窓型スマートディスプレイのアトモフが1.5億円を追加調達、CG制作や世界展開を加速

窓型スマートディスプレイのアトモフが1.5億円を追加調達、CG制作や世界展開を加速

窓型スマートディスプレイ「Atmoph Window 2」を製造・開発するアトモフは11月6日、シリーズB2ラウンドとして、出資と融資により合計1.5億円の資金調達を完了した。引受先は、既存投資家のMonozukuri Venturesに加えて、中信ベンチャーキャピタル、また今回初めて個人投資家として、笠原健治氏(ミクシィ創業者)、柄沢聡太郎氏(Almoha LLC Co-Founder CEO)、濱崎健吾氏(米Indiegogo)が加わった。

調達した資金は、開発・製造体制の強化に加え、CG制作の本格化、世界展開加速(現在海外販売比率は約15%)のためのマーケティング強化に利用する。

Atmoph Window 2は、世界各地1000カ所以上の風景とリアルなサウンドを楽しめる、27インチ窓型スマートディスプレイ。Wi-Fi(11ac)、Bluetooth 4.0を利用可能で、3Wフルレンジスピーカー×2を搭載。Googleカレンダー連携や、スマートスピーカーからの音声操作などIFTTT連携機能も採用している。Basicタイプのサイズは638×372×57mm。3台をつなげることで、パノラマ表示も可能だ。

アトモフは2019年春、クラウドファンディング(Indiegogo、Makuake)にて合計1億円を達成し、2020年4月からAtmoph Window 2の出荷を開始。在宅ワーク環境改善ニーズに押され、Atmoph Window 2の販売は年初比で400%増と好評という。

また、9月3日から10月29日に実施した、カリモク製の環境に優しい虫食い木材モデルのMakuakeクラウドファンディングでは約1750万円を達成。9月30日に発表した「Atmoph Window 2 | Disney」では、ディズニー実写映画の1シーンの静止画から、10分の風景映像をCGで生み出すことに初めて成功し、初回生産400台の予約注文も残りわずかとしている。

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元任天堂の2人が「4Kデジタル窓」で起業、アトモフがKickstarterで目標額10万ドルを突破

カテゴリー: ハードウェア
タグ: アトモフIoT(用語)資金調達(用語)スマートディスプレイディスプレイ(用語)日本

窓型スマートディスプレイ開発のアトモフが2.7億円を調達

アトモフは7月25日、合計2.7億円の資金調達を発表した。内訳は、and factory、アドウェイズなど事業会社と、既存株主の環境エネルギー投資、Darma Tech Labs、三菱UFJキャピタル、京銀リース・キャピタルから1.7億円の投資、残りは2019年4月より日米で開始したクラウドファンディングの支援者約1800名からの約1億円の支援となる。

Atmoph Windowは、世界各地1000カ所以上の風景とリアルなサウンドを楽しむことができる、27インチの窓型スマートディスプレイ。同社は今回の資金調達により、新モデルとなるAtmoph Window 2の製造・開発のほか、販売の人員強化、独自映像コンテンツの撮影・製作を進めるとのこと。ちなみに前モデルのAtmoph Windowは、日本、米国、ヨーロッパを中心に世界各国へ累計2000台弱を出荷している。

Atmoph Window 2での改良点としては、スマートスピーカーを介した音声操作、時間や天気の表示、調べたいニュース画像の検索といった機能の搭載がある。また、オプションとして用意されているカメラ・LEDモジュールを利用することで、顔の位置に合わせて窓の向こうの風景が動いたり、LEDライトで窓から差し込む光の表現も可能になっている。

そのほか、部屋の雰囲気にあわせて付け替えられるフレームも付属。基本の5色に加えて、本物の木材を使用した2種類の木製フレームを用意する。木製フレームは、家具業界の最大手のカリモク家具の製造である点も注目だ。本体の税別価格は、従来の6万9800円から4万4800円に値下げされている。

世界中の風景を楽しめる“未来の窓”の新型がMakuakeに登場、京都のアトモフが開発

自宅マンションの一室、実家のリビング、オフィスの会議室。そこがどんな場所であっても、たった1台の“窓型スマートディスプレイ”を設置するだけで「世界中の美しい風景」を眺めることができたらどうだろうか。

実際にその場所を訪れた感覚と全く同じとまではいかなくても、それに近しい感動や日常にはない癒しを得られるかもしれない。

そんな体験を味わえるプロダクトを開発しているスタートアップが京都にある。元任天堂の2人の起業家が立ち上げたアトモフだ。

以前紹介した通り同社では2015年に「Atmoph Window(アトモフウィンドウ)」を発表。クラウドファンディングサイトのKickstarterで約2000万円、Makuakeで約680万円を集めた。

その初代モデルのお披露目から約4年。「Atmoph Window 2」として大幅にバージョンアップした新モデルが本日5月23日、Makuake上に登場した。

先駆けて実施していたIndiegogoのプロジェクトでは目標額を大きく上回り、約5000万円(約45万ドル)を調達。世界の風景を楽しめるのはもちろん、スマートウィンドウを謳っているように、普通の窓にはない機能も搭載されている。

デジタル窓から楽しめる1000本以上の風景動画

Atmoph Windowの大きな特徴は、美しいオーシャンビューからロマンチックな夜景、落ち着いた森の中、爽快感の味わえる草原まで世界各国1000本以上の風景を4K動画として楽しめること。

動画はアトモフが独自に撮影してきたオリジナルのもので、同じ場所から撮影した15分程の風景がループされる仕組みだ。最初から10本の風景動画がインストールされていて、そのほかの動画については1本590円で購入する。

実際に窓から景色を見た体験に近づけるため、静止画ではなく動画にしている点がポイント。3台の窓をつなげて「より大画面で迫力のある世界を楽しむ」、なんて使い方もできる。

スマートディスプレイらしく、映像以外にも時間や天気、カレンダーを表示することも可能。Googleカレンダーと同期しておくことで、忙しい時に効率よくスケジュールをチェックするためのツールとしても活躍するだろう。

アトモフの創業者でCEOを務める姜京日氏によると、初代モデルはこれまでに累計で約2000台ほど売れているそう。内訳としては個人が7割、残りの3割が法人。自然から離れた都市部の在住者でなく、地方も含めて広いエリアにユーザーがいる状況だ。

法人ではオフィスのほかクリニックの待合室や診療室、JAXAの宇宙センターなどにも置かれているという。

そもそもAtmoph Windowを開発するに至ったのは、姜氏自身が学生時代にアメリカへ留学していた際に「部屋の窓から見える景色がいつも同じで変わり映えがなく、悶々としていた」ことが1つのきっかけになっている。

当時はPCのデスクトップを変えたりDVDで映像を流してみたりしたが、なかなか腹落ちしなかった。その後も最適な形を模索する中でたどり着いたのが、デジタル化した窓型のディスプレイだったという。

「風景映像を配信しているプレイヤーは他にも存在するが、今は一般家庭でそのコンテンツを見る媒体がテレビくらいしかない。自分たちも『テレビではダメなんですか?』と言われることもあるが、そうなると普通にテレビ番組を見たい時には使えないし、実際の窓のような開放感や癒しの効果を生み出したい場合には適していない。だからこそ、それに最適なハードウェアが必要だと考えた」(姜氏)

今回発表したAtmoph Window 2はこの初代モデルにさらに磨きをかけ、よりリッチな体験をできるようにしたものだ。

カメラやスピーカーのアップデートでより実物に近い感覚を

ディスプレイの大きさ自体は27インチと大きな変更はないが、今回のモデルではフレームを変えたり、カメラモジュールやライトモジュールを付けたりといったように色々な追加オプションが用意されている。

中でも姜氏が「1番大きなアップデート」と話すのがカメラモジュールだ。これを取り付けるとセンサーがユーザーの顔の位置を認識。どの角度から窓を眺めているのかを把握した上で、ディスプレイに表示される風景が連動して動くようになった。

「実際に窓から景色を見る場合、その位置やのぞき方によって景色の見え方も変わる。これは本当の窓にはあって、既存のAtmoph Windowにはなかった体験。顔認識をできるカメラの搭載で、よりリアルな世界に近い体験を楽しめるようになる」(姜氏)

ちなみにこのカメラは外出先から自宅の様子を確認するインドアカメラにもなるそう。たとえばペットが自宅で留守番している時など“見守り用途”でも活用できる。

そのほかハード面では「窓辺から木漏れ日の光を浴びるような体験に近い感覚を味わえる」(姜氏)というLEDライトモジュールが追加されたことに加え、スピーカーもアップデートされている。

内臓のスピーカーが2個に増えたほか、画面全体を揺らす振動スピーカーを搭載。ナイアガラの滝や波の音をよりリアルに感じられるようになった。もちろんこのスピーカーを用いて、BluetoothやSpotifyで好きな音楽を、好きな景色とともに楽しむこともできる。

ソフト面では視聴できる映像の幅が広がった。アトモフが提供している風景動画に加えて、自分で撮影した動画もアップロードできるようになる。

実家から見える慣れ親しんだ景色や生まれ故郷の癒される風景、新婚旅行や家族旅行で訪れた思い出の場所など、自分にとっては貴重な映像をデジタル窓を通じて再び味わえるという。

また過去に撮影した映像だけでなく、リアルタイムの様子がわかるライブストリーミング機能も追加される。

初代モデルよりも安い約4万円で提供

Atmoph Window 2はMakuakeでは3万円代から、10月を目処にしている一般販売時には4万6800円で提供する予定。初代モデルが約7万円だったことを考えると、そこからかなり価格を抑えたことになる。

同社にとってはハードウェア自体の普及が進めば、風景などのコンテンツで利益を出してビジネスを拡大することもできるのでプライシングは非常に重要な要素だ。

「まずは1人でも多くの人に手にとって体験してもらうことが重要。それを考えた時に7万円という価格はハードルが高かかった」(姜氏)ため、本体は初代よりもかなり安く販売する計画。一方でフレームや追加モジュールなどオプションを用意して、各ユーザーが用途に応じて楽しめる設計にした。

「(据え置き型のタブレットのような形で)去年頃からスマートディスプレイが徐々に増え始めているが、現時点ではそれを使って何をしていいのかがはっきりせずにユーザーもメーカーも困っている状況。個人的には1つの鍵になるのが『大きさ』だと思っていて、大きな画面だと視認性が良くなり、家族みんなで楽しむことができる」

「一方でテレビのように大きな黒い画面を壁に誕生させるのはインテリアとしてあまり良くないので、常に何かを写しておく必要がある。そこで想起されやすいのが『窓』や『アート』だが、アート作品の上にカレンダーなどの情報を表示するのは作者に失礼すぎて難しい。そう考えると大きいスマートディスプレイは必ず窓になるという仮説を持っているので、(それを示していく上でも)今回のプロダクトは非常に大きなチャレンジだ」(姜氏)

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