2018年末、Googleはモバイルファーストインデックスが、全検索結果に含まれるウェブページの半分以上に使われるようになったと述べた。この場合のモバイルファーストとは、ウェブサイトのモバイル版のほうのページについてインデックスを付けるという意味だ。そして米国時間5月28日、Googleは2019年7月1日以降、すべての新しいウェブドメインについて、モバイルファーストインデックスがデフォルトになると発表した。
つまり、新しいウェブサイトが登録されると、Googleのスマホ用Googlebotによってクロールし、そのサイトのモバイル向けコンテンツをページのインデックス作成の際に使用する。さらに、モバイル版のコンテンツの構造を解析し、可能なら適切な抜粋も検索結果に含めて表示する。
Googleが最初にその計画を発表したのは2016年だった。それ以来、モバイルファーストインデックスに関する取り組みには長い道のりがあった。2017年12月に、Googleはモバイルファーストインデックスを、わずかな数のサイトから展開し始めた。ただし、その際には、この初期のテストの対象となったグループに、どのサイトが含まれているのかは明らかにしなかった。去年の3月には、モバイルファーストインデックスは、より広い範囲のサイトに拡大し始めた。そして昨年末までには、ウェブ上の半分のページが、Googleのスマホ用Googlebotによってインデックス付けされたのだ。
Gooleの説明によれば、サイトのインデックス付けの方針を変更したのは、「ほとんどいつもモバイル」というユーザーにとって、適切なウェブ検索結果が得られることを目指したものだという。2015年以降、Googleユーザーの大多数はモバイルデバイスから検索するようになっていたのだ。だからこそ、デスクトップ用のページではなく、モバイル版のウェブサイトについての検索結果を表示することに意味がある。
ますます大きな割合を占めるようになったモバイルに、Googleが順応し始めたことを示していたのは、モバイルファーストインデックスだけではない。
数年前からGoogleは、モバイルを意識したウェブページを、検索結果のより上位に表示するようにし始めた。そして昨年には、ページの読み込み速度を、モバイル検索結果の表示順位を決める際の要素として追加した。さらに2018年7月からは、読み込みが遅いページの表示順位をあえて下げることにも踏み切った。
今日では、多くのサイトがデスクトップとモバイルのユーザーに、同じコンテンツを提供している。このような等価性をまだ実現していないサイトに対しても、そのためのリソースが色々と用意されている。サイトのオーナーは、検索コンソールのURL Inspection Toolを利用して、自分のサイトが最後にクロールされ、インデックス付けされたのがいつかなのを調べることで、モバイルファーストインデックスの対象になっているかどうかを確認できる。またGoogleは、ウェブサイトをモバイルファーストインデックスの対象にする方法について、多くのドキュメントを発行している。そして、デスクトップとモバイルに別々のURLを割り振るのではなく、レスポンシブなウェブデザインを採用するよう勧めている。
「デスクトップに主眼をおいたものから、モバイルを意識したものに、ウェブは進化してきました。今やそのほとんどが、モバイル用のユーザーエージェントを使ってクロールでき、インデックス付けができるようになったことをうれしく思っています」と、Gooleは今回の発表の中で述べている。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)