アフリカ最大のeコマースプラットフォームJumiaのブラックフライデー売上高は30%増

アフリカのeコマースは急速に成長しており、より多くの人々がインターネットに接続するようになった今でも、その潜在可能性は依然として非常に大きい。2021年のGSMAモバイルエコノミーレポートによると、サハラ以南のアフリカ全体では、人口の約28%にあたる3億300万人がモバイルインターネットに接続しており、この数字は3年後には最大40%増えると予想されている。

インターネットにつながる人の数が増え、買い物客がますますオンラインでの購入を選ぶようになると、最近Jumia(ジュミア)で起こったように、eコマースプラットフォームでは注文数と購入金額が急増することになる。

アフリカ諸国にまたがるeコマースプラットフォームであるJumiaが12月7日に発表した米証券取引委員会(SEC)への報告書によると、ブラックフライデーシーズンに同社のプラットフォームでの販売額は、2021年は30%ポイント増加して1億5000万ドル(約170億円)に達した。

Jumiaのブラックフライデーセールは2012年に始まり、11月の第1金曜日から月末まで行われる。この期間中の注文件数は2021年、前年比39%増の430万件に達し、販売者数も11%ポイント増の4万6000だった。また、Jumiaの同期間中のユニークビジター数は4000万人を記録し、27%ポイント増だった。

先にお伝えしたように、Jumiaで最も人気のある商品は消耗品で、次いで美容・ファッションアイテムだった。これより前に、Jumiaは食料品カテゴリーを拡大するために、ダークストアをさらに立ち上げた。第3四半期決算からするに、この取り組みは報われたようだが、ニューヨーク証券取引所に上場している同社の収益確保は依然としてうまくいっていない。

JumiaはSECに提出した報告書の中で「当社の消費者は、日常的なニーズを満たすためにますますJumiaを利用するようになっており、数量ベースで最も急速に成長している物販カテゴリーのトップ3は、短期間で消費される日用消費財(FMCG)、次いで美容、ファッションとなっています」と述べている。

Jumiaは、TechCrunchとの過去のインタビューで、ショッピング習慣の変化をもたらしたものについて、オンライショッピングの需要を増大させた外出禁止の規制に加えて、新しいトレンドをすばやく取り入れる若年層、アフリカ大陸全体でのスマートフォンとインターネットの普及率の向上などを挙げている。スマートフォンは、eコマースサイトへのトラフィックに最も多く(75%)貢献しており、これはより多くの人々がインターネットに接続するようになるとオンラインショッピング利用者が増加することを意味している。ナイジェリア、南アフリカ、ケニアがJumiaのオンライン販売の大半を占めている。

Jumiaの配送事業部門Jumia Logisticsがブラックフライデーシーズンに扱った荷物は530万個に達し、これは「2021年の10月までの月平均量の2倍超」とのことだ。

Jumiaは現在、アフリカ最大のeコマースプラットフォームであり、ナイジェリアのMarketplace Africaや南アフリカのSouq、bidorbuyなど数百にのぼる他社をリードしている。Jumiaのプラットフォームは、アルジェリア、セネガル、チュニジア、コートジボワール、ウガンダ、モロッコなどアフリカの11の市場で利用可能だ。

画像クレジット:Jumia

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(文:Annie Njanja、翻訳:Nariko Mizoguchi

米国でのサイバーウィークのオンライン支出は1.4%減の3.8兆円、早めに始まったセールが影響

米国の消費者がサプライチェーン不足を意識して早い時期に買い物したため、ホリデーショッピングシーズンの幕開けとなる、感謝祭からサイバーマンデーにかけてのサイバーウィークでは、eコマースの売上がわずかに減少した可能性がある。2020年のサイバーウィークの米消費者の消費額は344億ドル(約3兆8910億円)で、前年比20.7%増だった。しかし、AdobeのDigital Economy Indexのデータによると、2021年のオンライン消費は同1.4%減の339億ドル(約3兆8350億円)だった。

Adobeの分析は、米国のeコマースサイトへの1兆回を超える訪問データから得られたもので、18の製品カテゴリーにまたがる1億個の個別SKUを網羅しており、ホリデーショッピングの傾向を包括的に把握することができる。

分析で、ブラックフライデーから売上が減少していることが明らかになった。2021年のブラックフライデーのオンライン売上高は89億ドル(約1兆60億円)で、過去最高だった2020年の90億3000万ドル(約1兆210億円)から1.3%減少し、史上初の前年割れとなった。サイバーマンデーの売上高も前年比1.4%減の107億ドル(約1兆2100億円)で、2020年の108億ドル(約1兆2210億円)に1億ドル(約110億円)及ばなかった。一方、サンクスギビングデーのオンライン売上高は51億ドル(約5770億円)で横ばいだった。

これらの減少額は比較的小さいものだが、ホリデーショッピングの売上高が年々増加するという通常の傾向に逆行している。2020年の報道によると、パンデミックの影響で数年加速したとされるこの業界にとって、これはパンデミックの長期にわたる影響(現在ではサプライチェーンの不足も含む)が、消費者の心理にどのように作用したかを示す顕著な例となっている。Adobeによると、2021年は品不足を心配して、消費者がより早く買い物をした可能性があるという。

これを裏づけるデータがあるようだ。11月(11月1日〜11月29日)の消費者の消費額は1098億ドル(約12兆4155億円)で、2020年に比べて11.9%の大幅増となった。11月のうち22日がオンラインでの消費額が30億ドル(約3390億円)を超えたことを意味する、とAdobeは指摘している。これは新記録で、2020年に同じマイルストーンを達成したのがわずか9日だった。さらに、消費者は10月も買い物をした可能性があると同社は指摘している。

Adobe Digital InsightsのディレクターTaylor Schreiner(テイラー・シュライナー)氏は、サイバーウィークの調査結果について次のように述べている。「10月に早いセールがあり、消費者はサイバーマンデーやブラックフライデーといった大きな買い物デーをずっと待っていませんでした。サプライチェーンの問題や商品の在庫状況に対する懸念の高まりがさらに拍車をかけました。10月と11月のeコマース支出が分散され、オンラインショッピングの記録を更新するシーズンになりそうです」。

言い換えれば、2021年の売上は必ずしも全体的に減少するわけではなく、以前ほど集中しないということだ。実際、パンデミックの影響でオンラインショッピングが習慣化され、消費者は例年のようにブラックフライデーやサイバーマンデーの大規模なセールを待つのではなく、通常の活動と並行してホリデーシーズンの買い物をするようになったのかもしれない。

今回の減少にもかかわらず、年末商戦のピーク時には、例年とほぼ同じような状況が見られた。サイバーマンデーの買い物客は、おもちゃ(売上は2021年9月のシーズン前水準の約11倍)、ギフトカード(7倍)、書籍(7倍)、ビデオゲーム(6倍)、ベビー・幼児用品(6倍)など通常のカテゴリーで、2021年9月の売上と比較してより多く購入した。また、電子レンジや小型キッチン用品などの電化製品の売上もそれぞれ9.6倍、7.1倍となり、このカテゴリーの増加率は5.6倍となった。

加えて、2021年はスマートフォンによる売上も増加しており、例えばサイバーマンデーのスマートフォンによる売上は前年比8.4%増だった。しかし、これは実際には軌道修正を意味している。パンデミック前は、スマートフォンでの売上がオンライン売上の50%超を占めると予想されていた。しかし現在、自宅で仕事をしている消費者は、以前ほどスマホから買い物をする必要がないのだろう、とAdobeは指摘している。

買い物のパターンは異なるようだが、ホリデーシーズン全体では新記録を更新するとAdobeは見込んでいる。11月1日から12月31日までの期間、消費支出額は前年同期比10%増の2070億ドル(約23兆4000億円)に達すると同社は予測している。

画像クレジット:John Lamb / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi