店舗の空きスペースを荷物預かり所に変える「ecbo cloak」がエリアを拡大中、沖縄でもサービスを開始

「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をマッチングするシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」。1月に東京で始まったこのサービスが、続々利用エリアを拡大している。4月に京都、5月に大阪、6月に福岡でそれぞれスタートし、そして今回、沖縄でのサービス開始を発表した。

サービスを提供するecboは8月9日、沖縄ツーリストと業務提携をし、那覇市・国際通りを拠点にecbo cloakを拡大させていくことを明らかにした。沖縄でのサービスローンチにあわせて、観光案内所「OTSメンバーズラウンジ」「OTS離島マルシェ」をはじめとして、20の店舗がサービスに参画する。

ecbo cloakは、店舗の空きスペースを荷物預かり所として登録することで、ユーザーが自由に荷物を預けることができるサービス。荷物を預けたいユーザーは、あらかじめ個人情報やクレジットカードの決済情報を登録しておく。そして、荷物を預けたい店舗を選択し、店舗まで荷物を持っていく。店舗は荷物の写真を撮ることで管理。荷物の引き渡しが完了すれば決済が行われ、店舗は手数料を得ることができる。料金はバッグ類が300円、スーツケース類が600円(いずれも1日の料金)となっている。

ecbo cloakがターゲットとするのは旅行者。中でも外国人旅行者の利用が多く、ユーザーの外国人比率は9割にも上っているという。利用エリアも観光スポットが中心で、東京であれば新宿、渋谷、浅草などでの利用が多い。現在の登録店舗数は全国で1000店舗。この中には登録は済んでいるが、サービス上に掲載されていない店舗も含まれている。沖縄でもすでに約200店舗の登録が済んでおり、今後も店舗数を拡大していく予定だという。ユーザー数や売上などは非公開だが、「6月から7月にかけては、これまで30〜40%増で推移していた売上が70%増になっている」(ecbo代表取締役社長の工藤慎一氏)という。

ecboでは今後、札幌や名古屋などでのサービスも検討中だという。2018年3月までに利用可能なスペースを1万店舗まで拡大することを目指す。

ecboは2015年5月の設立。独立系ベンチャーキャピタルのANRIのほか、個人投資家の千葉功太郎氏、渡瀬ひろみ氏からの出資を受けている。

コインロッカー代替サービスが続々、monooQは個人でもクロークになれるC2Cプラットフォーム

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旅行先でチャックアウトしてから帰りの電車までの時間、あるいは観光している最中、短時間でも手荷物を預けられる場所があると便利だろう。そのニーズに応えるシェアリングサービスがまた1つ誕生したようだ。Libtownは本日、荷物を預かるC2CのシェアリングサービスmonooQ(モノオク)をローンチした。

monooQの使い方は、他のシェアリングサービスと似ている。荷物を預かるホストは預かれる時間帯と場所を掲載し、荷物を預けたいユーザーはその枠を予約することができる。ホストが予約を承認したら、サービス内で事前に決裁し、あとは荷物を預けにいく流れだ。

先日、荷物の預かりのシェアリングサービスのecbo cloakを紹介したが、荷物を預かるという点では彼らのコンセプトと似ている。ただ、ecbo cloakではカフェや観光客向けの施設が中心に荷物を預かるのに対し、monooQは個人がホストとなるC2Cサービスだ。ホストは預かる量や大きさ、利用料金を設定することが可能だ。

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また、ホストは追加サービスとして、荷物の受取場所や引き渡し場所の変更するプランなどを設定することができる。例えば、最寄りの駅で待ち合わせて荷物を預かったり、預かった荷物を別の場所に届けたりすることを想定している。ホストがユーザーの預かり予約を承認すると、チャット画面が開き、そこでユーザーとホストは受取場所などの詳細を連絡できる仕組みだ。monooQはC2Cサービスなので、利用する側としては荷物の紛失や損害が心配になるところだが、そうした場合にでも対応できるよう保険の対応とヘルプデスクを常設しているという。

Libtownのファウンダーで代表を務める阿部祐一氏は大学卒業後、スタートアップと大企業をつなぐオープンイノベーションのプラットフォームCrewwに務めた後、2015年4月にLibtownを起業するに至った。monooQを開発したのは、友人に冷蔵庫を短期間預かってもらえないかという相談を受けたことがきっかけだったと話す。トランクルームは価格が高い上に、空いていないことが多いと友人の話を聞き、机の下でも部屋の一角でも個人が貸し出せる仕組みはないかと考えたという。

2015年12月からmonooQのベータ版を開発していたが、くしくも1月下旬には競合となるecbo cloackがローンチしている。それについて阿部氏は「複雑な心境」と明かした。ecbo cloackが先にローンチして、注目を浴びたことに悔しいという思いがある一方で、彼らに寄せられる反響から、荷物を預かるシェアリングサービスの可能性を再確認することができたことは嬉しくもあったと言う。どちらを使うかは最終的にユーザーが決めることであり、自社サービスの使い勝手を磨いていきたいと阿部氏は話す。

monooQはローンチ当初は12箇所でサービスを利用することができ、訪日外国人旅行客の多い浅草を中心に空きスペースを確保していく計画だと阿部氏は話す。現状ではウェブサービスのみだが、アプリ開発も進める予定だそうだ。現在はエンジェル投資家の出資を受け、運営しているという。

ユーザーにとってもホストにとっても、荷物の受け渡しに互いに連絡しなければならないステップが入るのは手間のようにも思う。ただ、こうして様々な形のシェアリングサービスが出てくるほど、ユーザーにとっては便利で質の高いサービスが利用できるになり、ホストにとっても持っている資産を有効活用する方法が増えることにつながるかもしれない。

カフェ難民に朗報、15分100円から席が借りられるCoin Spaceがローンチ

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カフェ以外のサードプレイスを

街のカフェはちょっとした時間に休憩したり、簡単な打ち合わせをしたり、仕事したりする人たちの受け皿になっている。しかし、本来は利用目的によって適した場所は違うだろう。コーヒーが飲みたいわけではないが、他に適当な場所がないからカフェに入ったという人も多そうだ。コインスペースは本日、ユーザーの利用シーンに応じて、適切な居場所を提供をする空きスペースのシェアリングサービスをローンチした。

この手のシェアリングサービスには、他にも会議室を中心とするSpacee(スペイシー)イベント会場から宿泊先まで幅広く取り扱うスペースマーケットなどいくつかある。コインスペースの使い方自体は、そういったサービスと大きくは変わらない。店舗が空きスペースの情報と空き時間を掲載し、ユーザーはそれを見て予約する仕組みだ。ただ、他のシェアリングサービスと違うコインスペースの特徴は、ユーザーが場所を貸し切るのではなく、10分から座席単位で場所を予約できることだ。場所を借りるというよりは、カラオケや漫画喫茶などの時間単位で席を借りる仕組みに近い。

コインスペースの予約画面

コインスペースの予約画面

現在コインスペースは、渋谷マークシティにあるクリエーションスクエアしぶやで観光案内を併設した時間貸しスペースを運営している。2月1日からは、QFRONT8階にある飲食店「ぷん楽」の店舗もコインスペースに掲載予定だ。ぷん楽の通常の営業時間は17時からだが、飲食店が営業していない10時から15時までの時間帯をコインスペースで貸し出す予定だという。店舗や席によって利用できる設備に違いはあるが、基本的にWiFi、電源、ホワイトボードがあり、飲食の持ち込みも可能だという。利用価格は15分100円からだ。

当初はスペースを貸し出す実店舗を運営していて、今回のウェブサイトのローンチを持ってシェアリングサービスにシフトしたとコインスペースの代表取締役を務める佐藤悠太氏は説明する。コインスペースはそもそもリアル店舗を運営していたデジサーフから佐藤氏が事業譲受し、改めて2016年1月に創業した。過去には期間限定で東急プラザ渋谷、QFRONT、ハイマンテン渋谷ビルでコインスペースを運営してきた。コインスペースではスペース貸し店舗を運営するための管理システムを開発していて、今回そのシステムを他の店舗でも使っていないスペースを時間貸しスペースとして掲載できるように開放したという経緯だ。

ユーザーはコインスペースで使いたい場所を検索して、席を予約できる。予めクレジットカードの決済情報を登録しておく仕組みなので、利用料の決済も自動だ。店舗側のスペースの掲載は無料で、コインスペースは取引手数料を得る形だ。店舗は席の貸し出す価格なども自由に設定できる。管理システムからは売り上げや予約状況をリアルタイムで確認でき、基本的には無人でも貸しスペース運営ができるという。使っていない時間帯に店舗を空けるだけで、副収入が得られるようになると佐藤氏は説明する。

コインスペース

コインスペースの管理画面

2度目の挑戦

コインスペース代表取締役、佐藤悠太氏

コインスペース代表取締役、佐藤悠太氏

佐藤氏にとって、コインサービスは2度目の挑戦となる。以前、佐藤氏はモバイル電子チケットサービスmoggyを立ち上げたが、売り上げの伸び悩みに直面し、サービス閉鎖という挫折を味わった。コインスペースではウェブだけでなく、店舗運営が基盤にあるので手堅いビジネスにしていけることを期待しているという。

「ウェブだけで完結するサービスでは現場の声が見えづらく、システムで解決できると考えがちでした」と佐藤氏は話す。自分たちでコインスペースの実店舗を運営することには多くの気づきがあったそうだ。例えば、スペースを貸し出す店舗の気持ちやアルバイト店員がオペレーションのために簡単に使えるUI設計とはどのようなものかなどを理解するきっかけになった。また、実際にどういう人がサービスを使っているか、目に見えて分かったのも大きいという。コインスペースを開店した当初、ビジネス利用が9割を占めると予想していたが、実際にはビジネス利用の他に、マンツーマンの英会話レッスンをしている人や手芸をしている人、カードゲームをしている人など様々な人が様々な用途のためにコインスペースを利用していることに気づいたそうだ。

「コインスペースが目指すのは、色んな利用シーンやニーズに合わせて最適なサードプレイスを提供することです」と佐藤氏は話す。同じような仕組みで利用できるコワーキングスペースなどもあるが、コインスペースは仕事をする場所を提供することに限定していない。個人レッスンでも趣味を楽しむ場所でも、「こういうことがしたいのに場所がない」という課題を解決したいと話す。はじめのうちはユーザーの利用に適しているか掲載場所をコインスペースで審査していく計画だが、年内には渋谷を中心に100店舗以上の掲載がある状態を目指すと佐藤氏は話している。