Click Z Live Chicago-次世代のWebサイト・ユーザビリティとSEO。最高のユーザー体験を提供するための方法とは。

優れたWebサイトを構築するためには、提供するサービスだけではなく、サイトの使いやすさやレイアウトなども考慮に入れる必要があります。こうした様々な要素を高めることで、ベストなユーザー体験を提供することができますが、どういった基準で考えればよいのでしょうか?– SEO Japan

原題:Next-Generation Website Usability: How to Optimize Your Site for the Best User Experience
Speaker:Shari Thurow, Founder & SEO Director, Omni Marketing Interactive

ユーザーエクスペリエンスとは何か?

避けたいこと
あなた自身の、マーケティング部門の、デザインチームの、技術チームの個人的な意見は全て避けるべきだ。ユーザーエクスペリエンスとはユーザーについてであるべきなのだ。

ユーザーとどう関わるべきか?
例えば、10代の場合は、細かいことは気にしないだろう。彼らとどう関わっていくべきか?ドクターのように患者を理解し、患者が理解できる言葉を用いて説明する。Webも同様だ。例えば、日本の場合は地方によって言葉が違うし、男女の違いもアメリカより大きい。そうした違いは理解するべきだ。

ユーザーエクスペリエンスとは(いくつかの定義)
“ユーザーエクスペリエンスとはエンドユーザーが企業、サービス、商品にかかわる全てのことに関係する。”
“ユーザーエクスペリエンスをデザインする場合の対象は、インターフェイス、レイアウト、ビジュアル、テキスト、ブランド、サウンド、相互関係の全てを含む。これらの要素をコーディネートすることでユーザーとのベストな関わり方を構築することができる。”

ユーザーエクスペリエンスを向上させよう

ユーザーエクスペリエンスの7つの要素
1.Usable(使用可能な状態であること)
2.Findable(発見される状態であること)
3.Useful(便利であること)
4.Valuable(価値があること)
5.Credible(信頼性があること)
6.Desirable(望まれているものであること)
7.Accessible(アクセス可能であること)

1.Usable
名詞にするとUsability(ユーザビリティ)。そして、ユーザビリティはユーザーエクスペリエンスではない。また、個人的な意見でもない。Webサイトにおけるユーザビリティはタスクとゴールが常に存在する。あなた自身が設定し、到達できるものだ。

ユーザビリティとは
Webサイトがユーザーの求める特定の行動を、効果的に、効率的に、満たすために使用されるようにすること。

ユーザビリティにおける6つの要素
1-1.Effectiveness(有効性)
1-2.Efficiency(効率性)
1-3.Learnability(学習しやすいサイトか)
1-4.Memorability(容易に覚えてもらえるか)
1-5.Error Handling(エラーハンドリング)
1-6.Satisfaction(充足感)

1-1.Effectiveness(有効性)
訪問者はあなたのWebサイトで目的を完了できるか?できていない場合は、どんな要素がユーザーの煩わしさやあきらめを生み出しているのか?例えば、サインインか登録のみのサイトである場合は、チェックアウトもできるようにしよう。

1-2.Efficiency(効率性)
訪問者があなたのサイトで特定のタスクを終えるまで、どのくらいの時間がかかるか?ステップはいくつ設定しているか?

ヘルプ画面について
注目すべきはヘルプタイムとプロダクティブタイム。ヘルプタイムは問題が生じたときにユーザーがそれを解決するまでの時間。プロダクティブタイムは、ユーザーがヘルプを使用しない、生産性のある時間の総量。また、全てのサイトはサポートセクションを作成するべきだ。なぜなら、全てのユーザーを完璧に満足させるサイトなどは存在しないのだから。

1-3.Learnability(学習しやすいサイトか)
訪問者が今まで一度も訪れていない場合、あなたのサイトの使い方を学ぶまで、どのくらいの時間が必要か?また、容易に行うことができるか?ナビゲーション、ラベリング、クリック(タップ)ボタン、などが対象になる。ナビゲーションはわかりやすく設置しよう。

タブレットで行うべきこと
・タップ可能な領域は、タップ可能に見えるようにし、実際にタップ可能にする。
・意図しないタッチを防ぐ。多くのクリック可能なボタンを限られたスペースに配置しない

・読みやすいよう、高いコントラストを用いる。Color Contrast Checkerでは、色覚障が
いのユーザーでもはっきりと読むことができるかを確認できる。タブレットに求められるフォントサイズは異なることを忘れないこと。

タブレットで行うべきでないこと
・インフォメーションアーキテクトの概念を含まない。
・一般的なタブレットにおける操作(タップ、フリック、ピンチ等)に対応していない。

1-4.Memorability(容易に覚えてもらえるか)
以前訪問したユーザーが、目的を再度達成するために、どの程度簡単に早くあなたのサイトを思い出すことができるか。サイトのことを覚えてもらえれば、再度訪問しくれるようになる。

1-5.Error Handling(エラーハンドリング)
どういったエラーを、どのくらいの頻度で、ユーザーが典型的に犯すか。サーバーのエラーは起こりやすいか?また、こうしたエラーからの回復は、どの程度かかるか?

1-6.Satisfaction(充足感)
ユーザーはあなたのサイトをどの程度気に入っているか?ユーザーはあなたのサイトを友人に薦めたいと思っているか?

ユーザービリティのまとめ
・ユーザービリティは個人の意見ではなく、完了すべきタスクだ。
・ユーザービリティのテストはユーザーが何を行うかだけではなく、なぜ行うかを明らかにする。
・ユーザービリティのテストには、上記6つの基準を使用しよう。

2.Findable
名詞はFindability(ファインダビリティ)。ロケーションとナビゲーションの質についての基準。特定の目的が簡単に発見されるようになっているか?システムや環境がどの程度ナビゲーションと検索をサポートしているか?

ファインダビリティにおける3つの要素
理想的な状況は、コンテンツが、ブラウジング、他人への質問(会話)、検索、の3つを経由して発見されるようになっていること。ソーシャルでの露出(最適化)、検索エンジンの最適化、検索広告、の3つを駆使すると言い換えることもできる。ファインダビリティの対象はユーザーとテクノロジー(検索エンジン)だ。両方のニーズを満たすための、インフォメーションアーキテクトを目指そう。

3.Useful
名詞はUsefulness(利便性)。その商品、サービス、情報、ナビゲーション、検索機能はユーザーにとって便利であるか?利便性のあるコンテンツはリンクを獲得しやすく、ソーシャルでの拡散も期待できる。ツール、ハウツーやアドバイス、動画、参照記事やガイドなどが例に挙げられる。リンクビルディングはサイトの構築段階から組み込むべき概念だ。

4.Valuable
組織の目的は、ROIの達成と顧客満足度の向上の2つにある。そのためには、ユーザーの目的と期待を満たさなければならない。

5.Credible
名詞はCredibility(信頼性)。そのサイトが提供するものを、ユーザーが信頼し、信用することに影響する要素。テキスト、ラベル、継続的な発行などの要素がある。スタンフォード大学による、Webサイトの信頼性を高めるためのガイドラインを参照して欲しい。サイトで使われる色も影響する。例えば、アメリカではオレンジは警告とチープなイメージがある。

6.Desirable
そのコンテンツは、ユーザーから本当に求められているものか?望まれているコンテンツは、イメージのパワーと価値、アイデンティティ、ブランドやその他の感情的な要素に訴えかける。

色について
エモーショナルなデザインは単純に見かけ以上の効果を産む。また、個人の主観・好みで決定されるべきではない。例えば、色は地域、性別、心理状況、認識のされやすさ、などの様々なコンテクストによって意味が決定される。紫は男性にとっては最も魅力的なカラーだ。黄色はインドではハッピーな色だが、アメリカでは危険を意味する。

7.Accessible
ユーザーとテクノロジーの両方にとってアクセス可能にしなければならない。Webサイトは(全人口の10%以上もいる)障がい者にとってもアクセス可能であるべきだ。Facebookのロゴが青である理由をご存知じだろうか?マーク・ザッカーバーグ氏は色覚障がいなのだ。特定の色が見えない人に配慮したカラーバリエーションが望まれる。

開発者とデザイナーとのバランス
機能性とデザイン性を巡ってしばしば議論になるだろう。そうした場合は、ユーザーエクスペリエンスの定義から始めてみよう。それぞれの個人的な意見は必要ない。チェックリストを提示してそれらを満たしているかを確認させるのだ。チェックリストに含める要素は、上記の7つを参考に。決定が難しければ、ユーザービリティディレクターという担当を作るのも一つの方法だ。また、アナリティクスはコンテクストを伝えてはくれない。人と話すのが一番の近道だ。

まとめ
・ユーザーエクスペリエンスはオフラインの世界にも影響を与える。
・ユーザビリティはユーザーエクスペリエンスではない。しかし、ユーザーエクスペリエンスの決定的な要素だ。
・ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、上記7つの要素を意識しよう。

複数の要素がありますが、うまくまとめてくれたセッションだと感じています。検索エンジンと障がい者(全人口の10%以上とは知りませんでした!)を含めたユーザーの両方を満たす設計、ということを強調していました。いわゆるSEOで気にする点とは異なるものばかりでしたが、こうした点を改善し、顧客満足度を高めることで、結局はSEOの目的も達成できるのかもしれません。サイト設計者やシステム担当との兼ね合いは難しいとは思いますが、ぜひとも挑戦したい分野ですね。
– SEO Japan

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。