コンテンツマーケティングに馴染みが薄く、どこから始めれば良いかわからないという方も多いのではないだろうか?当ブログのコラムニストである、エリック・エンジ氏がそうしたSEO担当者(に限ったことではないが)のために、デジタルマーケティングにおける重要な戦略-コンテンツマーケティング-についてアウトラインをまとめてくれた。
SEO戦略を成功に導くためには、リンクを獲得する取り組みに加え、宣伝の要素、つまり、ビジネスの評判や認知度を高める取り組みが求められてる。しかし、いまだに多くのビジネスがコンテンツマーケティングを真剣に実施してはいない。そこで今回の記事で、コンテンツマーケティングを始める上で必要な要素をまとめてみることにした。
大企業であっても、個人や数名で運営を行うスモールビジネスであっても、大規模なキャンペーンを立ち上げるのは容易ではない。大企業の場合は、マーケティングの予算を豊富に持っているものの、この予算の割り振りは厳格に定められており、予算がまったく残っていないという可能性もある。そのため、短期間で、大規模なコンテンツマーケティングの取り組みを行うために、多額の資金を引き出すことはほぼ不可能といえるだろう。
一方、スモールビジネスの場合、コンテンツマーケティングを実施するという決断が下されれば、大企業と比べ、その優先度を高めることは容易な作業であろう。しかし、コンテンツマーケティングに対して十分な予算を与えてもらえるわけではない。
いずれのケースにおいても、大半の会社は、スロースタートを切らざるを得ない。この点を踏まえながら、SEOに大きなインパクトを与えるコンテンツマーケティングキャンペーンを始める上で、最初に優先するべき幾つかのポイントを見ていくとしよう。
4つの優先事項
SEOのニーズを満たすコンテンツマーケティングを実施しようとするあまり、リンクの獲得を目的にしてしまうこともあるが、これは大きな過ちとなる可能性がある。この方針は、Googleのジョン・ミューラー氏が、リンク構築において指摘していた行為 (氏は「基本的に、私なら回避する。」と述べている)と言えよう。
公正を期すために言っておくが、ジョン・ミューラー氏の発言は、リンクを求める行為に対するものだ。このリンクの獲得を最優先にするアプローチには背を向け、代わりに、コンテンツマーケティングが正しい方向に向かうように、幾つかの主要な優先事項に力を入れてもらいたい。以下に4つの優先事項を挙げていく。
- 評判を築く
人々があなたのブランドを思い浮かべる際、あなたは彼らに良いことをイメージしてもらいたいはずだ。コンテンツマーケティングをあなたの代理人として、ブランドについての評判を高める手段として活用しよう。 - 露出を高める
コンテンツマーケティングは、いろいろな形であなたのブランドの露出度を高めてくれる。基本的なコンセプトを、(ソーシャルメディア等の手段を介して)シェアしたくなるようなコンテンツの作成に設定しよう。その結果、新たなオーディエンスにあなたのブランドを知ってもらえるようになる。 - オーディエンスを構築する
詳細は下記で説明するが、自分のサイト以外のプラットフォーム(例えば、他人のウェブサイトやソーシャルメディアサイト)でコンテンツを配信し、評判と露出度を上げる方法はいろいろある。しかしこうした方法は、結局、他人のスペースを借りているだけである。配信する場所にかかわらず、あなたのコンテンツを探してくれるファンを作る必要がある。オーディエンスの育成は非常に重要な要素だ。既存のオーディエンスがあなたの助けとなる度に、また新たなオーディエンスへあなたはアプローチできるようになる。コンテンツを投稿し、シェアする度に次のような波及効果が起きるのだ。
- 近づきやすい存在になる
評判、露出、オーディエンスはすべて重要だが、近づきやすい存在と感じてもらう必要もある。大勢の熱狂的なファンを獲得したとしても、ファンがあなたとの交流に疑問を抱いてしまえば、ファンを獲得したビジネス面でのメリットに制限をかけてしまう。そこで、他の人達 — インフルエンサー、および、インフルエンサー以外の人達 — と交流し、オーディエンス全体があなたを身近な存在であると理解してもらうよう、努力すべきだ。
上記の4つのポイントを適切に理解することが求められる。長い目で見れば、このアプローチこそが、最高の質のリンクをもたらし、リスクを最も軽減することができる方法なのだ。これは、人生において時に起きる奇妙な現象と通じるものがある — 欲しいものを直接求める行為を控えれば控えるほど(この場合、価値の高いリンク)、それらを得られるようになる。
最初に取り組むべきことは、ゲスト投稿。
先程も申し上げた通り、新しいコンテンツマーケティングキャンペーンは、突然、何もないところから、優秀な人材のチームと共にスタートを切ることができるわけではない。あなたには限られた人材と予算しか与えられないが、そうした状況の中、メリット(そして、実施するスキル)を証明しなければならない。
シンプルなゲスト投稿から始めると良い。私の場合、月に1度、1つ、または、2つのコラムを投稿する機会を得ている。投稿しているサイトは自分のマーケットと一致しているサイト(また、ターゲットオーディエンスにリーチできるサイト)である。ここでのゲスト投稿の内容は、コラムであることを強調しておこう。
ターゲットのオーディエンスにリーチしているサイトでコラムを書くという取り組みは、上記4つの優先事項に取り掛かる上で非常に有効である。他の人達が抱える問題の解決に役立つコンテンツを配信することで、あなたの評判を確立しよう。その結果、あなたの露出度も高まるはずだ。他社のWebサイト、すなわち、彼らのオーディエンスに対して、あなたが何かを伝える機会を与えられたのだから。
さらに、このコンテンツは、自分のオーディエンスの獲得にも貢献してくれる。なぜなら、あなたのコラムを読んだオーディエンスの一部は、あなたのコンテンツをもっと見たいと望むようになるためだ。これは、あなた自身のオーディエンス獲得するための第一歩だと言える。下記の画像で、適切な場所でのゲスト投稿がオーディエンスの増加に導く仕組みを説明している。
上記画像のサマリー部分の和訳
コラムを投稿したサードパーティのサイトからリンクとビュー数が、コラム投稿者のサイトへと流れる。
最後に、あなたのコラム対するコメントや質問には必ず返信するようにしよう。そうすることで、あなたはオーディエンスにとって、より近づきやすい存在となる。
注記: SEOを意識したゲスト投稿に対してマット・カッツ氏が警告を行ったことは私も理解している。しかし、上記の4つの優先事項は、マット・カッツ氏が指摘した内容とは異なる。あくまでも力を入れるのは、評判、認知度、オーディエンス、そして、近づきやすさである。
ソーシャルメディアでの認知度を高める取り組みもOK!
ソーシャルメディアを活かした取り組みも、コンテンツマーケティングを始める場所としては最適だ。ゲスト投稿と同じように、ソーシャルメディアでの取り組みも、ビジネスにすぐに利益をもたらすわけではないが、4つの優先事項に取り掛かる際にプラスの効果を与える。
コラムの投稿と同様、単純に時代遅れのマーケティング用メッセージを伝える配信メディアとして利用するのではなく、誰かの助けとなるコンテンツを配信することに注力しよう。そうすることで、あなたの評判、露出、そして、オーディエンスを一度に高める効果が見込めるのだ。
ソーシャルメディアでも、あなたへのコメントに返信し、オーディエンスと交流することを忘れずに。そうすることで、近づきやすい存在であることを証明することができる。
ゲスト投稿とソーシャルメディア以外にすべきこと
ゲスト投稿とソーシャルメディアは、他者のオーディエンスにあなたの存在を知ってもらえるため、コンテンツマーケティングに着手する上で最初に取り掛かるタスクとして、非常に適している。言い換えれば、あなたの潜在顧客や見込み客がすでに存在する場所を訪れることである。そうした見込み客にあなたがコンテンツを提供し、彼らが抱える問題を解決する手助けをすることで、あなた自身のオーディエンスを獲得するきっかけとなる。
しかし、彼らはあくまでも他者のオーディエンスである。Facebookが良い例だが、利益を発生させることが最優先事項になれば、自身の広告用のプラットフォームに多くのトラフィックを発生させることに注力し始め、(Facebookから見た)第三者の投稿の露出を低めてしまうだろう。他のソーシャルメディアも同様のことを行うかもしれない。また、ゲスト投稿も、将来的には同じ道をたどる可能性がある。
こうした理由から、あなたは別の種類のコンテンツマーケティングキャンペーンにも取り組み、自分のサイトで直接オーディエンスを構築する試みを始めるべきである。つまり、他者のオーディエンスから、自分自身のオーディエンスへ、獲得する対象を転換することが重要なのだ。
今回の投稿は基本的な概念の説明となっているため、自身のオーディエンスを獲得するためのアプローチを詳しく説明することは控えたいと思う。しかし、ゲストコラムとソーシャルメディアにおける取り組みをしっかりと行えば、あなたは強力な基盤を獲得することとなり、それはあなたのコンテンツマーケティングを次のレベルへ押し上げる原動力となるだろう。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではありません。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Your First Steps In Content Marketing」を翻訳した内容です。