お金の貸し借りメモアプリ「よろペイ」、運営元が4億円調達——ICO関連事業の展開も視野に

グローバル・ブレイン代表取締役の百合本安彦氏(左)とPopshoot代表取締役CEOの大山敏浩氏(右)

お金の貸し借りを「メモ」として残したり、そのメモの通りにお金を請求・支払いしたりできるアプリ「よろペイ」。サービスを提供するPopshootがグローバル・ブレイン、グリー、マネックスグループ代表執行役社長CEO松本大氏(松本氏は、East VenturesとSkyland Venturesとともにシードラウンドで出資している)、その他エンジェル投資家数名から総額4億円の資金を調達したことを明らかにした。

LINE PAYやpaymo、Kyashなどさまざま手法で個人間での決済や送金を実現するサービスが登場しているが、よろペイはお金の貸し借りをメモするという特性からか、ライブなどのチケットや、旅行の宿泊費・交通費などのメモ、請求に使われるのが多いという。「メモされた金額の総額も伸びていますが、個人間決済のGMV(Gross Merchandise Value:総流通総額)も順調に推移しています」(Popshoot代表取締役CEOの大山敏浩氏)

Popshootでは今回調達した資金でよろペイのユーザー数拡大と新サービス導入に向けた研究開発を進める。また、個人間決済事業を起点に周辺領域の事業に参入する予定だとしている。「レンディングや株式投資、暗号通貨などの領域に参入する予定です。話題のICO関連事業も上場企業をパートナーに迎えて準備を進めています。貸し借りを記録したメモというのはある種デジタルな通貨の一種とも考えられるので、法定通貨を一部リプレイスすることが可能ですし、様々な事業の展開余地があると感じています」(大山氏)

スマホアプリ「よろペイ」は友人とのお金の貸し借りをメモとして管理、送金までを実現する

資金移動業者としてサービスを展開するLINEの「LINE Pay」やヤフーの「Yahoo! ウォレット」に加えて、割り勘での利用に特化したAnyPayの「Paymo」、プリペイド方式での送金を実現するKyashの「Kyash」など、スマートフォンで利用できる個人間送金サービスが次々に登場している。

そんな中で、お金の貸し借りを「メモ」として残すというアプローチでサービスを展開するのがPopshootの「よろペイ」だ。同社は4月24日、マネックスグループ代表取締役社長CEOの松本大氏および個人投資家1人から資金を調達したことを明らかにした。金額は非公開。Popshootは2015年10月の設立。これまでにEast VenturesおよびSkyland Venturesからシードマネーを調達している。また今回、発表に合わせてよろペイのアプリをアップデート。ユーザーインターフェースも大幅に変更している。

よろペイは友人とのお金を貸した際の「請求メモ」とお金を借りた「支払いメモ」を保存できるメモ帳アプリだ。金額や相手の名前、理由やコメントなどを添えて、貸し借りのメモを取ることができる。また、この貸し借り1件ごとに友人間での送金が可能。貸し主は請求するレシートを撮影してアップロードしたのち、URLを発行し、借り主に送信する。借り主はクレジットカードでその請求に対する支払いが可能。よろペイが収納代行としてお金を橋渡しするかたちだ。アプリ内に送られた現金は最短4日で銀行口座に引き出しできる。

Popshootではもともとは純粋なメモ帳アプリとして2016年にサービスを開始したが、今年3月にアプリ内決済機能を実装。アプリ名もこれまでの「CashD」から「よろペイ」に変更した。

ユーザー数は非公開。代表取締役の大山敏浩氏によると、3月時点で約2億円程度のメモが登録されており、その2%が実際によろペイ上で決済されている状況だという。ユーザーの中心は大学生を中心にした若い世代で、旅行やライブチケットの費用などを友人の代理でまとめて購入するような「立て替え」のニーズが多い。今後は5月にも学生向けの新機能も追加する予定だ。

「よろペイ」のトップ画面(左)とメモ画面(右)