出張料理人サブスクのシェアダインが8食ぶんの作り置きモバイルオーダーを開始、飲食店の空き時間を有効活用

出張料理人のサブスクリプションサービスを運営するシェアダインは8月5日、ライフスタイルに合わせたメニューを組み合わせた作り置き料理をモバイルオーダーできるサービスを開始した。

料理人が自宅に出張するのではなく、利用者が用意されたメニューから、計6品(主菜4品から3品、副菜4品から3品をそれぞれ選択)を、事前にモバイルオーダーによって注文。決済後、実店舗でテイクアウトするという流れになる。

テイクアウト1号店舗は都営大江戸線勝どき駅より徒歩3分の場所にある「SHARES」。8月中は毎週月曜日の17時~20時に受け取りが可能だ。もともとは、熟成肉ステーキをメインとしたアメリカンダイニングだが、新型コロナウイルスの感染対策として9月末まで休業中の店舗を借り受けてテイクアウト専門店にしている。

用意されているメニューは「ジュニアアスリート」「筋トレ」「生活習慣病」「妊活」などのテーマ二分かれている。

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    松坂豚スペアリブのラッケ,ヤングコーンと新玉ねぎのフリット添え
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    大山鶏胸肉のロースト,干し葡萄入りのフムス,塩レモンのコンディマン
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    サーモンマリネと季節野菜のテリーヌ,豆乳ヨーグルトソース
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    アンガス牛のロースト,じゃが芋とアスパラのグランメール風,バルサミコソース
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    霧島豚,枝豆,ひよこ豆のミンチカツ,ソースグリビッシュ,ブロッコリーのグリル
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    万願寺とうがらしのグリーンカレー
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    アーリーレッドと紫キャベツのアグロドルチェ,ビーツとミントのペースト,クリームチーズとドライフルーツ、ピスタチオ
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    ゴールドラッシュの冷製スープ、SHARESで人気のポップコーンを添えて

シェアダインでは今後も、飲食店の休業時間などを間借りし、シェアダインに登録している出張シェフの作り置き料理をモバイルオーダーによって家庭に提供する事業を拡大する予定だ。

新型コロナウイルスの感染蔓延による外食機会の激減で飲食店が大打撃を受けている中、間借りによってテナント費、人件費を最小限に抑えつつ、20名分、8品ずつの大量作り置きによって食材費も抑えて料理を提供可能にするという、料理人の新たな働き方を提案する。もちろん、休業時間を貸す飲食店側も固定費の削減につながる。利用者側にとっては大人数の外食が敬遠される現在、自宅で本格的な料理を家族で楽しめる。

 

出張料理人マッチング&サブスクのシェアダインが2.2億円調達

シェアダインは7月5日、プレシリーズAラウンドで約2億2000万円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、引受先は以下のとおり。

  • Coral Capita
  • マネックスベンチャーズ(MV1号投資事業有限責任組合)
  • 三井住友海上キャピタル株式会社
  • 日本生命保険
  • iSGSインベストメントワークス
  • フューチャーベンチャーキャピタル
  • キャシー松井氏(ゴールドマン・サックス証券副会長)
  • 河合聡一郎氏(ReBoos代表取締役)
  • その他複数の個人投資家

同社は、ユーザーの最寄り駅などを指定すると近隣の料理人をマッチングして、自宅まで出張して料理を作ってくれるサブスクリプションサービスを運営する2017年5月設立のスタートアップ。1回3〜4時間で、栄養士や調理師の資格を持つスタッフが献立の提案、食材の買い出し、料理までを担当する。2020年7月時点で、栄養士、調理師などの資格を持つシェフの登録者数は700名を超えており、累計で約10万食を提供してきたという。

数日ぶんの料理の作り置きはもちろん、離乳食や子供の食育、アスリートメニューなどボディメイクのための食事、糖質レスなどのダイエット食などを注文することも可能だ。1回の出張で、スタッフは数品から十数品を料理し、料金は5000円〜1万5000円程度。1食あたりのコストは交通費込み、食材費込みで税別644円程度になる。サブスクリプション契約に比べると料金は少し割高になるが1回だけのお試し契約も可能だ。

2019年10月からは、法人の福利厚生制度で利用できる「シェアダインウェルネス」サービスも開始。従業員向けの食事セミナーと出張料理サービスなどをパッケージにしたサービスで、大企業や医療法人などで導入されているとのこと。新型コロナウイルス蔓延の影響で、最近ではリモートワーク中の従業員に対して出張料理サービスを福利厚生として導入する動きも出ているそうだ。具体的には以下のメニューを用意する。

  • 全従業員向けの福利厚生プログラム
  • 特定層向けの支援パイロットプログラム
    • 妊活支援」(不妊治療と仕事の両立支援)
    • 産前・産後支援(産育休中の支援・復職後の離職防止)
    • 生活習慣病予防支援(特定健診受診対象者向けの健康増進・健康経営)
    • 介護支援(介護と仕事の両立支援、介護離職防止)

今回調達した資金は、マッチングの体験、パーソナライズされた食事の提案などを可能にするプロダクトの強化、人員体制の拡充、マーケティングの強化に投下する。

全国的に外出自粛要請が解除され、都道府県をまたいでの移動も解禁となったいま、新型コロナウイルスの第二波が到来する可能性も高まりつつある。最近の感染者の増加傾向を見る限り、高齢者や乳幼児がいる家庭が遠出して外食を楽しむのはまだまだ先になりそうだ。必然的に家庭内での食事が増え、家事の業務量も増えているいまこそ、注目のサービスだ。

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1つのIDで複数のシェアサービスを使える小田急の「オーネ」プラットフォームが12月10日スタート

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小田急電鉄は12月9日、シェアリングエコノミーに関わるサービスを軸とした地域密着型サービスプラットフォームとして「ONE」(オーネ)を、12月10日から運用開始することを発表した。ONEは、小田急が管理する1つのID「ONE ID」(オーネID)を使って、複数のシェアリングサービスを利用できるのが特徴だ。

ONEでは16社のシェアリングサービスが利用可能になる予定で、家具シェアのairRoom、洋服シェアのaiCloset、ダンボール単位で倉庫に荷物を預けられるサマリーポケット、農家直送の有機野菜の通販サイトである食べチョクなどがある。

今回のONEの運用開始と同時に利用可能になるのは、出張シェフのサブスクリプション型サービスのシェアダイン、ベビーシッターのシェアリングサービスを手掛けるキズナシッター、子供向けの習い事をサブスクリプション型サービスで体験できるスクルー、LINE経由で1日70円で傘を借りられるアイカサの4サービス。

小田急では、ONEの運用開始に合わせたキャンペーンも実施する。2020年3月31日までにONEの会員登録を済ませ、ONE IDを小田急のポイントカードと連携させることとで、200ポイントの小田急ポイントがもらえるほか、12月10日から利用できる3社のサービスについては以下の特典が用意されているほか、それぞれのサービスの利用料金に応じて小田急ポイントも加算される・

  • シェダイン:1500円オフ
  • キズナシッター:Amazonギフト券3000円ぶん
  • スクルー:1チケット

もちろん、今後追加される各社のサービスについてもさまざまな特典が用意される予定だ。

さらにONEでは会員特典として、アイカサを最大3カ月無料で使えるほか、2020年12月31日までの約1年間「小児科オンライン・産婦人科オンライン」サービスを無料で利用可能だ。アイカサは参宮橋を除く小田急線の新宿〜町田の各駅に傘スポットが設置されているので、小田急沿線に住んでいるユーザにとって利便性は高い。ちなみに小児科オンラインは、小田急電鉄の福利厚生制度として導入されている。

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月額1万2000円+食材費で約32食ぶんを「つくおき」、出張料理サブスクの詳細

既報のとおり、料理家がユーザーの自宅へ訪問して作り置きに適した料理を代行してくれる、出張料理サービスを提供しているシェアダインは、3月19日から月額1万2000円からのサブスクリプションサービスを開始した。

月2回、3回、4回の頻度が選べ、それぞれ月額1万2000円前後、1万8000円前後、2万4000円前後となる。定額料金には、料理家の交通費と買い物代行費が含まれているが、食材費は別途必要だ。同社によると食材費は1回あたり平均3500円程度とのこと。1回の出張で12品程度の作り置き料理が提供されるので、家族4人だと約4食分、計約16食、月2回で約32食ぶんとなる。1食あたりのコストは500円強から1000円未満に抑えられることが多いので、外食を利用するよりも安上がりだ。

実際の定額料金は料理家によって異なり、月2回コースの場合、1回あたり6000円の料理家なら月額1万2000円、8000円の料理家なら1万6000円となる。厳密にサブスクリプションとなるのは料理家を選ばないコース。こちらは1回あたり6800円となるので月2回だと1万3600円だ。

前回の記事公開後、読者からさまざまな質問や疑問が寄せられたのでシェアダインに詳細を聞いた。

TechCrunch(TC):サービス提供エリアを教えてください。
シェアダイン:現在1都3県でサービス提供しています。具体的には2018年8月時点で以下のとおりです。

  • 東京都
    23区/八王子市/町田市/多摩市/日野市/稲城市/武蔵野市/三鷹市/調布市/府中市/国立市/狛江市/小金井市/国分寺市/小平市/東大和市/立川市/東久留米市/西東京市
  • 千葉県
    松戸市/浦安市/船橋市/習志野市/流山市/柏市/我孫子市/鎌ヶ谷市/八千代市/市川市/佐倉市/成田市/四街道市/印西市
  • 神奈川県
    川崎市/横浜市/藤沢市/鎌倉市/逗子市/相模原市
  • 埼玉県
    さいたま市/蕨市/川口市/春日部市/久喜市/上尾市/桶川市/越谷市/草加市/戸田市/朝霞市/志木市/吉川市/和光市/新座市/富士見市/ふじみ野市/三郷市/八潮市

TC:サービス提供エリア外へ進出する予定を教えてください。
シェアダイン:年内を目処にエリア拡大を開始、順次進めていく計画です。

TC:料理家に料理の要望(苦手なもの、アレルギー)などを出すことはできるのでしょうか?
シェアダイン:はい。アレルギー食材の有無、内容はプロフィール登録時に入力してもらい、料理家に申し込みと同時に共有されます。

TC:献立は事前にわかるのでしょうか。
シェアダイン:マッチング後、事前にチャットでのコミュニケーションが可能で、その際に苦手なもの含めた要望を反映しながら献立を提案します。ユーザーの中には、アレルギー食材や苦手なものだけ伝えて、買い物代行から献立提案、調理までお任せというケースもあります。特にリピーターには多く見られます。

TC:派遣される料理家はどうやって募集・選別しているのでしょうか。
シェアダイン:基本的に現在は広告と紹介です。説明会兼面談のあと、衛生研修、協力ユーザーの自宅で実際に題目に沿って3時間で10品の料理を作る実技もチェックします。

TC:材料費の決済方法は?
シェアダイン:現在はレシートを基にした当日精算です。LINE Payでユーザーと料理家との間で決済している例もあり、このあたりはキャッシュレスにしていきたいと考えています。

TC:材料の調達はユーザー宅近くのスーパーになるのでしょうか。
シェアダイン:特にユーザーからの指定がない場合は、普通のスーパーでは売っていないような食材を使う場合もあるので、当日調達を原則としつつ料理家に任せています。とはいえ、基本的にはユーザー宅の最寄りのスーパーが多いです。

TC:料理の際の調理器具や調味料は各自宅のものを使うのでしょうか。
シェアダイン:原則、ユーザー宅にある調味料、調理器具を使って調理します。調味料から提案する場合もわりとあります。その後、ユーザーが自宅で調理する際に「レパートリーが増えた」という声もありました。また逆のパターンで、なかなか自宅では使いこなせていない調味料や、備え付けのオーブンなどのあまり使われていない調理家電を使っての料理も積極的に提案しています。

TC:調理器具や調味料がそろっていない家だと調理が難しくなると思いますが?
シェアダイン:事前に図の調理器具や調味料の事前準備をお願いしています。すべてそろっていない場合、どうしても料理の幅が狭くなってしまうので、事前にないものは料理家が食材と一緒に購入するという提案もしています。

以下は、シェアダインがこれまで提供した料理の一例だ。

  • 食育
    離乳食後期〜幼児期への以降の手づかみ食べのおかずとして、咀嚼を促すメニューである「じゃがいも餅」、冷凍できる「鶏肉ボール」。魚離れが進んでいる中で、DHAを含む手軽な魚のおかずとして、漬け込んでおいて当日焼くだけの漬け込みメニュー「鮭のオイルハーブ漬け」「鯖の甘味噌漬け」。
  • 離乳食
    食材を小さく切り、小分けにしたフリージング離乳食として「筑前煮」「ごぼうと里芋のきんぴら」「鶏ひき肉と野菜炒め」「鮭とほうれん草のチャーハン」など料理。大人と同じものを途中で取り分けて薄味で仕上げ。そのほか手づかみ食べ”のおかずとして、「おやき」「スティック野菜」「きな粉蒸しパン」など提案。
  • 偏食(緑のお野菜をまったく食べない子供向け)
    一度素揚げをすると硬い繊維が柔らかくなり食感が変わる、出汁などの味が染み込みやすくなるような下処理を行う。子供の好きな味付け、食べやすいテクスチャーのあんかけを使った提案。
  • ダイエット(単にカロリーを減らすために野菜ばかり食べていた人向け)
    糖質を控えめにした、肉魚・豆・野菜・海藻をバランスよく使ったメニューを提案。腹持ちがいい、小腹が空いた時のための野菜たっぷりのスープ2種類など。
  • 美容
    鶏と漢方食材を使った参鶏湯。腸内環境を整えたり、血液がサラサラになると言われている酢玉ねぎなどを提案

月額1万2000円からの出張料理サブスク、最大4人の料理家が「つくおき」してくれる

シェアダインは、調理師や管理栄養士など食の専門家による出張料理のサブスクリプションサービスを3月19日からβ版として試験運用することを発表した。サービスの本格稼働は4月1日からとなる。

同社は2018年5月より専門家による出張料理サービスを手がけてきた。その中で、日々変化する「食の悩み」に答えてくれる専門家、個別の事情に応じてパーソナライズされた食事が求められていることがわかったという。働きながらの妊娠・出産、生活習慣病、介護などが増えてきた現代では、個人に最適化した食事のニーズは確実に高まっている。

3月19日から始まったサブスクリプションサービスは、月2回、月3回、月4回と3つのコースを用意。税別の月額料金はそれぞれ、1万2000円、1万8000円、2万4000円。交通費や買い物代行費が月額料金に含まれている。一人1食あたり1500円なので家族で外食に出かける程度のコストだ。要望に応じて最大4人の料理家を選ぶこともできる。今後はデータを蓄積していくことで、利用者と料理家のマッチングの精度を高めていくとのこと。

シェアダインが提供中の(サブスクリプションではない)出張料理の例