Here Technologiesの車載APIにwhat3wordsのシンプルなアドレスシステムが統合

ジオコーディングのスタートアップであるwhat3wordsは、世界を一辺が3mの正方形に分割し、それぞれにユニークな3つの単語ラベルつけて、位置情報の共有を簡単にしている。同社はこのほど、歴史的に自動車業界と縁の深いマッピング企業であるHere Technologiesとの提携により、新たに車載用の統合機能を獲得した。

米国時間10月22日、Hereのナビゲーションプラットフォームを使用しているOEMは、それ自体を統合する必要はなく、Here Search APIを介して直接what3wordsを車載ナビ機能として含めることができると両社は発表した。既存のプラットフォームユーザーは、アップデートを介してwhat3wordsのアドレッシング技術にアクセスできるようになる。

Hereによると、同社のマップデータサービスは現在、世界中の1億5000万台の車に搭載されているという。

what3wordsのこのような統合は決してこれが初めてではない。登場後、シンプルな語呂がいいアドレシングシステムは車両との相性が意外と良いことがわかった。2013年に創業(未訳記事)された同社は、2019年にFordと提携し、またDaimlerも同社に投資している(what3wordリリース)。

ドライバーが話たり、3つの単語を入力して車のGPSシステムに位置情報を入力するkとおには、正確に住所をしているするよりも楽で明確なメリットがある。what3wordsは一般的な郵便番号よりも位置を具体的な場所をピンポイントで特定することができ、またハイキングコースや特別の待避所、キャンパスの入り口など、住所がない目的地も指定できる。

what3wordsによると、同社の技術はMercedes-Benz、Tata Motors、DB Schenker、Hermes、Cabifyといった世界中の自動車企業やロジスティクスのプロバイダー、モビリティアプリなどが採用しているという。

最近では、この新しいアドレシングシステムはAirbnbに気に入られており、モンゴル遊牧民のゲルなといった通常の位置指定ができない宿泊先(未訳記事)の位置を簡単に共有できるようになった。

what3wordsのCEOで共同創業者のChris Sheldrick(クリス・シェルドリック)氏は、今回のパートナーシップについて 「自動車メーカーやモビリティサービスからの需要が、明らかに増加している。今回、Hereに組み込まれることになり、私たちのアドレスシステムは新しい車両でも古い車両でもシンプルかつ容易に利用できるようになった」と声明で語っている。

一方、Here Technologiesの上級副社長でプロダクト最高責任者のJørgen Behrens(ヨルゲン・ベーレンス)氏は、「自動車OEMやティア1サプライヤーは、自社で統合する必要がなく、 Here Search APIを介してwhat3wordsのサービスを顧客に提供できる。これによりドライバーは、標準的なアドレス方式を採用している混み合った都市環境でも容易に移動したり、地元のパブや登山道の入り口など、あらゆる場所へシームレスにたどり着けるようになる」と別の声明で述べている。

関連記事:what3wordsの全世界3語アドレスシステムをメルセデスに次いでフォードが採用

カテゴリー:モビリティ
タグ:ジオコーディングHere Technologieswhat3words

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Geoloniaと不動産テック協会が日本全国の住所マスターデータをオープンデータとして公開

Geolonia ジオロニア 不動産テック協会 日本全国の住所マスターデータ オープンデータ

Geolonia(ジオロニア)不動産テック協会は8月5日、日本全国の住所マスターデータ「Geolonia 住所データ」を誰でも無料で利用できるオープンデータとして公開した。不動産テック協会は、同データを不動産ID整備に向けて活用するという。

Geolonia ジオロニア 不動産テック協会 日本全国の住所マスターデータ オープンデータ

Geolonia 住所データは、ユーザーが持つ顧客データベースなどに含まれる住所データの正規化に活用できるほか、住所から緯度・経度への変換 (ジオコーディング)、各種GISソフトウェアなどで利用できる。利用に際して条件はなく、誰でも無料で利用可能。ライセンスは、「CC BY 4.0」。GitHubリポジトリに同梱されているデータ生成用のスクリプトのライセンスは「MIT ライセンス」となっている。

日本の住所は、「丁目」「番地」「号」という表記が一般的だが、「大和大路通正面下る大和大路2」といった京都の通り名に代表される特殊な表記も多く、ひとつのルールで標準化することができないという。また、「3丁目」「三丁目」と数字や漢字で表記が異なるなど、日本の住所はルールというよりも自然言語に近い文法であり、コンピュータで処理するデータとしては非常に扱いにくい状態となっている。

こうした日本全国の住所を正しい表記で網羅したデータが住所マスターデータとなる。住所マスターデータには日本の住所が町丁目まで網羅されているほか、代表点の緯度経度も含まれており、利用者は住所マスターデータを使うことで自身が持つ顧客情報などを位置情報の観点で分析可能となる。

また、従来の住所マスターデータは金額が数百万円と高価なため、個人・中小企業の利用には向いていなかった。さらに、ジオコーディングを行うには事実上Googleしか選択肢がない状態にあり、Googleのデータを利用した場合はストレージへの保存ができない、他の地図への再利用が禁じられているなど利用に制限がかかっている状態にある。

そこで今回、オープンデータとして住所マスターデータを公開することで、利用者は自身が持つ住所データを有効活用できるようにした。

同データは国土交通省のWebサイトからダウンロードできる「国土数値情報」に基づいているものの、「国土数値情報」の更新が1年に1回であるのに対して、Geoloniaは月単位のアップデートも独自に実施している。更新は、「国土交通省位置参照情報ダウンロードサイト」「郵便番号データダウンロード – 日本郵便」を元に行っているという。

不動産テック協会は、このデータを用いて不動産IDを整備することで、不動産取引における企業間での情報連携やデータ連携などを実現するとしている。また、Geoloniaはデータ公開によって地図コミュニティに貢献するとともに、地図を用いた技術開発の基盤データとしてこのデータを活用するという。

不動産テック協会は、不動産とテクノロジーの融合を促進し、不動産にかかる事業ならびに不動産業の健全な発展を図り、国民経済と国民生活の向上・公共の福祉の増進に寄与するための活動を展開。

Geoloniaは、WebGLを利用した自由度の高い地図と、顧客が持つ位置情報を検索・解析するためのAPIを提供するホスティングサービスを公開している。

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