ここ数ヵ月のプライベートメッセンジャー業界の飛躍的な成功は、耳を塞いでも聞こえてくるほどのレベルに達している。
まず、2月には、Facebookがなんと160億ドルもの大金を投じて、独立型のメッセンジャーサービス、WhatsAppを買収した。同時期、今度は、楽天が、チャットアプリのVibeを9億ドルで買収した。続いて、3月には、スタートアップのメッセンジャーサービス、Tangoが、2億8000万ドルの資金を調達していた。この会社の価値は、Forbesによると、10億ドル以上と見積もられていたようだ。
この記事と併せて、「ソーシャルネットワークがプライベートメッセンジャーサービスに走る理由」に目を通してほしい。
メッセージ送受信を補足的な機能と見ているソーシャルメディアプラットフォームが、この流れに必死でついていこうとするのは、当然と言えば当然である。
木曜日、VineがVine Messagesをリリースし、プライベートメッセンジャーの分野への進出を果たした。Vineが、Facebook(MessengerアプリとInstagramアプリはともにメッセンジャー機能を提供している)とSnapchatを意識していることは明白である。
しかし、このようなサービスにはどんな違いがあるのだろうか?どんな長所、短所があるのだろうか?これから簡単に説明していこう。
Vine Messages
提供開始年月: 2014年4月にデビュー
長所:
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Vineの動画製作機能を含む(ストップモーション、グリッド線)。
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テキスト、動画メッセージを送信することが出来る。
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Vineを利用中ではないユーザーにもメッセージを送信することが可能。
短所:
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グループメッセージを作成することが出来ない。
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静止画像を送信することが出来ない。あくまでも動画のみ。
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カメラロールから動画を送信することが出来ない。
最適な利用法: 工夫を加えた動画を送信する。
概要: Vineのプライベートメッセンジャー機能は最も新しく、他を寄せ付けない動画機能(ストップモーションやグリッド線)により、動画メッセージにおいて人気を集めるだろう。しかし、カメラロールから動画を送信することが出来ず、また、グループメッセージ機能も提供されていないため、メッセンジャーサービスとしては、有効とは言い難い。
Instagram Direct
提供開始年月: 2013年12月にデビュー
長所:
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写真や動画にフィルターを加えることが可能。
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テキスト/動画メッセージを送信することが出来る。
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グループメッセージを送信することが可能。
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カメラロールから既存の写真と動画を送信することが出来る。
短所:
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Instagram上のユーザーとしかメッセージをやり取りすることが出来ない。
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Vineのようなストップモーション動画を利用することが不可能。
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写真を正方形に切り取らなければいけない。
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グループメッセージは最大15名に制限されている。
最適な利用法: フィルターを用いた芸術的な写真や動画をフィルターを送信する。
概要: Instagramは、昨年の12月に大々的な宣伝と共にこのメッセンジャー機能をデビューさせるものの、あまり話題に取り上げてもらえていない(昨日取り上げられていたものの、あまりポジティブなニュースではなかった。俳優のジェームズ・フランコがInstagram Directを使って、17歳のファンをナンパしていたようだ)。
この機能は、Instagramにダメージを与えることはないが、メジャーなプレイヤーになれるほどの価値を与えいるわけでもない。
Facebook Messenger
提供開始年月: 2011年8月にデビュー
長所:
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個人またはグループのメッセージを送信することが出来る。
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気に入った、または、頻繁に利用するグループを今後のために保存することが出来る。
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Wi-Fiを使ってFacebookの友達に無料で電話をかけることが可能。
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カメラロールから写真を送信することが出来る。
短所:
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動画メッセージを送信することが出来ない。
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アプリを介して写真を撮ることが出来ない。
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写真のフィルターが用意されていない。
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Facebookを利用中のユーザーにしかメッセージを送信することが出来ない。
最適な利用法: 電話番号を失くしたFacebookの友達と連絡を取る。
概要: このアプリは最も安定している。Messengerは2014年に大活躍するのではないだろうか — 昨年の10月、Facebookは、このアプリのデザインを変更し、スピードアップを実現した(テキスト送信に近い)。また、マーク・ザッカーバーグCEOは、同社の第一四半期の業績報告で、Messengerに何度か触れていた。
しかし、その後、Facebookは、160億ドルで独立型メッセンジャーアプリのWhatsAppを買収したが、Messengerは、どこにフィットするのだろうか?Messengerは、Wi-Fiでの無料通話に対応しており、ザッカーバーグCEOによる世界をインターネットでつなげる取り組みがまた一つ増えたことになる。
Twitterのダイレクトメッセージ
提供開始年月: 2006年11月にデビュー
長所:
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テキスト/写真のメッセージを送信することが可能。
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アプリを介して写真を撮る、もしくは、カメラロールから写真を送信することが出来る。
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フィルターおよび写真編集ツールが用意されている。
短所:
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グループメッセージを作ることが出来ない。
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動画を送信することが出来ない。
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フォローしているユーザーにしかメッセージを送信することが出来ない。
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フォローしているユーザーからしかメッセージを受信することが出来ない。
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メッセージが140文字に制限される。
最適な利用法: プライベートでツイートのやり取りを継続する。
概要: TwitterのDMは、Twitterの立ち上げ当初から提供されている。意外にも、この機能は、8年間以上の間進化していない。12月の時点で写真メッセージを送信することが可能になったが、動画を送信することも、グループメッセージを作ることも出来ず、また、メッセージは140文字に制限されている。そのため、簡素な機能と呼ぶべきだろう。
メッセージを送信することが可能な人物に関するルールは有難い — フォローしていないユーザーにスパムされる心配がないためだ — ただし、メッセンジャー機能を制限するデメリットも持っている。進化する余地は十分に残されており、Twitterならやってくれそうな気がする。
Snapchat
提供開始年月: 2011年7月にデビュー
長所:
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メッセージが消える — なんでも好きなものを送ることが出来る。
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写真 / 動画のメッセージを送信することが可能。
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写真に絵を書き込んだり、落書きをしたりすることが出来る、あるいは、タイプしたメッセージを含めることも出来る。
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お望みなら24時間保存することも可能。
短所:
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メッセージが消える – 取っておく必要があるメッセージは送ることが出来ない。
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画像をキャプチャされる可能性がある(きっとキャプチャされる)。
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テキストの文字数が制限されている。78文字以上はフィットしない。通常はもっと少ない。
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テキストのみのメッセージを送信することが不可能。
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継続して送信するグループメッセージを作ることが出来ない。
最適の利用法: 間抜けな、または不適切な写真や動画を送信する。
概要: Snapchatは気楽に利用することが出来る — これも長所の一つに挙げられる。しかし、真剣にメッセージをやり取りするなら、役に立たない。また、グループメッセージ機能も欠けている。楽しいアイテム、間抜けなアイテム、不適切なアイテムで、受け取る側が短期間しか見ることが出来ないものを送信したいなら、うってつけである。
当然ながら、受け手に画像をキャプチャされる危険はある。そのため、ある程度羽目を外しても構わないが、外し過ぎるべきではない — もしくは、もっと信頼のおける友達を作ろう。
何か付け加えたい点があるなら、コメント欄で発表してもらいたい。
この記事は、Mashableに掲載された「Messaging Wars: Vine vs. Instagram, Facebook, Twitter, Snapchat」を翻訳した内容です。copyright permission no.: 110250, via wrightsmedia.com.