最新のペンギンアップデート3.0(日本語)が、広範囲にわたって展開されたのか、あるいは、限定的に展開されたに関して、何度も議論が行われてきた。この記事では、規模について結論を出すわけではないが、集めた情報を整理し、今後何が起きるのか推測していきたいと思う。
GoogleのアップデートはあくまでもGoogleに対するアップデートである。この点には満場一致で納得してもらえるはずだ。そして、私達の知る限り、ペンギン 3.0は英語のクエリの1%以下に影響を与えている。SEOに関してはお馴染みのことだが、自分達が持っている情報を用いて、自力で謎を解明していかなければならない。
そのため、大きなアルゴリズムの変更が行われる度に、出来るだけ多くの情報を集め、その後、データをつなぎあわせて、何が起きたのか、そして、次に何が起きるのかを理解する試みを行うことになる。
弊社、AWRはGoogle アルゴリズム変更ツールの開発に伴い、アルゴリズムの変更の影響を独自で調査している。
私達が集めたデータによると、ペンギン 3.0によって、ランキングに大きな変化が生じていたようだ。とりわけ、10月18日と10月19日の変化は激しかった。総合的に見ると、ランキングの変化の規模は4.4に該当する。
ちなみに、今まで最も大きなランキングの変更の規模は5.6であり、 ランキングシグナル — HTTPS/SSLアップデートが行われた最中であった。
チャートの説明: Ranking Changes Factor(ランキング変化の要因)は、弊社のデータで判明した変化を基に算出された値である。このデータには、様々な業界にまたがる1万点のキーワード、そして、50万本のURLが含まれる。 また、データは毎日アップデートされており、変更の激しさを表している。
Overall(総合)セクションは、弊社独自のアルゴリズムを用いて導き出されるRanking Change Factorを表示する。Top 10-50のセクションは、(以前の日時と比べて)ランキングが変わったウェブサイトの数と%(ウェブサイトの総数と影響を受けたウェブサイトの数の比率)を表す。
インパクトを受けるウェブサイトが多ければ多いほど、アルゴリズムのアップデートの重要度は高いと言える。チャート内の青い線は弊社が計測する全てのウェブサイトの自然なSERPのビジビリティを表しており、サイトのランキングがアップすると上がり、ランキングが落ちると下降する。
ペンギン 3.0、低いランキングのウェブサイトを攻撃
Ranking Change Factorの計算に加え、私達は検索結果の範囲におけるインパクトに注目した。その結果、今回のアップデートは、とりわけ、SERPの2ページ目以降のサイトを狙っていることが判明した。
1ページ目に掲載された10サイトのうち、ランキングが5つ以上変動したサイトは1サイトのみであった(スクリーンショット 1)。しかし、範囲を広げて50位までの結果を盛り込んだところ、影響を受けたサイトの%は大幅に高くなり、36.2%に達することが分かった(スクリーンショット 2)。
ペンギン 3.0はSERPにおいて劇的な変化を多数起こしたわけではない。データを見る限り、10位以内のページで10以上ランキングを下げたページは1ページにも満たない(7.7%):
この数値が高かったら、激震が走っていたはずだ。10位以内のサイトが10以上ランキングを落とすと一大事だが、ランキングの低いサイトは変動しやすい。
国によって異なるペンギンの動き
ペンギンアップデートは全世界に展開されているため、世界の言語および地域がこのアップデートのインパクトを受けている。しかし、ペンギン 3.0に関しては、アメリカ国内と国外では動きが異なることが明らかになっている。
Google.com(アメリカ)ではペンギン 3.0の影響はアップデート直後の10月18日に現れていたが、その他の国にこのアップデートが展開されたのは少し時間が経ってからであった。例えば、Google UKでは影響が表面化したのは10月20日に入ってからだ:
Google Germanyでは、ペンギン 3.0は検索結果に大きなインパクトを与えていない:
現時点では、実験段階であり、数ヵ国のデータしか処理していない。しかし、これは調査を行う上で面白い方向性であり、また、Google.com(アメリカ)以外を利用するサイトのオーナーにとって、ランキングの変動時の目安として参考にするには、うってつけのデータだと言える。
結論
ペンギン 3.0がサイトに与える影響は、ランキング、そして、SERP上のライバル(そして、その他の多くの未知の要因)に左右される。
Googleの動きに注意していなければ、何が起きたのかを理解することは出来ない。弊社は常にGoogleの動向に注目しており、何か変わったことがあれば報告する。
最後に、コメント欄、そして、Twitter(Google Algorithm Changesに#gacを利用している)を介して意見を聞かせてもらいたい。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Google’s Penguin 3.0 Is Playing Out Across The Web」を翻訳した内容です。