不自然リンクによるGoogleペナルティ解除事例 (基礎編)

ここ1年で、ペナルティを受けてサイトの検索順位が下落したというケースが急増しましたが、2013年に入ってもペナルティにお悩みの方はまだまだ多くいらっしゃるのが現状です。弊社におきましても、未だにペナルティ解除に関するご相談のお問い合わせを数多く頂きます。そこで今回は、改めて初心者の方向けに基本的なペナルティ解除方法とペナルティ解除に成功した事例に関してご紹介させて頂きます。

ペナルティ解除までの大まかな流れ

  1. 自サイトに向けられている外部リンクの調査・精査
  2. 不自然なリンクに該当すると思われるリンクの削除
  3. 何かの事情でどうしても削除できないリンクの否認
  4. 改善の経緯をドキュメント化し、再審査リクエストの送信

基本的な流れは上記4項目です。あとは解除されるまで粘り強く上記の繰り返しです。

ペナルティ解除の一例

以下、ペナルティ解除に成功した事例についてのご紹介です。

・ご契約に至るまで
クライアント様が自社サイトの順位下落を不安に思い、ペナルティを受けていると判断されて弊社にご依頼頂きました。
(この時点でウェブマスターツールに警告メッセージは来ておりませんでした。)

・ペナルティ解除フロー
下図は、解除に至るまでの順位推移とその期間の対応です。
flow1

解除のために、先ずはクライアント様が過去にご依頼していたSEO会社に、残っていたリンク削除依頼を出し、6月中旬に1回目の再審査リクエストを送信したところ、7月中旬にウェブマスターツール上で「ガイドラインに違反しています」のメッセージが確認されました。

この時点で手動ペナルティを受けていることが確定しました。初回で解除に失敗したのは、削除依頼したリンクが少し残ってしまっていたことが理由と考えられます。(この時ガイドライン違反と思われるリンクがおよそ90リンク残っていました。)

解除に失敗した際の返答メッセージです。
miss

そこで再度リンクを精査し、過去のSEO会社に改めて削除依頼を行い、SEO会社が管理していないリンクに関してはブログサービスなどのサービス会社に直接削除依頼を行い、9月初旬に2回目の再審査リクエストを送信しました。

その際、どうしても削除できなかったリンクに関しては、その理由と削除努力を記載しました。その結果、9月中旬にウェブマスターツールに「Webspamチームによる手動の対応が取り消されました」との返答メッセージがきてペナルティ解除に成功しました。

解除に成功した際の返答メッセージです。
success

ペナルティを解除するために必要なこと

「ペナルティの要因となっていたリンクをしっかりと削除すること」これに尽きるでしょう。上記の事例では、そのためにクライアント様にも迅速に対応頂き、過去のSEO会社にも削除に対応してもらえました。

当時はまだリンクの否認ツールも公開されておらず、とにかくペナルティの原因と考えられるリンクを削除する以外に方法がありませんでした。また、どうしても削除できないリンクに関しては、削除できない理由と削除するためにどのような努力をしたのかをしっかりとドキュメント化し、再審査リクエストに盛り込みました。

このように順調にリンクの削除とその他の対応が進められれば、ほとんどのケースでペナルティ解除に成功しています。また、裏を返せばそれ以外のケースはいつまでたってもペナルティを解除できないということが大半です。

  1. リンクを削除できない、過去のSEO会社が削除対応してくれない。
  2. 削除努力をせずに再審査リクエスト、否認ツールを利用する。
  3. 削除のためにとった行動の詳細を再審査リクエストに記載しない。

といった場合です。ご相談いただくお問い合わせの中には、リンクを削除する前に再審査リクエストを送っていたり、否認ツールを利用している方もまだまだ多いようです。それだけではペナルティを解除するのは難しいでしょう。
(再審査リクエストに記載すべき内容はGoogleも公式に発表しています。)

まとめ

一にも二にも、問題となっているリンクが削除され問題が解消されることがペナルティ解除のための最大の近道であり、かつ唯一の手段であると言えます。特にペナルティを受けていてもある程度の順位がついていたり、ロングテールのキーワードでの流入が残っていたりすると、「アクセスがなくなったわけでもなし、リンクを削除してしまうとこれが更に減ってしまう可能性があるのではないか」との思いからリンク削除に躊躇しがちになってしまうこともあるかと思います。

しかし、サイトのSEOに関してもしも長期的な視座に立てる状況であれば、その場しのぎの対応をとるのではなく、しっかりと問題を解消してペナルティを解除した上で改めてSEOを行っていく、ということが、結果的にサイト全体のパフォーマンスを高めることにも繋がるでしょう。

文責:ヴォラーレ株式会社 渡邉

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SEOではページ数より「情報量」+「充実度」

こういう仕事をしていると、WEBサイトの現状を把握するために何かしらのSEO系の調査ツールを使うことがしばしばあります。そういうツールでは被リンク数、タイトルやmeta情報、インデックス数、など様々な数値がまとめて見られるため、ぱぱっと概要を把握するには便利です。ただし、そこで得られる表面的な数値を根拠に何かを話すことはあまりありません。

今回はその中でも「ページ数が少ないので増やす」ということに関してたまたまクライアント様から質問を受けましたので記事にしてみます。

巨大なサイトは確かにビッグキーワードでも上位になりやすい

例えば「賃貸」とか「求人」などのいわゆるビッグキーワードと呼ばれるキーワードで検索すれば、ほとんどが有名どころの巨大ポータルサイトなどが上位にあり、ポッと出の10ページそこそこしかないWEBサイトはいないですね。

この事実だけを見ても分かりますが、ページ数が多いということはもちろん重要なことなのです。ただしそれはあくまでも「検索されたキーワードに対してコンテンツ(=中身)が十分にある」という意味で重要なのであって、たくさんページ数があればいいと言うことは全くありません。

むしろ、メインテーマに無関係なコンテンツや中身がスカスカなページの量がサイトの中で大きな比重を占めてくると、今後はマイナスにも作用すると思っていて良いでしょう。そういうサイトは見かけのページ数は多くても充実しているとは言えません。

ページ数・インデックス数は後からついてくるもの

よく「被リンクは後からついてくるものだ」などという議論がなされます。この議論の本意としては「リンクは本来は増やすものではなく増えるものだ」ということです(もちろん狙ってリンクを増やすというテクニックは重要です)。

「ページ数」という指標も結局はコンテンツを充実させていく結果として増えていくものであって、ページ数が多いからエライ、なんていうことは全くありません。検索されたキーワードに呼応するコンテンツがどれだけあるかどうか?がそもそも重要になります。

上位に表示されたWEBサイト=Googleが選ぶ「ベストアンサー」

別のブログのエントリーでGoogleに評価されやすいコンテンツ設計という記事にも書きましたが、検索エンジンから見てどれが最もユーザーを満足させられそうか?がWEBサイトの評価を決めると考えて良いでしょう。

結局は「検索=リクエスト」であり「検索結果=アンサー」である以上、検索結果の上位はベストアンサー群というわけです。当然そのアンサーを選ぶ基準として被リンクというのは非常に重要な要素なわけですが、土台はやはり中身です。キーワードに見合ったコンテンツがあり、それがテーマ毎に分けて整理されていて、検索エンジンにそれぞれ分かりやすいように表現されている、という状態がまずは基本であって、前提になります。

(参考)
インデックス数を増やすことでSEO対策に効果はありますか?

アンサー度とは

薄い100ページよりは中身の詰まった10ページを

まとめになりますが、ただ増やしただけのコンテンツを排除して、本来ベストなアンサーとなるべきコンテンツを上位に残す為にGoogleのアップデート(パンダ・アップデート)も進んでいますし、仮にそれが日本で本格導入された際にそこまでのインパクトを与えられなかったとしても、いずれは濃いページが残り薄いページは排除される方向に進むのは間違いありません。

※画像はイメージです
※画像はイメージです

こういう感じにならないためにもユーザーの期待にこたえるコンテンツを、テーマをぶらさずにできるだけ多く用意しておいた方が良いでしょう。少し具体性のない漠然とした内容に終始してしまいましたが、次回(か分かりませんがいずれ)は用意したコンテンツをまとめて整理する方法なんかについても書こうと思います。

ヴォラーレ株式会社 土居健太郎

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内部リンクの構造の変化がアクセス数に与えた影響

今回の記事は内部リンクの最適化がSEO対策上及ぼす効果に関する話題です。SEOで「リンク」と言えば外からのリンク(外部リンク)を指すというイメージもある方もいるかもしれませんが、内部リンク(サイト内リンク)はサイト内で行き来するリンクのことで、ユーザーを受け渡すという意味では大きく価値は変わりません。

内部リンクのSEO対策における重要性

「外部リンクだけではなく、内部リンクも変わらず重要です」というのは簡単ですが、実際にどのような価値があるのかということを言われると、その役割は様々で一口に言うのは難しいです。

こちらで書くと長くなりますので別のブログの関連記事を紹介します。

「検索エンジン最適化」について再考・まとめておく- 天照SEOブログ

私が個人的に別で書いている記事ですが、この中に内部リンクに関する重要事項がかいつまんで話されているので参照下さい。上記記事の言葉を借りて以下に内容を簡単にまとめると、

  • ページランクの調整
  • リンク階層の調整
  • WEBページ間の情報の関連付け
  • アンカーテキストで端的にページの主なテーマを示す

という内容になっています。詳細はこちらでは割愛しますが、サイト内のナビゲーションという意味だけではなく、SEO対策に於いても色々な意味を持っていると言えます。

内部リンクの改悪・改善が検索流入数に与える影響

約1年半前にオープンし、SEOを弊社で行ってきたとあるクライアントさまのWEBサイトを2011年の春~7月にかけてリニューアルしました。目的は主にUI(ユーザーインターフェース)の改善によるPV(ページビュー)数の増加と直帰率の低下、SEO対策面での強化、その結果としての問合せ数の向上です。

UI・デザイン面での向上をはかるにあたり、少し(見た目上)目立って露出されていた内部リンクを、一旦どのページからも外してみた時期がありました。その関係で、一部のアーカイブのページへの内部リンク(※)が極端に減少しました。それが下記図の①の時期です。

この時期に検索エンジンに関わる変更はそれ以外には行っておらず、その減少が内部リンクの構造の改悪によるものと判断し、その後にそれを修正し、見た目上のストレスにならない位置へとそれを以降しました。また、その他でもそれが下図の②の時期です。

クリックで拡大
※クリックすると画像が拡大して見られます。

ちょっと見た目には分かりづらい変化ではありますが、実際に数字を見てみると6月中旬から7月上旬にかけて、それまでのアベレージのアクセス数に比べて約10~15%程度(数で言えば約25~40/日 程度)の減少があり、実際に新しいコンテンツを追加した後にそのページが明らかにランキング上位にヒットしなくなったということも実際に見られました。

②以降数日後からは順調に回復し始め、最終的にはその他のUIの改善に伴い更に内部リンクを強化(主にTOPページから下位ページへのリンクの見直し)を行い、つい先日ようやく過去最高の検索流入数(492)をマークしました。2ヵ月前からの推移を見ればそれなりの%での改善が出来ています。

また、PV数もまだまだとは言えリニューアル前後で見れば大分改善しています。

PV数の推移

※①の内部リンクは、イメージではブログでいう「タグ」とか「カテゴリ」へのリンクのようなアーカイブに飛ばすリンクのイメージです。

簡単にまとめ

少しざっくりとした内容ではありますが、基本的なことは昔から誰かが言ってきたことで、特に難しいテクニックを使っているわけではなく、重要なページには内部リンクを集めた方がよく、関連性の高い内部リンクは価値があり、アンカーテキストは端的にキーワードで書いた方が分かりやすく、、などということです。

言われてみればどこかで聞いたことがあるようなフレーズですが、やはりSEOと言うとどうしてもそのあたりの意識が飛んでいってしまってテクニックというか小技を頭に描いてしまうのは我々SEO業者の良くないところかもしれませんが、一旦冷静になって考えてみるとちょっとした一部の改善だけで少なくとも数%とか数十%くらいのアクセス改善は行えるのではないかと思います。

内部リンクの最適化は特にページ数が多い、更新が多いなどというWEBサイトでは特に影響力が大きいので、あまりナメてかからない方が良いですね。ご参考までに。

ヴォラーレ株式会社 土居健太郎

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SEO HACKSの公式ブログを開設致しました。

ヴォラーレ株式会社が提供するSEOサービス「SEO HACKS」の公式ブログを開設致しました。SEO対策に関する情報を事業責任者を中心に弊社スタッフが更新していきます。

当ブログのご紹介

さて、当ブログでは主に、

  • SEO対策のクライアント様からよく聞かれるご質問に対する回答
  • SEOに関して社内で実際に行った実験・検証結果レポート
  • Googleアルゴリズムのアップデートなどの最新情報
  • 基礎的なSEOの知識のおさらい・再確認
  • SEO関係者のなかでとりわけ話題になっているテーマ
  • セミナーのようなイベント情報など、弊社からのお知らせ

などといったテーマで更新していく予定です。頻繁な更新はなかなか出来ないと思いますが、定期的に新しい記事を公開できるよう努力致します。

弊社SEOサービスのご紹介

サービスサイトにも記載していますが、当サービスでは基本的には初期に内的な要素のチューニングで土台を整え、そこに外部リンクを少しずつ増加させながら目標キーワードでの安定した上位表示を目指していく、基本的な上位表示サービスです。

特に変わった施策や全く新しい手法を用いているわけではなく、無理な上位表示をコミットするわけでもなく、あくまでも私たちなりの根拠に基いて、丁寧な施策を心がけております。

弊社主催のWEB交流会イベント告知

最後に、かなり唐突ですが、ここで一つイベントの告知をさせて頂きます。

今までに無いSEO交流会イベント SEO-NIGHT 2011SEO-NIGHT サイトイメージ

開催:8月26日(金)19時~

思い切りSEO臭が漂ってきますが、かなりフランクな(砕けた)WEB交流会ですので、SEOに普段から関わっている方もそうでない方も楽しめるイベントとなっております。

今年の新卒入社のフレッシュなメンバーを中心に企画・運営を行っておりますので、皆様是非奮ってご参加ください!

ではでは、本日はこのあたりで。

ヴォラーレ株式会社 土居健太郎

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