「リンク構築」と言うワードを聞いた際に、一番初めに思いつくわけではないかもしれない。また、リンク構築において、セクシーな取り組みの一つには、挙げられないだろう。しかし、強固なリンク構築戦略を実行する上で、欠かせない取り組みの一つだと私は確信している。
…と言うことで、今回は、内部リンク構築について説明していく。
一斉に「えー」と言う声が聞こえてきそうだ。
心配する必要はない。アンカーテキストについて、長々と話すわけではない。代わりに、ロジカルな内部リンク構築戦略、そして、肝に銘じておいてもらいたい、より技術的な領域を幾つか挙げていく。
内部リンク構築戦略が重要である理由
SEOは、重要度の異なる多くのパーツで構成される、多角的な取り組みである。内部リンクが一番大事なパーツだと指摘しているわけではないが、確実に大事なパーツの一つに数えられる。
内部リンクは、SEOの取り組みの基盤となる。どのページを最も優先して欲しいのか、そして、どのページとどのページがテーマに関して関連しているのかを、検索エンジンに示すことが出来る。このようなシグナルは、価値、そして、意味をページに反映する上で、検索エンジンにとって、心強い味方になる。そのため、戦略的な内部リンク構築を介して、このシグナルを管理する取り組みを怠ると、検索エンジンの独断に翻弄されることになる。
グーグルがサイトに滞在する限られた時間の中で、どこにランク付けして欲しいのか、そして、どのページを優先しているのかに関して、検索エンジンを混乱させてしまうのは、何よりも悔やまれる。
内部リンクに関するロジカルな考え方
次のように内部リンク構築を見ている人達が多い:
この場合、「The Hulk」は最も重要なページである — つまり、グーグルにインデックスしてもらい、上位にランク付けしてもらいたいページだ。そのため、リンクを張る行為が論理的であるかどうか、あるいは、背景が一致しているかどうかに関わらず、その他の全てのページから、The Hulkページにリンクを張っている。
その結果、とんでもないことになる。このように内部リンクを構成してしまうと、検索エンジン、そして、ユーザーを混乱させてしまう。数百、もしくは、数千ページでこの方針を採用しているなら、尚更、ダメージは大きい。
その代わりに — あらゆるSEOおよびリンク構築の領域で推薦していることだが — ユーザーがウェブサイトをどのように移動しているのかについて、もっと真剣に考え、現在地に応じて、どの情報を有益と見なすか、考察してもらいたい。例えば、ページ Aの情報は、ページ Bに関連しているだろうか?ページ Aを読む人は、ページ Bも読みたいと思うだろうか?
通常、eコマースサイトは、この取り組みを巧みに実行している。ModClothを例にとって考えてみよう(同社のドレスが好きなこと以外は、このサイトを紹介する理由はない)。
このページは、同様のスタイルのドレス、最も人気が高いドレス、そして、戻る/購入の情報に向けられた内部リンクを持つ。また、買い物客には、同じ生地、もしくは、カテゴリーの製品をタグを介して、閲覧する選択肢が与えられている。 唯一欠けているのは、ドレスを補うアクセサリ、マッチする靴、宝石、バッグ等の一連のリンクのみである。
ご覧のとおり、ModClothの内部構築戦略は、検索エンジンの結果ページを操作するのではなく、ユーザーに価値を提供することを重要視している。その結果、ユーザーが直感で理解することが可能であり、最も関連するキーワードに対して、最も重要なページを自然に優先する、内部リンクの構造が作られている。
もう一点例を挙げよう。現在、私はウェブサイトのデザイン変更を行っており、提供するサービスを今よりも巧みに提示することを、目標の一つに掲げている。効果的にこの取り組みを行うため、まず、単純に「自分がビジターだったら、そして、User Experince Designのサービスページにアクセスしたら、他に何を見たくなるのか」問い掛けることから始めた。この問いのおかげで、有益で、ロジカルな内部リンクに関する多くの優れたアイデアが生まれた。その一部を以下に挙げていく:
- ポートフォーリオ: このページで、ビジターは、User Experience Designの仕事のサンプルを容易に確認することが出来る。
- ケーススタディ: ビジターは、最近のクライアントの成果を確認することで、弊社の仕事の価値を見出すことが出来る。
- スタッフ: ビジターは、User Experience Designのエキスパートをチェックすることが出来る。
- 関連するブログの記事: 詳しい情報を求めるビジターのために、User Experience Designに関する詳細な記事、または、ニュース記事を用意しておく。
- 関連するサービス: このページは、ビジターが検討する可能性のある付随する/関連するサービスのリストを提供する。
その結果、サービスページが、ウェブサイトのその他のセクションとどのように関連しているのかを、明確に理解することが出来るだけでなく、ページに掲載したい情報をリストアップしたことで、デザイナーの仕事が大幅に楽になった。
繰り返すが、検索エンジンに上位にランク付けしてもらいたいページではなく、ユーザーが有益だと考える情報を考慮することで、スパムすることなく、SEOの目標を達成する内部リンク構築戦略を策定することが可能になる。
内部リンクに関する技術面での検討事項
「テクニカルなSEO」に対して、別々に実施する特定のタスクのセットだと言うイメージを持っている人は多い。しかし、実際には、とりわけコンテンツの重複が考慮される領域においては、内部リンク構築戦略に、多くの技術的な領域を盛り込まなければならない。コンテンツの重複に関しては、他のページからリンクを張るページのバージョン、正規化しているページのバージョン、サイトマップ内のページのバージョン、そして、グーグルがインデックスしているページのバージョンが、一貫していなければならない。
実際にホームページで私が直面した問題を介して、このポイントを説明していく — www.352media.comはホームページの理想的なバージョンであった。そのため、このページのその他のバージョン(352media.com、/default、/default.aspx、/Default)から301 リダイレクトを設定して、重複するコンテンツを除去した。
リダイレクトを実装した後、問題は解決されたと私は推測した。しかし、その他のホームページのバージョンが、引き続き、検索結果に表示されていることが判明した。型破りなカノニカルタグがこの問題の原因であった:
- “www.352media.com” から “www.352media.com/default.aspx”
- “www.352media.com/default.aspx” から “www.352media.com/Default”
問題は、混乱したシグナルをグーグルに送っていた点である。ホームページの各種のバージョンから、www.352media.comにグーグルを導いていたものの、実際にグーグルがこのページに到達すると、今度は、たった今訪れていたページの方が、コンテンツを読みやすいと伝えていたのだ。
ブログでも同様の問題を抱えていた。グーグルのウェブマスターツールで、投稿/インデックスの比率に食い違いが見られたことで、この問題は明らかになった。ブログの記事にインデックスされたURLが、期待していたURLとは異なるケースが数多く見られたのであった:
- 望ましいURL: http://www.352media.com/blog/Summing-Up-SEO-September.aspx
- 実際にインデックスされたURL: http://www.352media.com/blog/post.aspx?id=3d843bb3-76b9-41c3-91b9-c80f92ac75af
さらに調査を行ったところ、再び、グーグルに混乱するシグナルを送っていたことが分かった。内部および外部のリンクにおいて、全て望ましいバージョンのURLを用いていたものの、2つ目のURLが正規化のバージョンだとグーグルに伝えていたため、このURLがインデックスされていたのだ。このように、どれだけ真剣に内部リンクの計画を練ったとしても、テクニカル SEOを戦略に盛り込んでいない状態では、失敗する。
結論
強固な内部リンク構築戦略は、頻繁にキーワードリッチなアンカーテキストを使って、ただ単に最も重要なページにリンクを張る方針を超越している。ユーザーのニーズを考慮し、技術的な面で一貫性を確保することで、自然で、直感的で、尚且つ、コンバージョンの目標と合致する内部リンク構築戦略を策定することが可能になる。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、a href=”http://searchengineland.com/”target=”_blank”>Search Engine Landに掲載された「The Hitchhiker’s Guide To Internal Linking Strategy」を翻訳した内容です。