ロックアップ期間終了はSnapの株価に悪いニュースか

ここ数ヶ月不安定な値動きを見せてきたSnapだが、いよいよ7月31日から一部関係者の株の売却が可能になった。

これはロックアップ期間と呼ばれる仕組みで、社員や初期からの投資家は上場後一定期間、保有する株式の売却を禁じられる。この禁止期間は上場ごとに異なるが、Snapの場合、最初の公募売り出しに関しては上場後150日がロックアップ期間と定められた。第2回の売り出しは8月に予定されている。

Snapchatの運営会社の株価はこのところ急降下しているが、その理由の一つがロックアップ期間の終了だ。ただし社員などの関係者の株式が売却可能になったからといって実際に売却されるとは限らない。

Stifel NicholasのアナリストScott Devittは市場の反応は大げさだと考えている。7月始めにDevittはレポートで「投資家の反応は過剰」と述べ、関係者は株を売らないと予想した。その結果、DevittはSnap株を「買い」推奨に格上げした。Morgan Stanleyは逆にイコール・ウェイト〔投資判断中立〕に格下げした。

新規に上場した企業にとってよくあることだが、Snapも長期の投資に適した企業だと市場を納得させるのに苦労している。一部の投資家はSnapは第2のFacebookだと考えているが、別の投資家はTwitterのような不安定な投資対象になるのではないかと懸念している。

なるほどSnapchatは短期間に1億6600万人の1日あたりアクティブ・ユーザーを集めることに成功した。しかしFacebookのクローン、Instagram StoriesはあっさりSnapchatを追い抜いた

Snapの先週の終値は13.81ドルだが、3月初めの上場時の株価は17ドルだった〔高値は3月3日の27.09ドル〕。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Snap株価、初めて上場価格を割る

いやはや。

Snapchatを運営する企業、Sapは株式市場でいささか苦しい状況にある。今日(米国時間7/10)の終値は16.99ドルだった。つまり上場価格17ドルを初めて公式に割り込んだことになる。

これは重大だ。なぜなら3月の上場以後、市場でSnapを買った投資家は全員が損失を被ったことになるからだ。 「損をさせられた」という評判はきわめて具合が悪い。

しかし社員や上場以前の投資家にはまだ希望がある。希釈後の時価総額は依然として238億ドルほどある。これは上場前のSnapの希釈後の会社評価額200億ドルより上だ(ここで希釈後というのはストックオプションを含めた発行済全株式という意味)。

Snapのロックアップ期間は150日だった。つまり社員や投資家は7月31日から株式の売却を始めることができる。しかし投資家の一部には投げ売りによってますます株価が下がるのを恐れる声もある。

Snapの最初の四半期決算は5月に行われたが、投資家には不満を抱かせる内容だった。次の四半期決算は8月の予定だが、その内容は株価に大きな影響を与えそうだ。

最近上場したテクノロジー企業で株価が低迷しているのはSnapだけではない。Blue Apronも先月末に上場したものの、株価は上場価格を下回っている

7月にはテクノロジー企業の上場はあまりなさそうだ。Redfinが唯一の上場となるかもしれない。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ソーシャル投資サイトInstavestが170万ドルを調達

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Y Combinatorの2015年度冬プログラム卒業生であるInstavestは、個人で行うことが普通の投資という行為をソーシャルなものに変えようとしている。

1年半ほど前にローンチされた同社は、普通の個人投資家が投資経験豊富で株式市場に詳しい他の投資家から学ぶ手助けをしようとしている。

そして本日、InstavestはY CombinatorやSkype共同設立者のJaan TallinnCherubic Venturesなどが参加したシードラウンドで170万ドルを調達したと発表した。

Instavestの元々のサービスとして、経験豊富な投資家は自分たちの取引内容(やその根拠)をサイト上で共有し、他の投資家はその情報を参照の上、必要に応じて内容をコピーすることができた。そして株価が上がれば、サイト上の情報を参照していた投資家が、情報提供を行った人たちに対して儲けの一部を「寄付」する仕組みが備えられていた。

しかしInstavestのサービスには何かが欠けていた。それはユーザーが保有する証券口座とのリンクだ。そのため、投資家はマニュアルで証券会社に取引の実行を指示し、その後Instavestに戻ってプロファイル上に取引情報を入力しなければならなかったのだ。これは間違いなく手間のかかるプロセスであると同時に、ユーザーがInstavestのプラットフォーム上に表示されている株式をシームレスに購入するのを妨げる余分なステップだった。

しかし、Instavestは人気オンライン証券会社10社との提携に関する発表も行い、これでユーザーは同社のサイトから直接株式の売買が行えるようになった。提携先の10社には、E*TradeOptionsHouseのほか8社の人気プラットフォームが名を連ねる。Instavestは証券会社ごとのAPIを利用してサイトに接続しており、ユーザーはワンタイム認証でInstavestから移動することなく好みの証券会社を通じて株の売買ができる。

この証券口座との連携は2週間ほど前にソフトローンチされ、Instavestによればその後ユーザーが保有する株式の総額が10倍(または1000%)に増加した。この驚くべき増加率から、ユーザーに一気通貫のサービスを提供することが、同社にとってどれだけ重要かということがわかる。この機能が導入される以前、ユーザーは恐らく証券会社のサイトに移動して取引を実行するという手間を理由に株の購入を見送っていたと考えられるのだ。

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さらにInstavestは、同社のプラットフォーム上で経験豊富な投資家が儲けられる仕組みを新たに導入する予定だ。寄付制度はこれまで上手くいっている(そして今後も継続される)一方、ユーザーが儲けの一部を還元しないという選択もできることから摩擦が生まれていた。

そこで同社は、熟練投資家が有料ニュースレターを配信できる機能を導入し、月50〜100ドルの料金を支払ったユーザーに対して取引関連情報を提供できるようにしようとしている。この情報はInstavestの一般(無料)ユーザーに対してもニュースレターの配信から数日後に公開されるが、有料ユーザーは情報が一般公開される前に株を売買することで優位に立てるチャンスがある。

知識を持ったユーザーに対して、このように追加で利益を生み出す手段を提供することは、Instavestのプラットフォームを成長させるにあたって欠かすことのできないステップだ。UberやPostmatesといったオンデマンドサービスにおいて、実際にサービスを提供する人が日中の仕事をやめてギグ・エコノミーに参加しようと思える程の安定した収益を確保する必要があるのと同様に、Instavestが投資アドバイスの中心地になりたいのであれば、より多くの有能な投資家をひきつけると同時にとどまらせる工夫をしていかなければならない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter