こんにちは、SEOコンサルタントの谷藤(@go_tanifuji)です。
SEOの情報はネット上に溢れかえっています。
しかし、その中には間違った情報もあり、その見極めが難しいのが現状です。
効果がない施策を行ってしまうのはまだいいのですが、逆効果になる施策を行ってしまい、順位を大幅に落としてしまうケースをよく見かけます。
今回はその中でも影響度が大きいものをピックアップしましたので、あなたのサイトが間違った施策をしていないか確認してみてください。
*この記事は2021年7月1日に社員ブログで公開した記事をブラシュアップした内容になります。
noindexの誤使用
noindexはGoogleにインデックス対象外、つまり評価対象外にしてほしいと伝える際に使用します。
強力なシグナルをGoogleに伝えるため、誤った使用をしてしまうとSEOに与えるダメージはかなり大きいものになります。
カテゴリーページにnoindexを設定
「カテゴリページは重複コンテンツになるからnoindexを設定しましょう」という情報をよく見かけます。
これは誤りです。
Googleはカテゴリページをインデックスさせることを推奨しています。
Make Category Pages Indexable & Internal Search Pages Non-indexable
●引用元:Google Webmaster Hangout Notes: November 12th 2019 – DeepCrawl
カテゴリページはインデックスさせ、サイト内検索ページはnoindexさせるのがいい
カテゴリページは関連性のある記事を束ねているページですので、Googleからの評価は高いです。
例えばGoogle検索で「ポロシャツ」と検索すると、1位が「ZOZOTOWNのカテゴリページ」です。
ZOZOTOWNのカテゴリページが獲得しているトラフィックは、サードパーティツールで計測すると月間 約1,200,000です。
仮にカテゴリページにnoindexを設定してしまった場合、このすべてのトラフィックを失うことになります。
「All In One SEO Pack」でのミス
WordPressの人気のプラグインで「All In One SEO Pack」があります。
この中に「noindex設定」があるのですが、下記のように「カテゴリにnoindexを使用する」にチェックを入れることを推奨しているサイトをよく見かけます。
この設定をしてしまうと、カテゴリページにnoindexが設定されてしまいますので、設定しないようにして下さい。
●参考:「All In One SEO Pack」でよくある、SEOの致命的なミス
noindexで正規化を行う
正規化とは、重複コンテンツがある場合に正規ページを指定することで、Googleからの評価を1つに統一することをいいます。
こうすることで、検索結果に出したいページを決めることができます。
Googleが推奨している正規化の方法は下記の4つです。
- rel=”canonical”を使用する
- canonical HTTP ヘッダーを使用する
- 301 リダイレクトを使用する
- sitemap.xmlを使用する
しかしnoindexを非正規ページに設定して正規化をするケースを見かけます。
これを行ってしまうと、非正規ページから正規ページへ評価が引き継げなくなります。
Googleも下記のように、正規化にnoindexを使用することを推奨していません。
重複コンテンツに対しては noindex よりも rel=”canonical” を使うことを私は勧める。
noindex というのは、「このページは何もインデックスしてはいけない」と私たちに指示することになる。
rel=”canonical” は、「このページは実際は、別のこちらのページと同じだ」と私たちに指示することになる。両方のページのすべてのシグナルを集めて1つに統合できるから、rel=”canonical” は私たちの助けになる。
●引用元:重複コンテンツ対策にはrel=canonicalを推奨、noindexタグではシグナルがすべて失われる | 海外SEO情報ブログ
実際に相談された内容で、「○○というキーワードでAページを上げたいんですど、Bページが上がってしまいます。そのためBページにnoindexを入れてみました。そうしたら、順位が前より下がってしまいました。なぜでしょうか?」というものがありました。
下記は実際に下落したキーワードの「順位」と「ランディングページ」の推移です。
グラフの色の違いは、ランディングページの違いを意味しています。
元々は黒色のグラフが示しているBページが6位にランキングしていました。しかし、Bページにnoindexを入れた後に順位が下落。
その後、青色や水色などが示すページが代わる代わるランキングしているのは、正規ページを失ったために、Googleがどのページを代わりに正規ページにしたらいいかわからなくなり、混乱している状態を表しています。
そしてGoogleがBページ以外のページを代わりにランキングさせようとしますが、Bページの評価がどのページにも引き継がれていないために順位が下がってしまうのです。
テスト環境にnoindexを使用する
テスト環境で作業中の際、インデックスされないように「noindex」を入れる方法があります。
しかし、ローンチの際にnoindexを外し忘れ、そのまま本番環境へ反映させてしまったときにミスが起きることがあります。
すべてのページにnoindexが入っている場合、サイト自体がインデックスされなくなるため、すべてのキーワードで下落します。
このようなことがないように、そもそもnoindexを使用するのではなく、Googleが推奨している「ユーザー認証」か「IP アドレス制限」を検討してみてください。
●参考:English Google Webmaster Central office-hours from September 4, 2020
被リンクが張られているページを無効化させてしまう
Googleはランキングシグナルのトップ3に「被リンク」が入っていることを明言しています。
Google’s Andrey Lipattsev reveals links, content and RankBrain are the top three ranking signals in Google’s search algorithm.
GoogleのAndrey Lipattsevが、被リンク、コンテンツ、RankBrainがGoogleの検索アルゴリズムで上位3位に入っていることを明らかにした。
●引用元:Now we know: Here are Google’s top 3 search ranking factors | Search Engine Land
しかし、被リンクが張られているページを無効化してしまうことで、被リンクの力を有効活用できていないケースをよく見かけます。
被リンクが張られているページにnoindexを設定
noindexはGoogleに評価対象外にしてほしいと伝えるものですので、そのページに張られている被リンクの効果を無効化されてしまいます。
よくあるケースは「終了したイベントページ」です。
イベントを行う際にキャンペーンを行い、イベントページに被リンクが多く張られたのにも関わらず、イベント終了後にイベントページを検索結果に出ないようにするためにnoindexを設定してしまうというものです。
対応策としては下記のようなものが挙げられます。
- イベントが終了した旨を記載してnoindexを外す
- イベント一覧ページに301リダイレクトを行う
被リンクが張られているページを削除(404ページ)
404エラー(削除されたページ)の場合、しばらくするとnoindexを設定したのと同じ状態、つまりインデックスから削除されます。
そのためnoindexのケースと同様に、被リンクが張られていても、 その効果を失うことになります。
対応策としては、移行先のページが存在するのであれば そのページに「301リダイレクト」をします。
もしなければ、下記のように「上位階層のページへ301リダイレクト」を行います。
事例紹介:大手出版社のオウンドメディア
被リンクを受けているページが削除されていることで、被リンクの力を失っていることがわかりました。
そのため「被リンクを受けているページ」を「移行先のページ」へリダイレクトすることで、被リンクの力を復元しました。
その結果、自然検索流入が「40%増加」し、
下落していた主要キーワードが「1位」に回復させることに成功しました。
削除ツールの誤使用
Search Consoleに「削除ツール」というものがあります。
この機能は「一時的にGoogleの検索結果から、指定したページを表示させなくさせる」ものです。
そのため利用用途としては、機密情報を誤って検索結果に出してしまった場合に、早急に検索結果から削除したい場合などが想定されます。
削除ツールで正規化を行う
「削除ツール」と聞くと、指定したページをインデックスから削除するように聞こえますが、これは間違いです。
あくまでGoogle検索結果から一時的(6か月間)に表示させなくするものであって、インデックスを削除するものではありません。
そのため、約6か月後には検索結果に表示されるようになります。
リクエストによってページがブロックされる期間は約 6 か月間です。この期間が経過すると、ブロックされていた情報が再び Google 検索結果に表示されるようになります
●引用元:削除ツール – Search Console ヘルプ
しかし、この機能を勘違いして正規化で使用されてしまうケースがあります。
例えばSSL化を行った際に、『「http」はもう使用しないから削除ツールでなくしてしまおう』 という内容です。
これを行う人のイメージは下記のようになっているはずです。
しかし、実際は下記のように「http」だけでなく「https」も削除対象になります。
なぜかといいますと、この削除ツールは1つのバージョンのみを削除するものではなく、すべてのバージョン(httpとhttps、www有りとwww無し)を削除するものだからです。
残したいバージョンが残ることはなく、URL のすべてのバージョン(http と https、www ありと www なし)が削除されてしまう可能性があります。
●引用元:削除ツール – Search Console ヘルプ
削除ツールの誤使用(?)でサイトが消滅した事例
2020年5月に大手ソーシャルメディア「LinkedIn」がGoogleの検索結果から消滅するという出来事が起きました。
アメリカのWEBメディア「Search Engine Roundtable」の記事では、削除ツールの誤使用が原因ではないかと推測しています。
LinkedIn側から正式な発表はなかったため、真相はわかりませんでしたが、実際に起こりえる内容です。
仮にこのような事態になった場合は、「リクエストキャンセル」を行うことで元に戻すことができますので、あわてず下記の手順で行ってください。
検索結果からの一時ブロックをキャンセルするには:
1.削除ツールを開きます。
2.履歴テーブルでリクエストを見つけます。
3.リクエストの横にあるメニューボタンをクリックして、[リクエストをキャンセル] を選択します。
●引用元:削除ツール – Search Console ヘルプ
robots.txtでリソースをブロック
robbotx.txtはクローラを制御する機能を持ちます。
大規模サイトでは重要なページにクローラが効率にクロールするように、不必要なページをクロールしないようブロックさせることがあります。
この考えから下記のようにCSSやJavaScriptまでもブロックしてしまうケースがありますが、これは誤りです。
これを行ってしまうと、CSSやJavaScriptが読み込まれないページでの評価をGoogleがしてしまい、本来の順位より低くなる可能性があります。
新しいガイドラインでは、最適なレンダリングおよびインデックス登録のため、ページ内で使用している JavaScript、CSS、画像ファイルに Googlebot がアクセスできるようにする必要がある、としています。サイトの robots.txt を使って Javascript や CSS ファイルのクロールを拒否するように設定すると、Google のアルゴリズムによるコンテンツのレンダリングとインデックス登録を妨げ、最適な結果が得られなくなる可能性があります。
●引用元:技術に関するウェブマスター向けガイドラインを更新しました | Google 検索セントラル ブログ | Google Developers
「サブディレクトリ」から「サブドメイン」への移行
Googleはサブドメイン(あるいは、サブディレクトリ)で区切られた部分は、状況によっては別のサイトとして認識されることがあると説明しています。
そのため別サイトとしてGoogleに認識されていたサブドメインをサブディレクトリに移行した場合、別々だったサイトが1つのサイトと認識されることで、ランキングが上昇することがあると述べています。
別サイトとして Google に認識されていたサブドメインをサブディレクトリに移行した場合、別々だったサイトが 1 つのサイトとして認識されるようになり検索結果での状態がよくなることがありうる
●引用元:ドメインオーソリティに似ていなくもない指標をGoogleは持っている。サブドメイン vs. サブディレクトリは「サイト」の区分けに依存する | 海外SEO情報ブログ
逆をいうと、1つサイトとして認識されていたサブディレクトリをサブドメインへ移行することで別々のサイトとして認識されてしまうことがあるということになります。
例えばサブディレクトリで運営していたコラムをサブドメインへ移行するというケースです。
実際にあった例で、 サブドメインへ移行後は下記のように順位が下落しました。
まとめ
「noindex」、「削除ツール」、「robots.txt」はどれもSEOに強い影響を与えます。
SEO歴11年の私でも、この3つを使用するときは緊張します。
そのため正しい使用方法を理解してから活用しましょう。
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では、また次の記事でお会いしましょう!
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