SEOの考慮が正しくできたショッピングカートのシステムはあるか


結論から言うと、

「ない」

のである。
ひょっとして私が無知なだけですでにあるのであれば教えて欲しい。
ブログで宣伝させてもらうので、連絡いただけたら幸いである。
このサイトからリンクするので、少しは被リンクの効果があるかも知れないし、また多少なりとも宣伝の効果もあるかも知れない。

私としては中小零細企業の販促のお手伝いをさせていただいているのだが、その中で前からとても困った課題に直面している。
それは、

「SEOの考慮が正しくできたショッピングカートのシステムがないことである」

中小零細小売店は大手のECモールに参加していることがほとんどなのだが、これはいわば鵜飼のようなシステムだ。
ひとたび参加すると離脱できない。
条件を決められて不満であっても、店舗側からはどうする術もない。

大手のECモールは徐々に条件を悪くしているが、それでも離脱することができないので泣く泣くそのままやるしかないのだ。

私は大手のECモールがあることを否定しているわけではない。
消費者から見た時には大きな利便性がある。
また店舗側からも全く自前のインフラやノウハウがなくてもECを始めることができるのはメリットだ。

最初はいいかも知れない。

しかし、

料率が高く粗利益を圧迫する。
顧客の名簿が自店の財産にならない。
購入した人に自店の存在を覚えさせることが難しい。

といったデメリットが長期にわたって継続するにつれて顕在化する。

なので、完全に離脱できないとしても、独自サイトへ徐々にシフトしたいと考えるのはごく自然な流れである。
しかし、これが難しい。

大企業はではどうしているのか?
自社で独自のシステムを開発して営業しているのが普通だ。

この手の決済や在庫管理を伴うシステムは開発規模が大きくなるのが普通で、少なく見積もっても1千万円に近いほうの数百万はかかってしまう。
大手の場合であれば、数千万円、数億円といった投資になることもある。

こんな規模の投資ができない中小零細企業は、永遠に依存し続けなければならないのか?

選択肢は二つある。

1.EC-Cubeといったシステムを使って自社で運用する。

これは金銭的な負担は少ないものの技術的に非常に難しい。
中小零細企業がおいそれとできるようなものではない。
まったくインフラ知識がないような商店主ができるようなものでは全くない。

PHPをちょろちょろ触って何とかなるWordPressなんかと違う。
商品数が増えてきたときに実用に耐えるだけのパフォーマンスを出すためには、データベースやサーバの知識が必要になってくる。

システムのアップデートも非常に難しく、プラグインが動かなくなるといったことも発生する。
そんな時にもサポートしてくれるベンダーがほとんどない。
技術力がないとどうにもならないと言ってもいい。

2.ショッピングカートを使って移行する

一般的に取りうる選択肢はこちらしかない。
この選択肢においてはECモールと違い、集客は自ら行わねばならない。

SEOへの十分な考慮が死活的に重要なのだ。

私が調べた限りにおいてこれができているショッピングカートはない。
現在サービスを提供しているほぼすべてのショッピングカートが、

SEO対応

をうたっているが充分とは全く言えない。ここで言うSEO対応というのは、titleタグやmetaタグが編集できるといった程度のものである。
こんなことはできて当たり前で、ECサイトに求められるSEOはもっと様々な考慮が求められる。
SEOのコンサルタントとして高名な某氏とゆっくり話をする機会があったので、そのあたりを聞いてみたのだがやはり彼も、

「ちゃんとSEOの考慮ができてるショッピングカートはないね。」

という見解だった。

私の考えるショッピングカートで最小限必要と考える機能を上げておこう。
これはあくまで十分なものではなく、必要最小限として思いつく限りだ。
だが、この程度を満たしているものがないのが残念である。

  1. ECモールとの在庫連動
    これがないと集客以前に話にならない。
  2. ブログ機能
    WordPressやMTといった充実した機能を持つCMSを同一ドメインで動かすことができる。
    これがSEOのキモとなる部分なのだが、これが非常に難しい。
  3. noindex・nofollow対応
    商品画像のポップアップといった検索エンジンから見て意味のないページへのリンクをnofollowにしたり、ページそのものをnoindexにできる。
  4. 類似ページ正規化
    単に色違いであるだけといったページについてcanonicalで正規化する、あるいは代表的なページ以外をnoindexにすることができる。
  5. 同一コンテンツ別URLの生成への考慮
    商品一覧を見たときに1ページ目は、
    /item/
    で、2ページ目を見た時には、
    /item/page2/
    それで1ページ目に戻ってきたときに、
    /item/page1/
    となってしまうようであれば駄目である。完全に同一の内容であるにもかかわらず2つのURLが生成されるのはNGだ。
  6. sitemapの生成
    これは人間が見るsitemap.htmlと検索エンジンが見るsitemap.xmlの2つだ。

特に1.2.が死活的に重要、他も重要である。

私はかつてこのようは要件を満たすショッピングカートがないかECのソリューションの展示会を見に行って、ブースの担当者に聞いてみたことがある。
でもやはりできないという見解。

ある担当者は、

「できるんですよ。でもどこもやらないのはコストがかかるからですよ。」

といったSEOおたくは全くやだねえみたいな態度であった。
おたくどころの話ではない。
この程度ができず何がSEO対応なのだかちっともわからない。
SEOのイロハのイであって、これができていないというのは不勉強だからであり怠慢であると私は思う。

多くの中小零細企業は困っているのだ。

この記事を読んだら是非取り組んでいただきたいと思う次第なのである。