中国・アメリカを股にかける投資家のトランプ政権に対する思い

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ドナルド・トランプ大統領は、中国に対して何度も貿易戦争をはじめると脅しをかけており、中国も段々それを真剣にとりはじめた

シリコンバレーに拠点を置きながら15年以上も中国企業へ積極的に投資を行ってきたGGV Capitalでは、マネージング・ディレクターのHans Tungが、その攻防を戸惑いながらもじっと見つめている。

Tungは、GGVがオフィスを置く上海や北京を含む、彼のネットワークから情報を集めているという。「中国は(まだトランプ大統領のことを)そこまで心配していません。トランプ大統領は今日右を向いていても、支持を勝ち取るためであれば、明日は左を向くような人物だと思われています。とりあえず実際に何か動きがあるまで静観しよう、というのが大方の考えのようです。私は(中国政府が)いかなるときも過剰反応したくないと考えているのだと思います」

Tungの世界の状況に関する考えは、初期にGGVから投資を受けていたEC大手Alibaba(GGVはAlibabaが2014年に上場する前に株式を売却した)のファウンダー兼CEOであるJack Maの考えと同じだ。先週ダボスで行われた世界経済フォーラムでMaは、「貿易戦争は世界全体に破滅的な結果をもたらすだろう」と述べ、中国はトランプが落ち着くまで少し待った方がよいと話していた。

さらにMaは、もしもAlibabaを存続させるか貿易戦争に突入するか選ぶならば「Alibabaをたたむ」とさえ考えるほど、この問題を真剣に考えていると語った。彼の発言に芝居がかった様子はない。Maは8月にもCNNで貿易戦争に関する不安を述べていた。「私たちはグローバリゼーションの道を進み続けるべきだと思います。グローバリゼーションは良いことですしね……貿易がストップすれば、戦争が起きるでしょう

昨日Tungは、トランプが中国をスケープゴートのように扱っているか、少なくともそうしようとしているように見えると示唆した。中国政府は「これまでアメリカ政府が、雇用の創出やラストベルトの復興の代わりに、イラク戦争やその他のことにどのくらいお金をつぎ込んでいるかを確認しています。中国はこれまで一度もアメリカ人から仕事を奪おうとしたことはありません。もしもアメリカ政府がうまく再投資を行い、多国籍企業が利益を母国に返還していれば、もっとアメリカは良い状態にあったはずです」

中国とアメリカの間にある、何十万マイルもの距離を毎年行き来しているTungにとって最も重要な問題は、トランプ政権と中国の冷え切った関係が、どのくらい急に彼の仕事に影響を及ぼす可能性があるのかということだ。

今の時点では彼は本当に心配していないようで、GGVは概ね「待ちの状態」にあると話す。さらにTungは、特にGGVが投資しているいくつかのEC企業については、地政学的にどのような状況の変化があっても「そのままにする」と語った。

彼の言うEC企業には、モバイルECアプリのWishも含まれている可能性が高い。Wishは主に中国から雑貨を底値で販売しており、投資家のJoe Lonsdaleによれば、年間「約50億」ドルのランレートを記録している。

さらにTungが早くから評価していたGGVの投資先企業には、英語でRed、中国語でXiaohongshu(小红书:小さな赤い本)と呼ばれるスタートアップがある。同社はソーシャルECプラットフォームを運営しており、中国のユーザーをターゲットに、海外からブランド品を割引価格で購入できるようなサービスを提供している。

Tungは、中国の現状は簡単に言えば「通常営業」だと話し、GGVはそれよりも、トランプ政権からのビジネスフレンドリーな話にフォーカスしようとしているようだ。

アメリカ国内からは、中国とアメリカの関係がどう動いているのかよくわからないが、「今後は規制が緩和され、業界統合が進んでいくと思います」とTungは語る。「M&Aはこれからやりやすくなるでしょうね」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

トランプ新大統領の活動をモニタリングするTrack Trumpがローンチ

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トランプ新大統領が以前発表した、就任から100日間のアクションリストの進捗具合をモニタリングするTrack Trumpというウェブサイトがローンチした。昨年の10月末に彼は、”ドナルド・トランプの有権者との契約書(Donald Trump’s Contract With The American Voter)”と題されたプランを発表し、クリーンな政府、アメリカ国内の雇用の保護、法治の復興を約束していた。Track Trumpの目的は、プランに記載されていたアクションリストの進捗具合をモニタリングし、新政権に公約を守らせることにある。

共同作成者の1人であるY Combinator社長のSam Altmanによれば、サイトはここ数週間の間に設計・作成された。

Altman以外にも、ヒラリー・クリントンの2016年大統領選キャンペーンに関わっていたAlec Baumや、博士課程で行政学を学んでいるPeter Federman、Mozilla Corpの元社員でReadMeファウンダーのディベロッパーGregory KobergerがTrack Trumpの作成に関わっていた。BaumとFedermanはフルタイムでサイトの作成にあたり、彼らの給与はY Combinatorからではなく、Altmanのポケットマネーから支払われた。

新プロジェクト:http://track-trump.com トランプ自身が明言した就任から100日間のゴールに関する毎日のアップデートと、全体の情報がまとまったダッシュボード

Track Trumpの説明文には、生活に影響を与える政策の変化を、市民がリアルタイムで追って理解することが重要だと作成者は考えているという内容が記載されている。

「新たな政府が今後何をしだすか分からない状況で、多くの人が自分たちの時間やリソースをどのように使うべきか考えあぐねているのではないかと感じたのが、このプロジェクトをはじめたきっかけのひとつです」とAltmanは話し「私たちはただ、新政権の動きをモニタリングする方法をつくろうとしていただけなんです。ダッシュボードを毎日見ていれば、往々にしてトレンドに気づきますからね」と付け加えた。

トランプ政権に責任を果たさせること以外にも、Track Trumpには実際の政策変更と「美辞麗句で飾り付けられた政治劇」をはっきり別けるという目的がある。

既に知られている通り、トランプは現状から何を変えなければいけないかや、彼が何をしようとしているかということをTwitter上で勢い良く公言していたが、言うは易し行うは難しだ。

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そこでTrack Trumpは、彼のツイートや発言内容がうやむやにされてしまわないよう、政策変更という点に注目することで、文書に残された彼の公約と実際のアクションを比較しようとしている。

そしてその進捗具合をダッシュボード上で確認することができるのだ。

「スタートアップの評価に限らず、私はダッシュボードを使った進捗管理がずっと好きでした」とAltmanは説明し、Track Trumpの作成中にはニュースフィードなど他のモデルも検討されていたと話した。

サイト上には、Track Trumpがモニタリングしようとしている8つの政策カテゴリーが、それぞれに対応するアイコンで表示されている。移民、貿易、エネルギーと気候変動、連邦政府、経済政策、教育、健康保険、安全保障がその8つのカテゴリーだ。

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そしてセクションごとに、トランプの就任後100日間の約束で触れられていた個別のアクションアイテムが記載されている。ひとつひとつの内容は元の内容からほとんど編集されておらず、トランプ自身の言葉をほぼそのままコピーしているか、ものによっては同文書からまるまる引用されている。

さらに何か起きるごとに、それぞれの項目の横に設置されたトラッカーの色がグレー(アクション無し)から、イエロー(何かしらのアクションがとられた)、グリーン(政策が施行された)へと変化するようになっている。また、政策が施行されなかったり、その内容が公式に変更されると、トラッカーの色が赤くなる。

個別の項目をクリックすると、現状がポップアップウィンドウ内に表示されるようにもなっている。

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今朝の就任演説の通り、全ての項目はグレーの状態でスタートした。

各項目に関するアップデートや政策に関するニュースのまとめは、これから毎日ブログポストとしてTrack-Trump.comに掲載される予定だ。

作成者たちの政治的思想は左派寄りではあるものの、レポートの形式や、特定の政策変更に関する各メディアの報道の仕方を考えると、バイアスが入る余地はほぼないと言える。むしろTrack Trumpは、単純に何かアクションがとられたり、政策が施行されたり、取り消されたりすればそれを記録するだけだ。つまりこのサイトは行政命令と可決された法律にしか注目していない。

「政治的な思想に関わらず、新政府の活動を偏見なくモニタリングしたいと考えている人たち全員が便利だと感じられるようなリソースを作るというのが私たちの目的でした」とサイトには記載されている。

既に多くの報道機関がTrack Trumpのダッシュボードをニュースで引用していいかと問合せているようで、サイトが今日ローンチされたことを考えると、これはすごいことだ。もしもこの人気が続けば、トランプの就任から100日を過ぎてもサイトを継続するかもしれないとAltmanは話している。

その頃には他のスピーチや文書の内容にも触れるかもしれないと彼は言う。

ツイートはどうだろうか?

「ツイート内容は無視しようと思っています。その話はやめておきましょう」とAltmanは笑いながら言った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter