ることができる。そして、検索ニーズに合っていないコンテンツについて内容を改善することも可能になる。

PDCAプロセスはSEOにとっても必要なのだ。


今回はこの本を読んだ感想からリスティングとSEOの共通点を述べてみたが、まさしくリスティングとSEOの本質は共通であるということである。
いずれも検索エンジンを介して、その向こう側にいるユーザーに対して、行動の変容をもたらすための行為だからである。

是非、まだ読まれていない方は手に取って一読されたいと思う次第である。