ここ数年、幸運にも、世界でも指折りのマーケティングおよびビジネスのエキスパート達と話をする機会を得てきた。多くのことを学んだが、毎日必ず心の中に浮かび上がるのは、ロバート・チャルディーニ博士の一言だ。
2012年にもこの発言を取り上げたことがあるが、時を重ねるごとに、チャルディーニ博士のアドバイスはより深みを増しているような気がしてならない。
チャルディーニ博士は、権力および影響力に関しては、世界で最も著名な研究者であり、作家でもある。著書の一つ、影響力の正体: 説得のカラクリを心理学があばくはベストセラー作品である。
自分の本を書くためにリサーチを行っている時、Return On Influence私はチャルディーニ博士に、大量の情報が存在する世界で、リーダーはどのように注目を集めているのか、と尋ねたことがあった。
「より人間らしく行動することだ」が、博士の答えであった。
このデジタルな世界に没頭すればするほど、チャルディーニ博士の指摘の正しさを確信することが出来るようになった。
最終的に、消費者は、知っている人、信頼している人から製品を購入する。最高の被リンクや巧みに最適化されたコンテンツではない。この競争の激しい世界を勝ち抜くのは、人間らしいコンテンツ、そして、人間らしい会社だと私は思っている。
人間らしくつながりを持つことで、信頼関係が築かれる。信頼関係から忠誠が生まれる。そして、忠誠は他の何よりも強い影響力を持っている。
Johnson & Johnsonからアメリカ空軍に至るまで、様々な組織と仕事をする中で、私は「より人間らしく行動すること」を心の中で何度も繰り返すようになっていった。
- 本気で仕事に取り組む際は、人間らしさこそが最も大事にするポイントなのではないだろうか?
- 「人間らしさ」は大企業全体に拡大することは出来るのか?そのためには、どうすればよいのか?
- 人間らしさとプライバシーの尊重の境界線はどこか?この境界線は変化しているのか?
- 「人間らしさ」は戦略なのか?戦略にするべきなのか?
このアイデアは、様々な疑問を生む。私は自分自身にとって、そして、デジタルマーケティング業界にとって、「人間らしさ」が何を意味するのか理解しようと試みている。
最も人間らしい企業が勝つのだろうか?最も人間らしいブログが勝つのだろうか?最も人間らしい人物が勝つのだろうか?私はそう思う。人間らしさこそが、コンテンツショック時代を生き抜くための最高のアプリなのではないだろうか。
皆さんの意見を聞かせてもらいたい。
イラストは、Flickrのクリエイティブコモンズの作品、および、Thomasの作品を利用した。
この記事は、{grow}に掲載された「The best marketing insight I’ve received in the past 5 years」を翻訳した内容です。